2014年12月27日土曜日

Jazztronik〜Big Band Special Live Set〜@ビルボードライブ東京

[日時]2014/12/27(土) 21:00開演(2nd set)
[会場]ビルボードライブ東京
[料金]¥6,700
[時間]1時間40分
[出演者]
 Ryota Nozaki [野崎良太] (Piano, Keyboards)
 Masanori Amakura [天倉正敬] (Drums)
 Ichiro Fujiya [藤谷一郎] (Bass)
 Watanabefire [渡辺ファイアー] (Alto Sax)
 Takeshi Kurihara [栗原健] (Tenor Sax , Soprano Sax , Flute)
 Madoka Nakazawa [中澤まどか] (Baritone Sax, Flute)
 Saeko Kurokawa [黒川紗恵子] (Clarinet)
 Mitsuru Tanaka [田中充] (Trumpet)
 Shigeru Terauchi [寺内茂] (Trumpet)
 Masaaki Ikeda [池田雅明] (Trombone)
 Mika Arisaka [有坂美香] (Vocals)

[曲目]
 01.Meguru 
 02.Heat
 03.Real Clothes
 04.Walk on
 05.Caravan
 06.Manon And Giorgia
 07.Today
 08.Tiger Eyes
 09.L.E.A.P.
 10.アオイアサガオ
 11.Love Tribe
 Enc1.Christmas Waltz
 Enc2.SAMURAI
 8から11はメドレー形式

 ビルボードライブ東京該当ページ
 Jazztronik公式Blog 「2015年」
  ライブの写真があります。

[感想]
 今回のライブはCD「Cinematic」発表から続いていたしっとり路線から離れ、野崎さんが長年の夢だったビッグバンドを率いての派手目のもの。弦楽四重奏に管楽器が何本か入ったライブはありましたが、今回は管楽器が7本ということで聴く方も楽しみなものでした。開場が20時のはずですが遅れました。演奏とMCが充実していて公演が長引いているのでしょう。期待に拍車をかけました。客席は例によって綺麗な女性が多く眼福でした(笑)。入場番号が4番でしたので、座席は中央二列目を確保。ピアノが見易い位置で、実際野崎さんの鍵盤捌きが良く見えました。

 ステージには「Jazztronik」の文字の入った箱形の譜面台まで揃えてありました。本気度が伺えます。写真撮影しておけば良かったですが、上記ブログに写真がありますね。

 「Meguru」は深田恭子主演「未来講師めぐる」メインテーマ曲。最初の数分は何を演奏しているのかわかりませんでした。それもそのはず、この公演用に新規に書いた部分だそうです。しかし7管の迫力に圧倒されて曲名を気にしている暇はなし(笑)。

 「Heat」は冒頭のバリトンサックスが格好良すぎ。そして原曲でのshachoのボーカルの代わりに、ここではアルトサックスが絶叫していました。ファンク志向の渡辺ファイアーさんも満足されたのではないでしょうか(笑)。実はこの一ヶ月前くらいにCSで渡辺ファイアーさんがリーダーを務めるGOO PUNCH!というファンクバンドを見ていて、ちょっと気になる存在でした。でも風貌と異なって結構年は行っているのね(^^;。

 ここでMC。ピアノじゃどうやってもサックスとかの音に勝てないので今日は伴奏に徹しますと、笑いを誘っていました。野崎さんも自分が編曲したのですから、管楽器がどう演奏してくれるか楽しみだった部分もあるのでしょう。

 「Real Clothes」はフェンダーピアノの音色が素敵でした。クラシカルでいいです。

 「Caravan」はクラリネットが見せ場。クラリネットもクラシカルな印象の楽器ですが、いい味出ますね。ジャズでもクラリネットはあまり使われなくなっていて、個人的には新鮮でした。

 「Manon And Giorgia」で有坂さん登場。スキャットですが、7管に一人で対抗できています。凄い!!

 「Today」は野崎さんの最近のお気に入りなのかな。曲調がコロコロ変わってコミカルで魅力的。有坂さんのボーカルのバックで管楽器が寄り添う様に伴奏。

 ここでMC。ビッグバンドはずっとやりたいと思っていて今回念願叶ったので、管楽器の人に活躍してもらおうと目一杯詰め込んだら、管楽器隊から「ビッグバンドとしても詰め込み過ぎ」という噂が伝わって来たそうです(笑)。そんなわけでこのMCタイムで疲弊した管楽器隊へ休憩を与えていました。

 「Tiger Eyes」から「Love Tribe」はメドレー形式。MCで明かされた様に管楽器に目一杯見せ場を作ったとのことで、アンサンブルにソロに、20分オーバーでずっと吹きっぱなしでした。「L.E.A.P.」でのサックスバトルで盛り上がる!! 「アオイアサガオ」キタコレ。私の大好きな曲。有坂さんが観客とボーカルの交換をした後、『夏が好き』の部分を季節に合わせて『冬が好き』と歌って会場爆発。素晴らしい。「Love Tribe」はイントロの管楽器アンサンブルが重厚で良かったです。

 アンコール一曲目「Christmas Waltz」はピアノ、クラリネット、ベースのみでしっとり演奏。

 アンコール二曲目はお約束の「SAMURAI」で、再び全員登場。これまで控え目だったピアノ中心にメロディを展開。その後は各楽器の絶叫タイム。サックスの栗原さんはソプラノとテナーの二本同時に銜えるし(笑)、トランペットはハイノート連発、ベースはスラップ奏法、ドラムは乱打。凄かったです。

 というわけで、年末最後はJazztronikの熱いステージで大満足でした。ビッグバンドはお金がかかるので大変でしょうが、年に一度くらいはやって欲しいものです。


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2014年12月14日日曜日

Fuzz Motion & Groove 4@石森管楽器スタジオ

[日時]2014/12/14(日) 16:00開演
[会場]石森管楽器スタジオ(大久保)
[料金]¥3,000(当日¥3,500)
[時間]2時間(1st 1時間10分 / 2nd 50分)
[出演者]
 今津雅仁(Ts)
 吉岡秀晃(p)
 古木佳祐(b)
 山田玲(Dr)
 三木俊雄(Ts)

[曲目]
 1st set
 01.Things Ain't What They Used To Be(邦題「昔は良かったね」)
 02.Bye Bye Blackbird
 03.Anti Calypso
 04.Stardust (ピアノトリオ + Ts 今津)
 05.Dawn That Dream (ピアノトリオ + Ts 三木)
 06.Dawn That Dream (ピアノトリオ)
 07.Foster's Chicken

 2nd set
 01.Lots of Lovely Love
 02.Whisper Not
 03.I'll Close My Eyes(邦題「瞳をとじて」)
 04.The Everywhere Calypso

