2014年12月27日土曜日

Jazztronik〜Big Band Special Live Set〜@ビルボードライブ東京

[日時]2014/12/27(土) 21:00開演(2nd set)
[会場]ビルボードライブ東京
[料金]¥6,700
[時間]1時間40分
[出演者]
 Ryota Nozaki [野崎良太] (Piano, Keyboards)
 Masanori Amakura [天倉正敬] (Drums)
 Ichiro Fujiya [藤谷一郎] (Bass)
 Watanabefire [渡辺ファイアー] (Alto Sax)
 Takeshi Kurihara [栗原健] (Tenor Sax , Soprano Sax , Flute)
 Madoka Nakazawa [中澤まどか] (Baritone Sax, Flute)
 Saeko Kurokawa [黒川紗恵子] (Clarinet)
 Mitsuru Tanaka [田中充] (Trumpet)
 Shigeru Terauchi [寺内茂] (Trumpet)
 Masaaki Ikeda [池田雅明] (Trombone)
 Mika Arisaka [有坂美香] (Vocals)

[曲目]
 01.Meguru 
 02.Heat
 03.Real Clothes
 04.Walk on
 05.Caravan
 06.Manon And Giorgia
 07.Today
 08.Tiger Eyes
 09.L.E.A.P.
 10.アオイアサガオ
 11.Love Tribe
 Enc1.Christmas Waltz
 Enc2.SAMURAI
 8から11はメドレー形式

 ビルボードライブ東京該当ページ
 Jazztronik公式Blog 「2015年」
  ライブの写真があります。

[感想]
 今回のライブはCD「Cinematic」発表から続いていたしっとり路線から離れ、野崎さんが長年の夢だったビッグバンドを率いての派手目のもの。弦楽四重奏に管楽器が何本か入ったライブはありましたが、今回は管楽器が7本ということで聴く方も楽しみなものでした。開場が20時のはずですが遅れました。演奏とMCが充実していて公演が長引いているのでしょう。期待に拍車をかけました。客席は例によって綺麗な女性が多く眼福でした(笑)。入場番号が4番でしたので、座席は中央二列目を確保。ピアノが見易い位置で、実際野崎さんの鍵盤捌きが良く見えました。

 ステージには「Jazztronik」の文字の入った箱形の譜面台まで揃えてありました。本気度が伺えます。写真撮影しておけば良かったですが、上記ブログに写真がありますね。

 「Meguru」は深田恭子主演「未来講師めぐる」メインテーマ曲。最初の数分は何を演奏しているのかわかりませんでした。それもそのはず、この公演用に新規に書いた部分だそうです。しかし7管の迫力に圧倒されて曲名を気にしている暇はなし(笑)。

 「Heat」は冒頭のバリトンサックスが格好良すぎ。そして原曲でのshachoのボーカルの代わりに、ここではアルトサックスが絶叫していました。ファンク志向の渡辺ファイアーさんも満足されたのではないでしょうか(笑)。実はこの一ヶ月前くらいにCSで渡辺ファイアーさんがリーダーを務めるGOO PUNCH!というファンクバンドを見ていて、ちょっと気になる存在でした。でも風貌と異なって結構年は行っているのね(^^;。

 ここでMC。ピアノじゃどうやってもサックスとかの音に勝てないので今日は伴奏に徹しますと、笑いを誘っていました。野崎さんも自分が編曲したのですから、管楽器がどう演奏してくれるか楽しみだった部分もあるのでしょう。

 「Real Clothes」はフェンダーピアノの音色が素敵でした。クラシカルでいいです。

 「Caravan」はクラリネットが見せ場。クラリネットもクラシカルな印象の楽器ですが、いい味出ますね。ジャズでもクラリネットはあまり使われなくなっていて、個人的には新鮮でした。

 「Manon And Giorgia」で有坂さん登場。スキャットですが、7管に一人で対抗できています。凄い!!

