2014年10月29日水曜日

GORDON GOODWIN'S BIG PHAT BAND@ブルーノート東京

[日時]2014/10/29(水) 19:00開演 (1st セット)
[会場]ブルーノート東京
[料金]7,200円(自由席会員割引)
[時間]1時間26分
[出演者]
 Gordon Goodwin [ゴードン・グッドウィン] (band leader,p,sax)
 Andrew Synowiec [アンドリュー・シノヴェツ] (guitar)
 Rick Shaw [リック・ショウ] (bass)
 Bernie Dresel [バーニー・ドレセル] (drums)
 Joey DeLeon [ジョーイ・デレオン] (percussions)
 Jeff Driskill [ジェフ・ドリスキル] (sax)
 Sal Lozano [サル・ロサーノ] (sax)
 Brian Scanlon [ブライアン・スキャンロン] (sax)
 Kevin Garren [ケヴィン・ギャレン] (sax)
 Jay Mason [ジェイ・メイソン] (sax)
 Wayne Bergeron [ウェイン・バージロン] (trumpet)
 Matthew Fronke [マシュー・フロンケ] (trumpet)
 Chad Willis [チャド・ウィリス] (trumpet)
 Willie Murillo [ウィリー・ムリロ] (trumpet)
 Ryan Dragon [ライアン・ドラゴン] (trombone)
 Charlie Morillas [チャーリー・モリラス] (trombone)
 Andy Martin [アンディ・マーティン] (trombone)
 Craig Gosnell [クレイグ・ゴスネルン] (trombone)

[曲目]
 01.WHY WE CAN'T HAVE NICE THINGS
 02.LIFE IN THE BUBBLE
 03.RHAPSODY IN BLUE
 04.GARAJE GATO
 05.THE QUIET CORNER
 06.YEARS OF THERAPY
 07.SYNOLICKS
 08.RACE TO THE BRIDGE
 EC.THE JAZZ POLICE

 ブルーノート東京該当ページ
 原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

[感想]
 最終的には客席は7割強は埋まりましたが、満員には程遠かったです。女性客の目立つ公演は満員になるのですが、男性客が目立つ公演は客入りがいまいちです。

 内容ですが、ビッグバンドはアレンジの妙が楽しめますね。トランペット4、トロンボーン4、サックス5は凄い迫力。派手できらびやか。ビッグバンドでギターというのも珍しいと思うのですが、「THE JAZZ POLICE」ではかなり効果的に使われて格好良かったです。

 「RHAPSODY IN BLUE」はテレビやラジオやCDでは何度も聴いたことのある曲ですが、生で聴くのは初めてかも。冒頭のクラリネットが震える程美しかったです。如何にもジャズという弾むリズムの演奏はクラシックとは趣が異なりますね。

 ライブレポートで前日のセットリストを知りましたが、ファーストとセカンドで内容を変えているんですね。サービス精神旺盛。しかしそのお陰で私が聴きたかった「BACKROW POLITICS」はファーストセットでは演奏されませんでした。それだけが残念。

 以下、参考動画。




2014年10月26日日曜日

宮之上貴昭スーパークインテット@高砂音楽祭

[日時]2014/10/26(日) 14:20頃開演
[会場]葛飾区高砂北公園
[料金]無料
[時間]50分
[出演者]
 宮之上貴昭 (Guitar)
 岡淳 (Sax , Flute)
 吉岡秀晃 (Piano)
 清水昭好 (Bass)
 井川晃 (Drums)

[曲目]
 1.Too Close for Comfort
 2.Soul Station
 3.No More Blues
 4.Sentimental Journey
 5.Manteca
 6.エンディングテーマ? 曲名失念〜Billie's Bounceのメドレー