 石森管楽器店
 今津雅仁ブログ
 吉岡秀晃公式サイト



[感想]
 私が20代前半だった頃、ジャズ界では今津雅仁が突然売れ出しました。ジャズ誌「スイングジャーナル」の仕掛けがなかったとは言えませんが、難解なフリージャズや電化のフュージョンとは違う、真っ当なハードバップが再評価されたのです。キラキラと若さ溢れるスイングするピアノの吉岡秀晃と共に、メロディアスで豪放なテナーの今津雅仁の演奏は本当にジャズの楽しさに溢れていました。そんなわけで私も今津のCDと吉岡のCDは一枚ずつではありますが買っていて、一時期はそればかり聴いていた感じでした。しかし残念ながらジャズクラブに行くことはありませんでした。当時ジャズクラブに行ったのは六本木PIT INNで行われた小野リサくらいでしょうか。その後ジャズと疎遠になりましたが、月日は流れ、ここ数年はブルーノート東京で外タレのジャズを聴く機会が増え、生バンドの楽しさを知りました。そうなると次の段階に進みます。日本のジャズはどうなっているの、と。まず頭に浮かんだのは吉岡秀晃でした。そこで先日無料の野外ライブを鑑賞したわけです。それが結構良かったので、今回はジャズクラブへの進出です。

 場所は管楽器店に併設されたイベントスペースでした。地下にあり天井が高く、50人程度しか入れない狭さとはいえなかなかの設備です。後方にバーカウンターがありましたが、私は自転車で行きましたのでコーヒー(2杯)のみ。というか、この日は寒くて乾きもののつまみに酒ではやってられない…

 客入りは惨憺たるもの。たぶん最大で12人くらいでガラガラ。この直前に行われた小岩のジャズ喫茶フルハウスのライブは満員御礼の盛況だったそうで、今津雅仁のブログには予約必須と告知されていましたが、どうやら今回のライブは告知が十分でなかった模様。ここはイベントスペースでライブは月に数回しか行われない会場ですので、もしかするとジャズファンもライブ自体を知らなかった可能性が高いですね。客の一人としては最前列でゆっくり楽しめましたが、バンドのメンバーにはなんとなく申し訳ない気分でいっぱいでした。

 メンバーは盟友と言うべき今津、吉岡コンビ(今津曰く年寄りコンビ)に、若手のベースとドラムス。ドラムスは若さ溢れた演奏でした。終始ピアノの吉岡秀晃とアイコンタクトしていて、とても楽しそう。お互いにスイングするので演奏が楽しいのでしょうね。今回はゲストにテナー三木俊雄を迎えていて、さながらサックスバトル。私はサックスバトルが好きなのでこれは嬉しかったです。今津雅仁は若い頃は吹きまくりという感じでしたが、いい感じに枯れていました。演奏曲もカリプソやスタンダード中心で(唯一の例外は今津雅仁オリジナル「Foster's Chicken」)、力が抜けた感じの曲ですしね。私が持っている彼らのCDでは元気溌剌オリジナルばかりでしたので、月日の流れを感じます。でもこちらもいい加減いい年したおじさんですので、スタンダードの方が安心です。吉岡秀晃のピアノは昔と変わらなかったです。ノリノリのスイングは健在。ウィットに溢れています。容貌こそすっかりおじさんですが(笑)、演奏は若々しかったです。

 2セット2時間で3000円は格安でした。しばらく吉岡秀晃中心にライブハウスを回ってみようかなと思っています。

[関連ライブレポート]
 2014/10/26 宮之上貴昭スーパークインテット@高砂音楽祭

2014年12月12日金曜日

小松亮太&オルケスタ・ティピカ@シアター1010

[日時]2014/12/12(金) 19:00開演
[会場]シアター1010
[料金]¥6,000
[時間]1時間52分
[出演者]
 小松亮太 (バンドネオン)
 北村聡 (バンドネオン)
 コー・サンジ (バンドネオン)
 ウー・ヤンラン (バンドネオン)
 鈴木厚志 (ピアノ)
 田中伸司 (コントラバス)
 近藤久美子 (ヴァイオリン)
 ユン・ジョンス (ヴァイオリン)
 川口静華 (ヴァイオリン)
 松本卓以 (チェロ)
 菊池幹代 (ビオラ)
 藤井珠緒 (パーカッション 「下弦の月」のみ)
 イ・ジョング(?) (ボーカル 「下弦の月」「エル・チョクロ」のみ)

[曲目]
 01.風の詩〜THE 世界遺産
 02.ダンサリン
 03.たそがれのオルガニート
 04.碧空
 05.グスコーブドリの伝記(北村聡・コー・サンジ)〜想いの届く日(小松亮太・ウー・ヤンラン)
 06.ジェラシー
 07.軍靴の響き
 08.リベルタンゴ
 休憩
 09.コントラバヘアンド
 10.ビジェギータ
 11.出撃〜暗〜アタック
 12.下弦の月
 13.エル・チョクロ
 14.アディオス・ノニーノ
 15.夢のすべて
 16.メリディオナル
 Enc.ラ・クンパルシータ



 公演ポスターの画像。

 小松亮太ブログ該当ページ

[感想等]
 12月7日に法事の供物を買いに北千住丸井に行った所、丸井にあるシアター1010で行われる小松亮太公演のポスターを見かけました。公演は一週間後というまさに直近。ネットで調べるとまだ座席があるとのこと、そして"オルケスタ・ティピカ"という贅沢な編成であるということで参戦をすることに。2012年4月のブルーノート東京でのオルケスタ・ティピカの感動を今一度!! そんなわけであまり内容を調べず行ったのですが、今回は"世界初の多国籍タンゴ・オルケスタ"ということだそうです。世界と言ってもアジアの日本、韓国、台湾という三ヶ国ですが、ドイツ生まれの楽器でアルゼンチンタンゴをアジア三ヶ国の奏者が演奏するというのも面白い組み合わせです。

 客席は女性客優勢。男性は全体の15%くらいしかいませんでした。客の年齢層の中心は50歳以上、下手したら60歳以上かもという感じでした。ブルーノート東京やビルボードライブ東京で行われる小松亮太公演よりは高めだったと思います。