 「Today」は野崎さんの最近のお気に入りなのかな。曲調がコロコロ変わってコミカルで魅力的。有坂さんのボーカルのバックで管楽器が寄り添う様に伴奏。

 ここでMC。ビッグバンドはずっとやりたいと思っていて今回念願叶ったので、管楽器の人に活躍してもらおうと目一杯詰め込んだら、管楽器隊から「ビッグバンドとしても詰め込み過ぎ」という噂が伝わって来たそうです(笑)。そんなわけでこのMCタイムで疲弊した管楽器隊へ休憩を与えていました。

 「Tiger Eyes」から「Love Tribe」はメドレー形式。MCで明かされた様に管楽器に目一杯見せ場を作ったとのことで、アンサンブルにソロに、20分オーバーでずっと吹きっぱなしでした。「L.E.A.P.」でのサックスバトルで盛り上がる!! 「アオイアサガオ」キタコレ。私の大好きな曲。有坂さんが観客とボーカルの交換をした後、『夏が好き』の部分を季節に合わせて『冬が好き』と歌って会場爆発。素晴らしい。「Love Tribe」はイントロの管楽器アンサンブルが重厚で良かったです。

 アンコール一曲目「Christmas Waltz」はピアノ、クラリネット、ベースのみでしっとり演奏。

 アンコール二曲目はお約束の「SAMURAI」で、再び全員登場。これまで控え目だったピアノ中心にメロディを展開。その後は各楽器の絶叫タイム。サックスの栗原さんはソプラノとテナーの二本同時に銜えるし(笑)、トランペットはハイノート連発、ベースはスラップ奏法、ドラムは乱打。凄かったです。

 というわけで、年末最後はJazztronikの熱いステージで大満足でした。ビッグバンドはお金がかかるので大変でしょうが、年に一度くらいはやって欲しいものです。


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2014年12月14日日曜日

Fuzz Motion & Groove 4@石森管楽器スタジオ

[日時]2014/12/14(日) 16:00開演
[会場]石森管楽器スタジオ(大久保)
[料金]¥3,000(当日¥3,500)
[時間]2時間(1st 1時間10分 / 2nd 50分)
[出演者]
 今津雅仁(Ts)
 吉岡秀晃(p)
 古木佳祐(b)
 山田玲(Dr)
 三木俊雄(Ts)

[曲目]
 1st set
 01.Things Ain't What They Used To Be(邦題「昔は良かったね」)
 02.Bye Bye Blackbird
 03.Anti Calypso
 04.Stardust (ピアノトリオ + Ts 今津)
 05.Dawn That Dream (ピアノトリオ + Ts 三木)
 06.Dawn That Dream (ピアノトリオ)
 07.Foster's Chicken

 2nd set
 01.Lots of Lovely Love
 02.Whisper Not
 03.I'll Close My Eyes(邦題「瞳をとじて」)
 04.The Everywhere Calypso

 石森管楽器店
 今津雅仁ブログ
 吉岡秀晃公式サイト



[感想]
 私が20代前半だった頃、ジャズ界では今津雅仁が突然売れ出しました。ジャズ誌「スイングジャーナル」の仕掛けがなかったとは言えませんが、難解なフリージャズや電化のフュージョンとは違う、真っ当なハードバップが再評価されたのです。キラキラと若さ溢れるスイングするピアノの吉岡秀晃と共に、メロディアスで豪放なテナーの今津雅仁の演奏は本当にジャズの楽しさに溢れていました。そんなわけで私も今津のCDと吉岡のCDは一枚ずつではありますが買っていて、一時期はそればかり聴いていた感じでした。しかし残念ながらジャズクラブに行くことはありませんでした。当時ジャズクラブに行ったのは六本木PIT INNで行われた小野リサくらいでしょうか。その後ジャズと疎遠になりましたが、月日は流れ、ここ数年はブルーノート東京で外タレのジャズを聴く機会が増え、生バンドの楽しさを知りました。そうなると次の段階に進みます。日本のジャズはどうなっているの、と。まず頭に浮かんだのは吉岡秀晃でした。そこで先日無料の野外ライブを鑑賞したわけです。それが結構良かったので、今回はジャズクラブへの進出です。

 場所は管楽器店に併設されたイベントスペースでした。地下にあり天井が高く、50人程度しか入れない狭さとはいえなかなかの設備です。後方にバーカウンターがありましたが、私は自転車で行きましたのでコーヒー(2杯)のみ。というか、この日は寒くて乾きもののつまみに酒ではやってられない…

 客入りは惨憺たるもの。たぶん最大で12人くらいでガラガラ。この直前に行われた小岩のジャズ喫茶フルハウスのライブは満員御礼の盛況だったそうで、今津雅仁のブログには予約必須と告知されていましたが、どうやら今回のライブは告知が十分でなかった模様。ここはイベントスペースでライブは月に数回しか行われない会場ですので、もしかするとジャズファンもライブ自体を知らなかった可能性が高いですね。客の一人としては最前列でゆっくり楽しめましたが、バンドのメンバーにはなんとなく申し訳ない気分でいっぱいでした。