 第7回 高砂ウッドストック

[感想]
 外タレが多いブルーノート東京へはよく行っていますが、ここの所CSのミュージックエアで何人かの日本人音楽家のジャズ演奏を聴いてみて、日本人演奏者を目当てにジャズクラブに行くつもりになっていました。そんな折、吉岡秀晃さんを思い出してウェブ検索。テナーサックスの今津雅仁さんのハードバップ一直線な演奏にハマった際、そのサイドマンとしてピアノを演奏していたのが吉岡さんでした。彼もまたご機嫌なスイングするピアノで、ファーストアルバムの「Here We Go」も買ってお気に入りとしてよく聴いていました。ただ私はこの頃からジャズ離れしてしまいました。そんなわけで吉岡さんもすっかりご無沙汰。そして検索して出て来たのが高砂ウッドストックというイベントでした。無料なら行って後悔はないですから、散髪のついでに高砂へ。

 会場は普通の公園で、プロレス興行やらフリーマーケットもあって、手作り感溢れる小規模な音楽祭でした。ステージの前に長椅子がいくつも設置されていました。しかし音楽なんか聴いてないでひたすらビールを呷り大声で話すじいさんがいたり。無料イベントの悪い所で、音楽を聴く気もない客も紛れちゃうんですよね。そんな中ですので、音楽的にはいまいち集中できず。西日もきつかったですし。

 演奏内容はスタンダード中心。無料イベントでジャズに疎い客層が多いわけですから、当然有名で馴染みのあるメロディの曲ということになります。私は宮之上貴昭さんを知らなかったのですが、私が大好きなウェス・モンゴメリー系という演奏で嬉しかったです。肝心の吉岡さんはピアノではなくシンセサイザーですので音的には求めていたものと異なりましたが、スイング感は健在。これならジャズクラブでのピアノも楽しめそうです。

 アントニオ・カルロス・ジョビン作曲「No More Blues」では、岡さんがフルートを吹きながら口笛やスキャットをして、お客さんに大ウケ。大道芸と紙一重で楽しませていました。以前Lou Donaldsonのライブレポートでも書きましたが、どんな会場どんな客層に呼ばれるかわからないミュージシャンは人を楽しませる術を持っていますね。上から目線で「俺の歌を聴け!!」というロッカーとは違います(笑)。
 「Sentimental Journey」は日本語では"感傷旅行"。感傷旅行と葛飾と言えば寅さんということで「センチメントラ・ジャーニー」だそうで、宮之上さんは所々に寅さんのメロディを挟んだ編曲を用意し、笑いを誘っていました。さすが。
 MCで感謝の意を伝えた後、バンドのエンディングテーマ?へ(全体で1分くらい)。名前が思い出せない曲から「Billie's Bounce」へのメドレーで、「Billie's Bounce」は高速演奏で締め。

 演奏後、宮之上さんがCD販売していたので「I remember Wes」を購入してサインをいただきました。敬愛するウェスに捧げたアルバム。井上祐一さんのピアノも格好良かったです。

 なかなか楽しかったので、たぶんそのうちどこぞのジャズクラブに行くと思います。


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2014年10月14日火曜日

菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール@Blue Note Tokyo

[日時]2014/10/14(火) 19:00開演(1st set)
[会場]ブルーノート東京
[料金]¥7,200(指定席会員割引)
[時間]1時間13分
[出演者]
 菊地成孔 (sax, vo, conduct)
 林正樹 (p)
 鳥越啓介 (b)
 早川純 (bandneon)
 堀米綾 (harp)
 大儀見元 (perc)
 田中倫明 (perc)
 梶谷裕子 (vln 1)
 須原杏 (vln 2)
 河村泉 (vla)
 菅野太雅 (vlc)

[曲目]
 01.タケミツトーン 〜 京マチ子の夜
 02.カラヴァッジョ
 03.I.C.I.C.
 04.キリング・タイム
 05.儀式
 06.バンドネオン・ソロ 〜 ルペ・ベレスの葬儀
 EC.SUPER RICH KIDS

 ブルーノート東京該当ページ
 ブルーノート東京 公演の模様

[感想]
 相変わらず女性人気が凄いです。最前列の自由席はほぼ女性。箱全体でも半分近くが女性という感じ。例によって和装だったりドレッシーであったり、このライブへ足を運ぶ女性のファッションは特異です。