 シアター1010は1階2階合わせて700席程度ですが、客席に傾斜がつけられとても見易い会場でした。

 公演は20分程度の途中休憩を挟み、前半45分、後半67分程度でした。

 「風の詩」は小松亮太が作った『THE 世界遺産』というテレビ番組のテーマ曲。
 「碧空」はドイツ人が作ったタンゴで、日本に初めて紹介されたのは昭和8年。「ダンサリン」「たそがれのオルガニート」もそうですが、古いタンゴはロマンティックですね。
 「グスコーブドリの伝記」は北村聡、コー・サンジ組、「想いの届く日」は小松亮太、ウー・ヤンラン組のデュオ演奏。バンドネオンの音色をたっぷり味わえました。小松亮太が話していましたが、バンドネオンは教会で使われるオルガンの代用楽器だったらしく、バンドネオンだけで演奏すると荘厳な感じがして教会っぽいです。
 「ジェラシー」はデンマークの作曲家が作ったタンゴ。サービスタイムということで、バイオリン二台が客席に現われて演奏しました。華やか。
 「リベルタンゴ」はアストラ・ピアソラの超有名曲。毎度演奏せざるを得ないので、今回は編曲に凝りまくったそうです。

 後半はコントラバスを使ったタンゴのリズム講座から開始。2月のビルボードライブ東京と同じものでした。
 「コントラバヘアンド」はアストラ・ピアソラ作曲で、コントラバスが主役の珍しい曲。
 「ビジェギータ」はアストラ・ピアソラが1946年に作曲した無名時代の曲。2012年4月のブルーノート東京公演もそうでしたが、後半開始二曲は敢えて有名でない曲を演奏することでお客さんのタンゴ感を広げようという意図がありそうです。
 「出撃〜暗〜アタック」はコー・サンジが自分の好きなアニメの主人公からインスピレーションを得て作曲したものだそうです。言われてみればアニメのBGMに使われてもおかしくない様な曲調です(笑)。
 「下弦の月」は小松亮太作曲。カラオケランキングの歌いにくい曲で上位に入っているそうです(笑)。J-POPなんかに比べるとアニメ音楽は比較的自由にもの作りできる場なので、それ故に許される曲ということでしょうか。韓国人歌手のイ・ジョング(こう聞こえたのですが正しい表記か不明)がボーカル。またこの曲では藤井珠緒がパーカッションで参加しましたが、彼女は北千住出身の小松亮太と同じ足立区竹の塚出身だそうで、彼女の退場時に小松亮太は「(北千住と竹の塚の中間の)梅島辺りで飲みましょう」と言ってローカルネタで会場を笑わせていました。
 「エル・チョクロ」は元はタンゴの曲ながら、アメリカで英語詩を付けて「Kiss Of Fire」としてリバイバルされた曲。
 「アディオス・ノニーノ」ではバンドネオンはウー・ヤンランのみ。
 「メリディオナル」は甘く激しく本当にドラマティック。いいメロディですねぇ。
 最後はタンゴの代表曲「ラ・クンパルシータ」。メンバー紹介を挟みながらの大団円でした。

 公演後はCD販売兼サイン会でしたが大盛況でした。

[過去のレポート]
 2012/04/01 小松亮太@Blue Note Tokyo
 2014/02/23 小松亮太 with Special Guest 大貫妙子@ビルボードライブ東京

2014年12月8日月曜日

Chico & The Gypsies@Blue Note Tokyo

[日時]2014/12/08(日) 17:00開演(1st set)
[会場]ブルーノート東京
[料金]¥7,920(自由席8,800円-会員割引10%)
[時間]1時間27分
[出演者]
 Chico [チコ] (g,vo)
 Joseph Gautier [ヨセフ・ゴーティエ] (g,vo)
 Mounin [モウニン] (g,vo)
 Kema [ケマ] (g)
 Kassaka [カッサカ] (g,vo)
 Tony Ballester [トニー・バレスター] (b)
 Eric Lafont [エリック・ラフォン] (ds)
 Juan Vicente [ホアン・ヴィセンテ](p)
 PeeWee [ピーウィー] (vln)
 ※以上、ブルーノート東京の表記に従う。

[1st set曲目]
 01.UN AMOR (Mounin)
 02.ALLEGRIA
 03.BAILA ME (Mounin・Joseph)
 04.AMOR DE MIS AMORES (Joseph)
 05.PHARAON
 06.PETINGO (Kassaka)
 07.ME AND MRS JONES (Mounin)
 08.TODOS OLE (Mounin)
 09.INSPIRATION
 10.LIBERTANGO
 11.HOTEL CALIFORNIA (Joseph)
 12.WAKA WAKA (Joseph・Kassaka・Mounin)
 13.DJOBI DJOBA (Mounin)
 14.BAMBOLEO (Mounin)
 Enc1.VOLARE (Joseph)
 Enc2.MY WAY (Mounin・Joseph)
 ※括弧内はメインボーカル







 ステージにあったセットリストを撮影。

 ブルーノート東京該当ページ
 ブルーノート東京ライブレポート 原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

[感想]
 毎年恒例のジプシーズが来日。しかも昨年と同じ時期で、私にとっては二年連続で父の命日です。Gypsy Kingsが好きだった父の良い供養になります。

 最終日は平日ですが、客席は満員。一時期音楽の質も客の動員も低迷しましたが、昨年のKema復帰とバンドの完成ぶりから動員は凄いことになってます。もっともそうなると客層の悪化は必然なわけで、タオルを振り回したり(アリーナコンサートじゃないんだから…)、最前列で携帯電話で写真撮影するおばちゃん(ライブ中に注意されていた)に囲まれて楽しみは多少損なわれました。20歳の若造じゃないんですから勘弁していただきたい。

 以下、曲の感想。

 「UN AMOR」。公演は大抵明るい曲から始まるバンドにしては渋い選曲。Mouninのハスキーボイスのコブシに痺れました。
 「ALLEGRIA」。Kemaのギターが圧巻。このバンドにKemaは欠かせないですね。
 「BAILA ME」。「踊ろうよ」という曲ですので、陰のない軽快なダンス曲。途中のJosephの声の伸びもいいし、かき鳴らす様なギターも圧巻。
 「AMOR DE MIS AMORES」。「誰よりも愛するあなた」というタイトル通り、情熱的なJosephのボーカル。
 「PHARAON」。Kemaをフューチャーしたインストゥルメンタル。Kemaを囲んでサポートするギター陣の姿も格好良いです。
 「PETINGO」。昨年と同様、途中で「千の風になって」を日本語で挟んできました。もう定番になったみたいですね。
 「ME AND MRS JONES」。聴いた時は曲調が他と異なるなと思いました。帰宅後ネットで調べてみると、Billy Paulが1972年に発表したソウルミュージックだそうです。タイトルからそうかなぁと思いましたが、不倫の曲だそうで(歌われている時はスペイン語なので意味不明でした)。オリジナルと違って不倫を情熱的に歌っていました(笑)。
 「TODOS OLE」。毎度のジプシー祭りでスタンディングへ。例によって観客に「オーレ」と叫ばせて場内は一体化。
 「INSPIRATION」。Kemaの超絶ギターをフューチャーしたインストゥルメンタル。この曲は中村吉右衛門版「鬼平犯科帳」のエンディングテーマに使われていましたが、この日命日だった私の父はこの曲が大好きでした。というわけで父の代わりに堪能しました。Kemaのギターを聴かせる為か、伴奏は控え目。
 「LIBERTANGO」。バイオリンのPeeWeeの見せ場。Astor Piazzolla(アストル・ピアソラ)作曲のタンゴの名曲で、タンゴに疎い日本人でも一度は聴いたことのあるメロディのはず。最初はバイオリンメインでロマンティックに。そして速弾きのピアノソロへ。クラシックの曲をバイオリンとピアノが競奏し、最後は合奏で「LIBERTANGO」に戻っていました。テクニックを見せつけます。
 「HOTEL CALIFORNIA」。言わずと知れたEaglesの名曲。オリジナルさえ上回る哀愁感があります。
 「WAKA WAKA」。2010年ワールドカップの公式ソング。ここからはオールスタンディングで最後まで。
 「BAMBOLEO」からはヒット曲メドレーで大盛り上がり。特に「VOLARE」は場内大合唱。