 メンバーは盟友と言うべき今津、吉岡コンビ(今津曰く年寄りコンビ)に、若手のベースとドラムス。ドラムスは若さ溢れた演奏でした。終始ピアノの吉岡秀晃とアイコンタクトしていて、とても楽しそう。お互いにスイングするので演奏が楽しいのでしょうね。今回はゲストにテナー三木俊雄を迎えていて、さながらサックスバトル。私はサックスバトルが好きなのでこれは嬉しかったです。今津雅仁は若い頃は吹きまくりという感じでしたが、いい感じに枯れていました。演奏曲もカリプソやスタンダード中心で(唯一の例外は今津雅仁オリジナル「Foster's Chicken」)、力が抜けた感じの曲ですしね。私が持っている彼らのCDでは元気溌剌オリジナルばかりでしたので、月日の流れを感じます。でもこちらもいい加減いい年したおじさんですので、スタンダードの方が安心です。吉岡秀晃のピアノは昔と変わらなかったです。ノリノリのスイングは健在。ウィットに溢れています。容貌こそすっかりおじさんですが(笑)、演奏は若々しかったです。

 2セット2時間で3000円は格安でした。しばらく吉岡秀晃中心にライブハウスを回ってみようかなと思っています。

[関連ライブレポート]
 2014/10/26 宮之上貴昭スーパークインテット@高砂音楽祭

2014年12月12日金曜日

小松亮太&オルケスタ・ティピカ@シアター1010

[日時]2014/12/12(金) 19:00開演
[会場]シアター1010
[料金]¥6,000
[時間]1時間52分
[出演者]
 小松亮太 (バンドネオン)
 北村聡 (バンドネオン)
 コー・サンジ (バンドネオン)
 ウー・ヤンラン (バンドネオン)
 鈴木厚志 (ピアノ)
 田中伸司 (コントラバス)
 近藤久美子 (ヴァイオリン)
 ユン・ジョンス (ヴァイオリン)
 川口静華 (ヴァイオリン)
 松本卓以 (チェロ)
 菊池幹代 (ビオラ)
 藤井珠緒 (パーカッション 「下弦の月」のみ)
 イ・ジョング(?) (ボーカル 「下弦の月」「エル・チョクロ」のみ)

[曲目]
 01.風の詩〜THE 世界遺産
 02.ダンサリン
 03.たそがれのオルガニート
 04.碧空
 05.グスコーブドリの伝記(北村聡・コー・サンジ)〜想いの届く日(小松亮太・ウー・ヤンラン)
 06.ジェラシー
 07.軍靴の響き
 08.リベルタンゴ
 休憩
 09.コントラバヘアンド
 10.ビジェギータ
 11.出撃〜暗〜アタック
 12.下弦の月
 13.エル・チョクロ
 14.アディオス・ノニーノ
 15.夢のすべて
 16.メリディオナル
 Enc.ラ・クンパルシータ



 公演ポスターの画像。

 小松亮太ブログ該当ページ

[感想等]
 12月7日に法事の供物を買いに北千住丸井に行った所、丸井にあるシアター1010で行われる小松亮太公演のポスターを見かけました。公演は一週間後というまさに直近。ネットで調べるとまだ座席があるとのこと、そして"オルケスタ・ティピカ"という贅沢な編成であるということで参戦をすることに。2012年4月のブルーノート東京でのオルケスタ・ティピカの感動を今一度!! そんなわけであまり内容を調べず行ったのですが、今回は"世界初の多国籍タンゴ・オルケスタ"ということだそうです。世界と言ってもアジアの日本、韓国、台湾という三ヶ国ですが、ドイツ生まれの楽器でアルゼンチンタンゴをアジア三ヶ国の奏者が演奏するというのも面白い組み合わせです。

 客席は女性客優勢。男性は全体の15%くらいしかいませんでした。客の年齢層の中心は50歳以上、下手したら60歳以上かもという感じでした。ブルーノート東京やビルボードライブ東京で行われる小松亮太公演よりは高めだったと思います。