 演奏は弦楽隊による初めて聴く現代音楽風の曲からスタート。どこかで聴いたことがある響きだなぁとは思いましたが、後に発表されたセットリストで理解。武満徹ですね。しかしパーカッションが入ると雰囲気は一転。武満徹だろうがラップだろうが、このラテンオルケスタが演奏すると途端にオリジナルな世界です。
 現代音楽プラスラテンの世界から、「京マチ子の夜」で艶っぽい世界観へ。分厚い音のシャワーがたまりません。
 続いて「カラヴァッジョ」。詩の朗読プラス解説から始まりますが、言葉の力をあまり信じない私には空虚にしか感じませんでした。菊地成孔が作り出すペペ・トルメント・アスカラールの音楽は大好きですが、彼の良く使うフレーズを真似れば、「菊地成孔の言葉の40%は嘘偽りハッタリ、残り60%は誇張で出来ている」と思っています。言葉が信じられないんです(笑)。ある宗教の教祖の言葉は信者以外には全く空虚に見えても、信徒にとっては神の言葉です。そんな感じで、私には菊地成孔の言葉はどうにもダメです。でも曲が佳境に入ると、私もどっぷり音楽に身を委ねていました。歌も苦手なはずなんですけどねぇ。でも歌より明らかに終盤のテナーサックスの方が説得力があると思いますよ。
 「I.C.I.C.」。胡散臭い女性ボーカル、キター(笑)。偽物感がハンパないんですが… 狙っているのだと思いますが、どことなく90年代のEAST END×YURIを思わせる安っぽさ。
 「キリング・タイム」。大好きな曲。ベースがブンブン言わせていて快感でした。今回私はベースに目と耳が行きがちでした。しかし弦楽隊がサポートメンバーになった弊害発生。第一バイオリン吉田翔平のソロには遠く及ばないです… 繰り返しの回数を勘違いしたのか、アンサンブルが一ヶ所おかしかったですし。
 「儀式」。自分は音楽的センスがないので歌も踊りも苦手ですが、このつんのめる様なポリリズムは快感。
 「バンドネオン・ソロ 〜 ルペ・ベレスの葬儀」。一転、ラテンオルケスタの本領発揮。バンドネオン、テナー、ベースのアンサンブルが気持ち良いし、それぞれのソロも本当に魅力的。ハープも聴かせどころたっぷりでした。
 「SUPER RICH KIDS」。アルバム「戦前と戦後」を購入後にオリジナルを聴きましたが、これをカバーする必然性がわからかったです。オリジナルはリズムは現代的ですし何より歌が滅茶苦茶うまい!! 同じカバーでも「Killing Time」は明らかにオリジナルと一線を画していますが、「SUPER RICH KIDS」はオリジナルの劣化カラオケとしか思えません。ラップの後のピアノ、バンドネオンのソロ等オルケスタがうまいのでそれなりに聴けましたが、これが締めというのは残念という感じでした。

 DJは飽きて今はラップがマイブームなんでしょうね。取り入れる要素は変幻自在ではありますが、基本になるオルケスタが頑健なので、何をやってもオリジナルな世界になるのは凄いと思います。ただやっぱり50代のラッパーは見ていて辛いというのが本音(^^;。

 それと、弦楽隊がサポートメンバーになっちゃったのが残念。確かに規模縮小という話があった気がしましたが、弦楽隊が対象でしたか。年がら年中ライブをやっていればメンバー固定も意味がありますが、年に数回のライブとCD制作しかしないオルケスタなのでメンバーが固定かそうでないかという話にギャラ的に意味があるのかわかりません。だいぶ違うんですかね。いずれにせよ弦楽隊にやや不安を感じました。

 なんだかんだ書きましたが、来年は結成10周年だそうで、また新しい企みで楽しませてくれるのを期待しています。