 この編成は完璧に熟成されています。欠点なしです。技量のあるメンバー全員が力を発揮して、哀愁のある曲も陽気な曲も素晴らしい出来映え。それでいて演奏時間も一時間半近くと、ブルーノート東京では異例の大サービス。終演後はサイン会も行うサービスぶり。これは当分人気が衰えることはなさそうです。では、来年またブルーノートでお会いしましょう(笑)。

[参考Youtube動画]
 

 Kemaの見事なギター演奏。



 代表曲を一通り収めた映像。

2014年11月5日水曜日

Platina Jazz Orchestra presented by Rasmus Faber@ビルボードライブ東京

[日時]2014/11/05(土) 19:00開演 (1st セット)
[会場]ビルボードライブ東京
[料金]8,500円
[時間]1時間20分
[出演者]
 Rasmus Faber [ラスマス・フェイバー] (Keyboards)
 Martin Persson [マーティン・パーソン] (Piano)
 Carl Bagge [カール・バッゲ] (Keyboards)
 Martin Höper [マーティン・ホーパー] (Acoustic Bass)
 Ola Bothzén [オーラ・ボッゼン] (Drums)
 Emily McEwan [エミリー・マクイーワン] (Vocals)
 Niklas Gabrielsson [ニクラス・ガブリエルソン] (Vocals, Percussions)
 Kristian Harborg [クリスチャン・ハーボーグ] (Tenor Saxophone)
 Alberto Pinton [アルベルト・パントン] (Baritone Saxophone,Flute,Bass Clarinet)
 Jonas Wall [ジョナス・ウォール] (Alto Saxophone,Flute,Clarinet)
 Nils Janson [ニルス・ジャンソン] (Trumpet)
 Karl Frid [カール・フリッド] (Trombone)

[曲目]
 01.花ハ踊レヤいろはにほ (「ハナヤマタ」)
 02.きてよパーマン (「パーマン」)
 03.めぐりあい (「機動戦士ガンダム」) vo.ニクラス
 04.はじめてのチュウ (「キテレツ大百科」) vo.ニクラス
 05.アルタイル (「坂道のアポロン」) vo.エミリー、ニクラス
 06.檄!帝国華撃団 (「サクラ大戦」) vo.エミリー
 07.となりのトトロ (「となりのトトロ」)
 08.デビルマンのうた (「デビルマン」) vo.ニクラス
 09.優しい忘却 (「涼宮ハルヒの消失」) vo.エミリー
 10.THANATOS-IF I CAN'T BE YOURS- (「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」)
 11.inner universe (「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」)
 12.Tank! (「カウボーイビバップ 」)
 Enc1.STILL LOVE HER (「CITY HUNTER 2」)
 Enc2.FLY ME TO THE MOON (「新世紀エヴァンゲリオン」原曲はアメリカンスタンダード) vo.エミリー、ニクラス

[感想]
 ジャズピアニスト出身ながらハウス音楽で名を成すスウェーデン出身のラスマス・フェイバー。その彼がアニメ音楽をジャズで演奏するプラチナジャズ・オーケストラ。私にとっては三回目の参戦です。最初はカジュアル席、次がDXシートで、今回はより臨場感を味わおうと自由席を選択。全体が見られる様に中央三列目に陣取りました。三連休明けの平日ですからお客を呼ぶのが難しいですが、最終的には75%位の入りですかね。私が過去二回見たのは中島愛がゲスト参加して集客力がアップした時ということもあり、今回の入りは少し残念。

 とはいえ、演奏はいつも通り素晴らしかったです。CDになってない新曲が多くノリにくい部分はありましたが、逆に「こんな編曲でやるのか!」というサプライズは増していました。

 以下、個別にメモを再構成しながら。

 「花ハ踊レヤいろはにほ」。長いタイトルを多少拙く言うラスマスに笑いがありました。「ハナヤマタ」というアニメは知りませんでしたが、可愛らしくも軽快なアレンジでした。

 「きてよパーマン」。演奏前のタイトル紹介で爆笑。そう来ますか。これも可愛らしいアレンジで、ラスマスのバイブラフォン(って言っていたけどマリンバか?)が印象的。テナーサックスも如何にもジャズのソロ演奏という感じでした。

 「めぐりあい」。タイトル紹介で会場から『おー』の声が。原曲は映画のシーンの物悲しさも手伝って寂しい曲ですが、小粋な編曲とボーカルでした。バスクラリネットがいい味を出していました。

 「はじめてのチュウ」。前回も演奏しましたが、純情な子供のチューがプレイボーイなキスになっているのが笑えます。それにしても毎回思いますが、ニクラス・ガブリエルソンはフランク・シナトラばりに格好良いしうまいです。

 「アルタイル」。アニメは「坂道のアポロン」だそうですが、帰宅後調べたらジャズを扱ったアニメなんですね。私はこのプラチナジャズで新しいアニメを知ることが多いです(笑)。プラチナジャズではツインボーカルで渋い演奏でしたが、オリジナルを聴いてみたらしっとりした良い曲でした。

 「檄!帝国華撃団」。サンバ調で、『て〜い〜こ〜く かげきだ〜ん〜」のサビがコケティッシュ。フルートのソロが秀逸でした。「サクラ大戦」も20年近く前のゲームなんですね。

 「となりのトトロ」。バイブラフォンが印象的なイントロ。

 「デビルマンのうた」。最初デューク・エリントン楽団を連想させましたが、違いました。ベニー・グッドマンの「Sing Sing Sing」ですね。ドンドコドンドコというドラムで始まって、流麗なクラリネットがソロを取り、何事かと思ったら、ボーカルが始まるとデビルマンになっていました。その瞬間にお客さん全員大ウケ(笑)。元歌こそアニメのデビルマンですが、曲のアレンジは正調ベニー・グッドマンというギャップが素晴らしいです。今回最大の聴き所でした。是非CD化を!!