 シアター1010は1階2階合わせて700席程度ですが、客席に傾斜がつけられとても見易い会場でした。

 公演は20分程度の途中休憩を挟み、前半45分、後半67分程度でした。

 「風の詩」は小松亮太が作った『THE 世界遺産』というテレビ番組のテーマ曲。
 「碧空」はドイツ人が作ったタンゴで、日本に初めて紹介されたのは昭和8年。「ダンサリン」「たそがれのオルガニート」もそうですが、古いタンゴはロマンティックですね。
 「グスコーブドリの伝記」は北村聡、コー・サンジ組、「想いの届く日」は小松亮太、ウー・ヤンラン組のデュオ演奏。バンドネオンの音色をたっぷり味わえました。小松亮太が話していましたが、バンドネオンは教会で使われるオルガンの代用楽器だったらしく、バンドネオンだけで演奏すると荘厳な感じがして教会っぽいです。
 「ジェラシー」はデンマークの作曲家が作ったタンゴ。サービスタイムということで、バイオリン二台が客席に現われて演奏しました。華やか。
 「リベルタンゴ」はアストラ・ピアソラの超有名曲。毎度演奏せざるを得ないので、今回は編曲に凝りまくったそうです。

 後半はコントラバスを使ったタンゴのリズム講座から開始。2月のビルボードライブ東京と同じものでした。
 「コントラバヘアンド」はアストラ・ピアソラ作曲で、コントラバスが主役の珍しい曲。
 「ビジェギータ」はアストラ・ピアソラが1946年に作曲した無名時代の曲。2012年4月のブルーノート東京公演もそうでしたが、後半開始二曲は敢えて有名でない曲を演奏することでお客さんのタンゴ感を広げようという意図がありそうです。
 「出撃〜暗〜アタック」はコー・サンジが自分の好きなアニメの主人公からインスピレーションを得て作曲したものだそうです。言われてみればアニメのBGMに使われてもおかしくない様な曲調です(笑)。
 「下弦の月」は小松亮太作曲。カラオケランキングの歌いにくい曲で上位に入っているそうです(笑)。J-POPなんかに比べるとアニメ音楽は比較的自由にもの作りできる場なので、それ故に許される曲ということでしょうか。韓国人歌手のイ・ジョング(こう聞こえたのですが正しい表記か不明)がボーカル。またこの曲では藤井珠緒がパーカッションで参加しましたが、彼女は北千住出身の小松亮太と同じ足立区竹の塚出身だそうで、彼女の退場時に小松亮太は「(北千住と竹の塚の中間の)梅島辺りで飲みましょう」と言ってローカルネタで会場を笑わせていました。
 「エル・チョクロ」は元はタンゴの曲ながら、アメリカで英語詩を付けて「Kiss Of Fire」としてリバイバルされた曲。
 「アディオス・ノニーノ」ではバンドネオンはウー・ヤンランのみ。
 「メリディオナル」は甘く激しく本当にドラマティック。いいメロディですねぇ。
 最後はタンゴの代表曲「ラ・クンパルシータ」。メンバー紹介を挟みながらの大団円でした。

 公演後はCD販売兼サイン会でしたが大盛況でした。

[過去のレポート]
 2012/04/01 小松亮太@Blue Note Tokyo
 2014/02/23 小松亮太 with Special Guest 大貫妙子@ビルボードライブ東京

2014年12月8日月曜日

Chico & The Gypsies@Blue Note Tokyo

[日時]2014/12/08(日) 17:00開演(1st set)
[会場]ブルーノート東京
[料金]¥7,920(自由席8,800円-会員割引10%)
[時間]1時間27分
[出演者]
 Chico [チコ] (g,vo)
 Joseph Gautier [ヨセフ・ゴーティエ] (g,vo)
 Mounin [モウニン] (g,vo)
 Kema [ケマ] (g)
 Kassaka [カッサカ] (g,vo)
 Tony Ballester [トニー・バレスター] (b)
 Eric Lafont [エリック・ラフォン] (ds)
 Juan Vicente [ホアン・ヴィセンテ](p)
 PeeWee [ピーウィー] (vln)
 ※以上、ブルーノート東京の表記に従う。

[1st set曲目]
 01.UN AMOR (Mounin)
 02.ALLEGRIA
 03.BAILA ME (Mounin・Joseph)
 04.AMOR DE MIS AMORES (Joseph)
 05.PHARAON
 06.PETINGO (Kassaka)
 07.ME AND MRS JONES (Mounin)
 08.TODOS OLE (Mounin)
 09.INSPIRATION
 10.LIBERTANGO
 11.HOTEL CALIFORNIA (Joseph)
 12.WAKA WAKA (Joseph・Kassaka・Mounin)
 13.DJOBI DJOBA (Mounin)
 14.BAMBOLEO (Mounin)
 Enc1.VOLARE (Joseph)
 Enc2.MY WAY (Mounin・Joseph)
 ※括弧内はメインボーカル







 ステージにあったセットリストを撮影。

 ブルーノート東京該当ページ
 ブルーノート東京ライブレポート 原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO

[感想]
 毎年恒例のジプシーズが来日。しかも昨年と同じ時期で、私にとっては二年連続で父の命日です。Gypsy Kingsが好きだった父の良い供養になります。

 最終日は平日ですが、客席は満員。一時期音楽の質も客の動員も低迷しましたが、昨年のKema復帰とバンドの完成ぶりから動員は凄いことになってます。もっともそうなると客層の悪化は必然なわけで、タオルを振り回したり(アリーナコンサートじゃないんだから…)、最前列で携帯電話で写真撮影するおばちゃん(ライブ中に注意されていた)に囲まれて楽しみは多少損なわれました。20歳の若造じゃないんですから勘弁していただきたい。

 以下、曲の感想。

 「UN AMOR」。公演は大抵明るい曲から始まるバンドにしては渋い選曲。Mouninのハスキーボイスのコブシに痺れました。
 「ALLEGRIA」。Kemaのギターが圧巻。このバンドにKemaは欠かせないですね。
 「BAILA ME」。「踊ろうよ」という曲ですので、陰のない軽快なダンス曲。途中のJosephの声の伸びもいいし、かき鳴らす様なギターも圧巻。
 「AMOR DE MIS AMORES」。「誰よりも愛するあなた」というタイトル通り、情熱的なJosephのボーカル。
 「PHARAON」。Kemaをフューチャーしたインストゥルメンタル。Kemaを囲んでサポートするギター陣の姿も格好良いです。
 「PETINGO」。昨年と同様、途中で「千の風になって」を日本語で挟んできました。もう定番になったみたいですね。
 「ME AND MRS JONES」。聴いた時は曲調が他と異なるなと思いました。帰宅後ネットで調べてみると、Billy Paulが1972年に発表したソウルミュージックだそうです。タイトルからそうかなぁと思いましたが、不倫の曲だそうで(歌われている時はスペイン語なので意味不明でした)。オリジナルと違って不倫を情熱的に歌っていました(笑)。
 「TODOS OLE」。毎度のジプシー祭りでスタンディングへ。例によって観客に「オーレ」と叫ばせて場内は一体化。
 「INSPIRATION」。Kemaの超絶ギターをフューチャーしたインストゥルメンタル。この曲は中村吉右衛門版「鬼平犯科帳」のエンディングテーマに使われていましたが、この日命日だった私の父はこの曲が大好きでした。というわけで父の代わりに堪能しました。Kemaのギターを聴かせる為か、伴奏は控え目。
 「LIBERTANGO」。バイオリンのPeeWeeの見せ場。Astor Piazzolla(アストル・ピアソラ)作曲のタンゴの名曲で、タンゴに疎い日本人でも一度は聴いたことのあるメロディのはず。最初はバイオリンメインでロマンティックに。そして速弾きのピアノソロへ。クラシックの曲をバイオリンとピアノが競奏し、最後は合奏で「LIBERTANGO」に戻っていました。テクニックを見せつけます。
 「HOTEL CALIFORNIA」。言わずと知れたEaglesの名曲。オリジナルさえ上回る哀愁感があります。
 「WAKA WAKA」。2010年ワールドカップの公式ソング。ここからはオールスタンディングで最後まで。
 「BAMBOLEO」からはヒット曲メドレーで大盛り上がり。特に「VOLARE」は場内大合唱。

 この編成は完璧に熟成されています。欠点なしです。技量のあるメンバー全員が力を発揮して、哀愁のある曲も陽気な曲も素晴らしい出来映え。それでいて演奏時間も一時間半近くと、ブルーノート東京では異例の大サービス。終演後はサイン会も行うサービスぶり。これは当分人気が衰えることはなさそうです。では、来年またブルーノートでお会いしましょう(笑)。

[参考Youtube動画]
 

 Kemaの見事なギター演奏。



 代表曲を一通り収めた映像。