 「優しい忘却」。原曲もしっとりした曲なので、いまいち原曲との差がないような…

 「THANATOS-IF I CAN'T BE YOURS-」。サンバとかボサノバ調。帰宅後調べると原曲は随分スローテンポですね。

 「inner universe」。初めて聴きましたが、構成の難しい曲ですねぇ。帰宅後調べると、菅野よう子の曲ですか。

 「Tank」。『長いことやりたかった曲だけど、やるだけの準備が整わなかったんだ。でもやっと準備が整ったよ』と紹介。ラテン調。ベースのリズムがたまりません。オリジナルは私が大好きな曲。しかしJazztronikとイメージが被る演奏だなぁ(笑)。

 「STILL LOVE HER」。「CITY HUNTER 2」は1988年放送ということで、私がアニメを見ていない頃でした。そんなわけで曲もいまいち記憶に残らず。

 「FLY ME TO THE MOON」。「新世紀エヴァンゲリオン」のエンディング曲ですが、ジャズファンなら誰でも知っているスタンダード。例によってニコラスとエミリーが掛け合いでオシャレなボーカルを聴かせてくれました。

 客入りから来年の招聘が危ぶまれますが、ライブ自体は充実していました。CDになってない新曲をどんどん投入するあたり、創作意欲も満々ですね。CDは売れない時代ですし、円安でチケット代は騰がるしで大変ですが、できれば毎年楽しませて欲しいものです。

[参考URL]
 ビルボードライブ東京該当ページ
 MUSICMAN-NET アニメ・ジャズ・プロジェクト「プラチナ・ジャズ」、来日公演にてほぼ全編新曲のみのライブ披露
 VICTOR ENTERTAINMENT RASMUS FABER
 セットリスト LiveFans Platina Jazz Orchestra 2014/11/04(1st)
 セットリスト LiveFans Platina Jazz Orchestra 2014/11/04(2nd)
 セットリスト LiveFans Platina Jazz Orchestra 2014/11/05(1st)
 セットリスト LiveFans Platina Jazz Orchestra 2014/11/05(2nd)
 2012年6月9日公演レポート

[参考動画]




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2014年10月29日水曜日

GORDON GOODWIN'S BIG PHAT BAND@ブルーノート東京

[日時]2014/10/29(水) 19:00開演 (1st セット)
[会場]ブルーノート東京
[料金]7,200円(自由席会員割引)
[時間]1時間26分
[出演者]
 Gordon Goodwin [ゴードン・グッドウィン] (band leader,p,sax)
 Andrew Synowiec [アンドリュー・シノヴェツ] (guitar)
 Rick Shaw [リック・ショウ] (bass)
 Bernie Dresel [バーニー・ドレセル] (drums)
 Joey DeLeon [ジョーイ・デレオン] (percussions)
 Jeff Driskill [ジェフ・ドリスキル] (sax)
 Sal Lozano [サル・ロサーノ] (sax)
 Brian Scanlon [ブライアン・スキャンロン] (sax)
 Kevin Garren [ケヴィン・ギャレン] (sax)
 Jay Mason [ジェイ・メイソン] (sax)
 Wayne Bergeron [ウェイン・バージロン] (trumpet)
 Matthew Fronke [マシュー・フロンケ] (trumpet)
 Chad Willis [チャド・ウィリス] (trumpet)
 Willie Murillo [ウィリー・ムリロ] (trumpet)
 Ryan Dragon [ライアン・ドラゴン] (trombone)
 Charlie Morillas [チャーリー・モリラス] (trombone)
 Andy Martin [アンディ・マーティン] (trombone)
 Craig Gosnell [クレイグ・ゴスネルン] (trombone)

[曲目]
 01.WHY WE CAN'T HAVE NICE THINGS
 02.LIFE IN THE BUBBLE
 03.RHAPSODY IN BLUE
 04.GARAJE GATO
 05.THE QUIET CORNER
 06.YEARS OF THERAPY
 07.SYNOLICKS
 08.RACE TO THE BRIDGE
 EC.THE JAZZ POLICE

 ブルーノート東京該当ページ
 原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

[感想]
 最終的には客席は7割強は埋まりましたが、満員には程遠かったです。女性客の目立つ公演は満員になるのですが、男性客が目立つ公演は客入りがいまいちです。

 内容ですが、ビッグバンドはアレンジの妙が楽しめますね。トランペット4、トロンボーン4、サックス5は凄い迫力。派手できらびやか。ビッグバンドでギターというのも珍しいと思うのですが、「THE JAZZ POLICE」ではかなり効果的に使われて格好良かったです。

 「RHAPSODY IN BLUE」はテレビやラジオやCDでは何度も聴いたことのある曲ですが、生で聴くのは初めてかも。冒頭のクラリネットが震える程美しかったです。如何にもジャズという弾むリズムの演奏はクラシックとは趣が異なりますね。

 ライブレポートで前日のセットリストを知りましたが、ファーストとセカンドで内容を変えているんですね。サービス精神旺盛。しかしそのお陰で私が聴きたかった「BACKROW POLITICS」はファーストセットでは演奏されませんでした。それだけが残念。

 以下、参考動画。




2014年10月26日日曜日

宮之上貴昭スーパークインテット@高砂音楽祭

[日時]2014/10/26(日) 14:20頃開演
[会場]葛飾区高砂北公園
[料金]無料
[時間]50分
[出演者]
 宮之上貴昭 (Guitar)
 岡淳 (Sax , Flute)
 吉岡秀晃 (Piano)
 清水昭好 (Bass)
 井川晃 (Drums)

[曲目]
 1.Too Close for Comfort
 2.Soul Station
 3.No More Blues
 4.Sentimental Journey
 5.Manteca
 6.エンディングテーマ? 曲名失念〜Billie's Bounceのメドレー

 第7回 高砂ウッドストック

[感想]
 外タレが多いブルーノート東京へはよく行っていますが、ここの所CSのミュージックエアで何人かの日本人音楽家のジャズ演奏を聴いてみて、日本人演奏者を目当てにジャズクラブに行くつもりになっていました。そんな折、吉岡秀晃さんを思い出してウェブ検索。テナーサックスの今津雅仁さんのハードバップ一直線な演奏にハマった際、そのサイドマンとしてピアノを演奏していたのが吉岡さんでした。彼もまたご機嫌なスイングするピアノで、ファーストアルバムの「Here We Go」も買ってお気に入りとしてよく聴いていました。ただ私はこの頃からジャズ離れしてしまいました。そんなわけで吉岡さんもすっかりご無沙汰。そして検索して出て来たのが高砂ウッドストックというイベントでした。無料なら行って後悔はないですから、散髪のついでに高砂へ。

 会場は普通の公園で、プロレス興行やらフリーマーケットもあって、手作り感溢れる小規模な音楽祭でした。ステージの前に長椅子がいくつも設置されていました。しかし音楽なんか聴いてないでひたすらビールを呷り大声で話すじいさんがいたり。無料イベントの悪い所で、音楽を聴く気もない客も紛れちゃうんですよね。そんな中ですので、音楽的にはいまいち集中できず。西日もきつかったですし。

 演奏内容はスタンダード中心。無料イベントでジャズに疎い客層が多いわけですから、当然有名で馴染みのあるメロディの曲ということになります。私は宮之上貴昭さんを知らなかったのですが、私が大好きなウェス・モンゴメリー系という演奏で嬉しかったです。肝心の吉岡さんはピアノではなくシンセサイザーですので音的には求めていたものと異なりましたが、スイング感は健在。これならジャズクラブでのピアノも楽しめそうです。

 アントニオ・カルロス・ジョビン作曲「No More Blues」では、岡さんがフルートを吹きながら口笛やスキャットをして、お客さんに大ウケ。大道芸と紙一重で楽しませていました。以前Lou Donaldsonのライブレポートでも書きましたが、どんな会場どんな客層に呼ばれるかわからないミュージシャンは人を楽しませる術を持っていますね。上から目線で「俺の歌を聴け!!」というロッカーとは違います(笑)。
 「Sentimental Journey」は日本語では"感傷旅行"。感傷旅行と葛飾と言えば寅さんということで「センチメントラ・ジャーニー」だそうで、宮之上さんは所々に寅さんのメロディを挟んだ編曲を用意し、笑いを誘っていました。さすが。
 MCで感謝の意を伝えた後、バンドのエンディングテーマ?へ(全体で1分くらい)。名前が思い出せない曲から「Billie's Bounce」へのメドレーで、「Billie's Bounce」は高速演奏で締め。

 演奏後、宮之上さんがCD販売していたので「I remember Wes」を購入してサインをいただきました。敬愛するウェスに捧げたアルバム。井上祐一さんのピアノも格好良かったです。

 なかなか楽しかったので、たぶんそのうちどこぞのジャズクラブに行くと思います。


【送料無料】 宮之上貴昭 / I remember Wes 【CD】

2014年10月14日火曜日

菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール@Blue Note Tokyo

[日時]2014/10/14(火) 19:00開演(1st set)
[会場]ブルーノート東京
[料金]¥7,200(指定席会員割引)
[時間]1時間13分
[出演者]
 菊地成孔 (sax, vo, conduct)
 林正樹 (p)
 鳥越啓介 (b)
 早川純 (bandneon)
 堀米綾 (harp)
 大儀見元 (perc)
 田中倫明 (perc)
 梶谷裕子 (vln 1)
 須原杏 (vln 2)
 河村泉 (vla)
 菅野太雅 (vlc)

[曲目]
 01.タケミツトーン 〜 京マチ子の夜
 02.カラヴァッジョ
 03.I.C.I.C.
 04.キリング・タイム
 05.儀式
 06.バンドネオン・ソロ 〜 ルペ・ベレスの葬儀
 EC.SUPER RICH KIDS

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 ブルーノート東京 公演の模様

[感想]
 相変わらず女性人気が凄いです。最前列の自由席はほぼ女性。箱全体でも半分近くが女性という感じ。例によって和装だったりドレッシーであったり、このライブへ足を運ぶ女性のファッションは特異です。

 演奏は弦楽隊による初めて聴く現代音楽風の曲からスタート。どこかで聴いたことがある響きだなぁとは思いましたが、後に発表されたセットリストで理解。武満徹ですね。しかしパーカッションが入ると雰囲気は一転。武満徹だろうがラップだろうが、このラテンオルケスタが演奏すると途端にオリジナルな世界です。
 現代音楽プラスラテンの世界から、「京マチ子の夜」で艶っぽい世界観へ。分厚い音のシャワーがたまりません。
 続いて「カラヴァッジョ」。詩の朗読プラス解説から始まりますが、言葉の力をあまり信じない私には空虚にしか感じませんでした。菊地成孔が作り出すペペ・トルメント・アスカラールの音楽は大好きですが、彼の良く使うフレーズを真似れば、「菊地成孔の言葉の40%は嘘偽りハッタリ、残り60%は誇張で出来ている」と思っています。言葉が信じられないんです(笑)。ある宗教の教祖の言葉は信者以外には全く空虚に見えても、信徒にとっては神の言葉です。そんな感じで、私には菊地成孔の言葉はどうにもダメです。でも曲が佳境に入ると、私もどっぷり音楽に身を委ねていました。歌も苦手なはずなんですけどねぇ。でも歌より明らかに終盤のテナーサックスの方が説得力があると思いますよ。
 「I.C.I.C.」。胡散臭い女性ボーカル、キター(笑)。偽物感がハンパないんですが… 狙っているのだと思いますが、どことなく90年代のEAST END×YURIを思わせる安っぽさ。
 「キリング・タイム」。大好きな曲。ベースがブンブン言わせていて快感でした。今回私はベースに目と耳が行きがちでした。しかし弦楽隊がサポートメンバーになった弊害発生。第一バイオリン吉田翔平のソロには遠く及ばないです… 繰り返しの回数を勘違いしたのか、アンサンブルが一ヶ所おかしかったですし。
 「儀式」。自分は音楽的センスがないので歌も踊りも苦手ですが、このつんのめる様なポリリズムは快感。
 「バンドネオン・ソロ 〜 ルペ・ベレスの葬儀」。一転、ラテンオルケスタの本領発揮。バンドネオン、テナー、ベースのアンサンブルが気持ち良いし、それぞれのソロも本当に魅力的。ハープも聴かせどころたっぷりでした。
 「SUPER RICH KIDS」。アルバム「戦前と戦後」を購入後にオリジナルを聴きましたが、これをカバーする必然性がわからかったです。オリジナルはリズムは現代的ですし何より歌が滅茶苦茶うまい!! 同じカバーでも「Killing Time」は明らかにオリジナルと一線を画していますが、「SUPER RICH KIDS」はオリジナルの劣化カラオケとしか思えません。ラップの後のピアノ、バンドネオンのソロ等オルケスタがうまいのでそれなりに聴けましたが、これが締めというのは残念という感じでした。

 DJは飽きて今はラップがマイブームなんでしょうね。取り入れる要素は変幻自在ではありますが、基本になるオルケスタが頑健なので、何をやってもオリジナルな世界になるのは凄いと思います。ただやっぱり50代のラッパーは見ていて辛いというのが本音(^^;。

 それと、弦楽隊がサポートメンバーになっちゃったのが残念。確かに規模縮小という話があった気がしましたが、弦楽隊が対象でしたか。年がら年中ライブをやっていればメンバー固定も意味がありますが、年に数回のライブとCD制作しかしないオルケスタなのでメンバーが固定かそうでないかという話にギャラ的に意味があるのかわかりません。だいぶ違うんですかね。いずれにせよ弦楽隊にやや不安を感じました。

 なんだかんだ書きましたが、来年は結成10周年だそうで、また新しい企みで楽しませてくれるのを期待しています。




2014年9月28日日曜日

2014/09/28 足立区→大網白里→東金駅

走行距離 101.12km
走行時間 04:51:19
平均速度 20.8km/h
最高速度 47.0km/h
使用車種 KHS F20-R



 ゴールデンウィークの5月4日に九十九里浜まで遠征を行いましたが、海岸線の食事処は大混雑。海は見たもののパンを齧って帰るという屈辱を味わいました(^^;。そろそろ海も空く頃ですので、リベンジを兼ねて久しぶりに外房へ向かいました。

 2014/05/04 足立区→大網白里→足立区

 07:40頃、自宅を出発。走行コースは慣れたもので、地図を見なくてもスイスイ。環状七号線から国道14号線、千葉駅辺りから大網街道を南東に進むのみ。

 しかし下総台地を下りる辺りから強風が吹き始めました。そう言えば台風が来ていましたね。南の低気圧が風を吸っているのでしょうか、進行方向に対して横からの北風が強く、自転車がフラフラしました。なんとか中央海水浴場に着きましたが、距離は短いですがここから北上です。反対方向に走り去るロードバイクがもの凄い速度で走るのに対し、猛烈な向かい風のこちらは時速15kmも出ません… この風に乗って大原でタコ飯を食べるのが正しいかもと思いながらも、なんとか豊海海水浴場近くにあるいさりび食堂へ。この時点でサイクルコンピュータは11:52を表示。お昼時間に重なってしまい、また混雑でダメかと覚悟しました。しかし店内はテーブルがひとつ空いていました。サイクルコンピュータが11分程進んでいて、お昼少し前だったのです。それに店内のお客さんはそこそこ回転していて、私が入店してからテーブルはいくつか空きました。



 まずは私の定番いわし丼定食。1080円。実は前日もスーパーでいわしの刺身を買って食べたんですけどね(笑)。



 ホタテ焼き。1枚432円を2枚。



 バターと出汁で美味。しかしよく考えたら私ははまぐりを食べようと思っていたんです。いつの間にかホタテ注文しているし(^^;。次回こそはまぐりを注文せねば。



 お腹もいっぱいになったので豊海海水浴場へ。この写真だけ見ると、波を無視すればもの凄く良い天気に見えますが…



 もの凄い強風で、かなり遠くの海上でも大波が出来ていました。砂浜ギリギリまで波が打ち寄せます。



 だいたい、人がほとんどいないのです。右端にキャンプ用ベッドに寝そべる物好きが一名写っていますが(笑)。



 強烈な風で風紋が出来ています。



 写真より動画の方が荒れ模様がわかりやすいです。

 僅か1、2分の撮影の間に黒いリュックの上は砂だらけ。自転車のチェーンにも影響しそうです。目は痒くなるし鼻水は出るしで、とにかく海岸から離れることに。

 海岸から離れるとさすがに砂粒は飛んで来ませんが、風は依然として強いまま。しかも帰りも横風と向かい風です。天気は良いので自走したいところですが、さすがにモチベーションが下がりましたので、東金から輪行することにしました。道中、刈入れの終わった田んぼは良いのですが、何も植えてない畑は風で舞った土埃が酷かったです。

 東金から小岩まで輪行し、小岩から自走。今朝も含めて環状七号線が定番のルートですが、時間がありますので中川沿いを走ってみました。完全なサイクリングロードではない為、橋のある場所は公道に交わりますし、国道6号線と交わる場所では一旦環状七号線に迂回しなければなりませんでした。でも全体的には走りやすく、明るい時間帯なら利用すると良さそうです。

 16:30には西日が眩しく、これからどんどん日が短くなって行くのだなぁと実感。17:00頃に自宅に到着しました。

 外房にランチを食べに行っただけという感じのサイクリングでした(笑)。距離的には100kmで不満ありませんし、外房では風が強くて参りましたが天気は良く、夏の最後のサイクリングを堪能できました。

所用経費
 JR 東金→小岩 972円

2014年9月21日日曜日

2014/09/21 林道広河原逆川線

走行距離 102.44km
走行時間 07:01:04
平均速度 14.5km/h
最高速度 53.6km/h
使用車種 KHS F20-R



 先週が御嶽山ヒルクライム&登山ですっかり疲れましたので、今週は軽めに飯能へ。林道広河原逆川線を飯能側から上って有間峠へ、引き返して麓のさわらびの湯に入ってまったりするという、余裕のコースを選択しました。

 06:25頃に自宅を出発。荒川サイクリングロード等を走って池袋へ。そこから西武池袋線で輪行。08:25、飯能到着。駅ビルのファミリーマートでパンを二個買い、08:35頃に出発。飯能河原を過ぎてからはパンを齧りつつ走ります(笑)。



 県道53号線の新道ではなく旧道へ。庚申の山湧水を補給する為に。



 湧水源から水をホースで引いている為、少し放水しないとホース中に滞留した水が出てきます。夏場はホースが黒いこともあってお湯が出ちゃいます(笑)。いつも取水の自動車が停まっているので写真を撮れなかったのですが、本日は朝早いこともあって無人でした。



 有間ダムの激坂はいつも苦しいですが、上ってしまえば綺麗な景色に癒されます。



 少し風があるので完全ではありませんが、湖面に雲が映って綺麗です。



 名栗湖の左岸道路は法面というか山の斜面が崩落していて通行止めです。



 しかし昨秋からほとんど進展がない状況の様な…



 林道広河原逆川線起点。いよいよヒルクライムが始まります。それにしてもダムの堤体にバイクの人は多くいましたが、いつも釣り人で賑わう獺橋は無人。全体的に自動車も少ないですし、先週の連休の反動ですかね。



 林道広河原逆川線名栗側ゲート。林道起点からは走りながら撮影。



 空がやたら綺麗。



 まだ秋という感じではないです。



 暑さを凌げる、いつもの北面。さすがに背後は撮影できず停車。



 青空に紅葉。



 こんな感じのカーブが始まると逆川乗越も近く、逆川乗越から先は勾配が緩やかになります。逆川乗越を過ぎてから、ヒルクライム中に抜かれたロードバイク3台が下ってくるのと擦れ違いました。バイクも少ないし、本日は本当に閑散としています。



 12:18、有間峠に到着。



 有間峠から有間ダム。西武ドーム等を含め、この日は遠くまで良く見えました。



 夏に比べれば陽射しも強くありませんので、峠の端で堂々とバーナーを使って昼食。有間峠は日陰がないんですよねぇ。



 カップラーメンの後はコーヒーとバームクーヘン。疲れた体に甘味が染み入ります。幸せ。

 ところで、食事をしていると峠の秩父側ゲート前にいたバイクが秩父側に下って行ってしまいました。通行止めとはいえ、オフロードバイクなら大丈夫なのでしょうか。しばらくすると別のバイク乗りが名栗側から来ましたので話を伺うと、テクニックのあるオフロードバイクなら突破できると聞いているとのこと(笑)。法面が崩落しただけで、路盤が落ちたわけではなさそうです。オフロードバイクが突破できるなら徒歩や自転車担ぎなら楽勝でしょう。というわけで私も下ることを決断。ただし突破できなかった場合は上り返しが厳しいのが自転車の欠点です。13:05、突入。



 距離で500mくらい下った所。大して荒れてないなぁ…



 更に距離で500mくらい下った所。ごめん。荒れてますね(笑)。



 バイクの通った所だけ枯れ葉がないです。彼らは無事秩父へ抜けたのでしょうか。



 高度が下がる程荒れるのは何故でしょう?



 ガードレールが拉げたり、直径50cmくらいの落石があったり、斜面の木が道路に落ちて来ていたり、さすがに荒れていました。特に鋭利な落石には気をつけました。パンクはイヤですからね。



 ヤシンタイの頭への作業道を望む場所。葉が繁っていて作業道の「Z」が見えません。



 うわ。さすがにこれは軽自動車でも通行不可です。



 ドーン。盛大に斜面崩落、高さ5mくらい岩や石が堆積しています。斜面に吹き付けてあったコンクリートが砕けて混ざっています。

 先行のバイク乗りが二人、バイクを停めて座り込んでいました(^^;。少し話を聞きましたが、さすがにバイクで突破するのは難しく、命あっての物種なので引き返す決断寸前という感じです。私は自転車を停めて、徒歩で崩れた箇所に登ってみます。



 吹き付けのコンクリートが盛大に剥がれています。今にもボロボロ岩が落ちてきそうです。



 登山者や林業関係者の為か、堆積した岩の上には踏み後があり、赤いマークが付いていました。登山道か(笑)。



 反対側から撮影。どちらも徒歩なら簡単に越えることは可能でした。というわけで自転車を担いで突破。後ろからバイク乗りの「担げるバイクがあれば売れるな」という声が聞こえました(笑)。



 標高で20m程下った所から、崩落現場が見えました。盛大に崩れています。しかし春先から全然復旧されないとは、秩父側としては優先順位がかなり低いんですね。このまま冬期通行止め期間突入で、来春に直すかどうか…



 崩落現場から1.5kmくらいで秩父側ゲートに到着。ワサビ小屋がある所です。

 ここから先はいつも通りの林道です。路面状態は良いとは言えませんが、鋭利な落石があるわけもなく、普通に走れました。



 秩父さくら湖上流部分を浚渫中。秩父もみじ湖ができたので近隣のダムの整備がされているんですかね。



 浦山ダムに到着。



 盛りつけをダム風にしたダムカレーと言えば黒部ダムカレーが有名ですが、みなかみダムカレーとか、他にもある様ですね。今回浦山ダムを久しぶりに訪れたら、浦山ダムカレーが「竣工」されていました(笑)。揚げ物はトンカツではなくハムカツの様です。



 浦山ダムと並べて紹介されています。提供開始は9月とのことで、出来立てホヤホヤですね。しかし残念ながら1時間前に有間峠でカップ麺を食べた直後だったこと、秩父市街に下りて味噌豚丼かわらじかつ丼を食べるつもりだったこともありスルーしました。

 秩父さくら湖を下り、秩父市街方面へ。わらじカツ丼の安田屋はバイク乗りで行列が外に溢れていましたorz 西武秩父駅には14:30頃到着。名栗側に戻った時はさわらびの湯に入るつもりでしたので、時間があることもあり、秩父側でも風呂に入ろうと武甲温泉へ。一時間半くらいのんびり湯に浸かりました。



 国道299号線に繋がる武甲温泉への道から、武甲山と三菱セメント。この道は最近整備されたんですかね。



 駅へは行かず、道の駅ちちぶへ。850gの栗を540円で購入。柿の葉たくあんと秩父豚肉味噌漬は西武秩父駅の仲見世通りで購入。

 その後食事をしようと移動しますが、豚みそ丼の野さかは営業終了、安田屋は20分前にオーダーストップでしたorz 道の駅で蕎麦でも食べれば良かった… 止むなく西武秩父駅へ行き、お土産を購入。帰りの電車で食べようと秩父もちと酒饅頭も購入。

 17:25のレッドアロー号に乗車。すると前の座席の人も駅前で自転車を畳んでいたんですが、わらじカツっぽい弁当を食べ始めたんですよ。しまった。どこかでお弁当を買うという手があったかと後悔。侘しく秩父もちと酒饅頭を食べて飢えを凌ぎましたよ(苦笑)。

 池袋からは自走。20:20に帰宅しました。帰路は背中が重くて仕方ありませんでした。お土産の三品で2kg以上あり、帰宅してリュックを計ったら6.5kgありました。重いはずですわ。



 走行ルート標高図。相変わらず名栗側の勾配は厳しかったです。二回程自転車を停めて大の字になって腰の痛みが引くのを待ちました。ヒルクライムなのにバーナーセットとかラーメンの為の余分な水とか、荷物が多すぎでした。

 久しぶりに有間峠に上っただけでなく秩父側に下りられましたし、峠では景色を見ながら食事ができ、温泉に入ってまったりと、サイクリングとしての満足度は大変高かったです。これで夕食が摂れれば完璧でしたね。

所用経費
 西武鉄道 池袋→飯能 463円
      西武秩父→池袋 772円
         特急料金 640円