2008年3月16日日曜日

2008/03/16 千倉-林道はしご-館山

走行距離 90.02km(南房総での走行距離は60.49km)
走行時間 05:26:05(南房総での走行時間は03:53:32)
平均速度 16.5km/h
最高速度 39.1km/h
使用車種 KHS F20-R



 青春18きっぷを使った房総半島サイクリング第三弾は南房総です。しかし館山辺りの海岸一周は意外に距離が短いです。何か走りのオプションが欲しい。ネットでいろいろ調べてみると、林道レポートがありました。レポートを見てみると林道はバラバラですが、地図を見ながらトレースしてみると簡単にはしごができそうです。坂の状態を調べる為、Alpslabではしごマップを作ってみました。

 南房総の林道はしご(小松林道、山倉林道、千倉林道、畑道2号)

 これによるとせいぜい150mの上りが三回なので、1500mの赤城山からすれば簡単(笑)。そんなわけで林道はしごをオプションではなくメインに据えて、南房総ポタリング決定。でも今改めて検索してみたら、YAMAHONで行こう! 南房総林道ツーリングというレポートがありましたorz なんだ、これ見ていたら参考になったのに…

 久しぶりの林道走りに期待したのか、前夜は少し興奮気味で寝られず。3時間程度の睡眠で出発。6:12東京駅発で輪行しましたが、これは失敗。東京駅は構内が広すぎて、自転車担ぐのには最悪の駅です。やっぱり錦糸町にすれば良かった…

 さて、輪行の目的地は千倉。前回の勝浦-千倉ポタリングの終点が今回の起点。千倉で林道をはしごして、野島崎へ。そこから海沿いに館山に向う計画。

 千倉に到着後駅前のコンビニで食料を調達、9:25頃走行開始。開始早々いきなり道を間違えますが(^^;、なんとか修正。そしていきなり興奮。いやぁ、鄙びたいい雰囲気。



 天気も良いし、最高。いきなり撮影会が始まりました(笑)。

 田園風景が終わり、林の中に入ると小松寺へ。林道に興奮していて調べていなかったのですが、名刹の様です。広い池があり、小さいながら滝もあり、美しい佇まい。ポタリングの無事を祈りました。





 もう少し時期が遅ければ桜が見事でしょう。

 さて、ここからいよいよ本番。激坂ではありませんが、久しぶりのヒルクライムを堪能。二日前に雨が降ったせいで山はしっとり潤っているのが良いです。森の香りが心地よい中を上ったり下りたり。私以外は誰もいません(笑)。



 お久しぶりねの遺影撮影会(笑)。



 もうすぐ小松林道も終わるという所で、「乙王の墓」「房総の古道」の道標を発見。乙王って何者?って感じですが、古道と絡めて考えると古代の豪族という感じがします。王を名乗るのはいまいち腑に落ちませんが、ロマンをかき立てられました(笑)。

 問題の古道へは林道から急角度で登らねばなりません。しかも地面は二日前の雨で滑ります。もっとも仮に滑って転がっても服が泥だらけになるくらいで済みそうと判断し、ちょっとだけ登ってみることに。上まで登ったら戻るつもりで、自転車は鍵をかけないし、GPSも持たず。登り切ってみると確かに尾根道があります。しかも乙王の墓まで500mとのこと。一旦自転車に戻るのは面倒と、誰にも会わない鄙びた林道をいいことに、自転車を放置して墓へ向いました。





 歩いてみるとこれが楽しい尾根道で、両側は結構な角度で落ち込んでいます。滑落ってこんな所で起こるんだろうなぁと思い、慎重に前へ進みます。竹が倒れていたり、二日前の雨で多少道が弛んでいますが、なんとか到着。





 乙王の墓自体はコンクリート製のシェルター(笑)に覆われていて風情がありませんが、驚くべきはここからの眺望。樹林の為視界が限られますが、館山湾まで見下ろせる見事な眺めでした。

 しかしコンパスはあるとはいえ、地図もGPSもなく入ったのは危なかったですかねぇ。

 因みに、乙王を調べてみると、平安時代の安房国司小松民部の嫡男千代若丸の従臣のことだそうです。乙王ご自身は立派な方みたいですが、古代豪族の墓と思っていた私のロマンは壊れました(^^;。

 千倉歴史の探検隊 尾根の道



 房総の古道登坂地点に戻って、上からF20-Rを見下ろす。それにしてもサイクリングなんだかハイキングなんだかわからない(笑)。

 乙王の墓入口を過ぎするとすぐに小松隧道で、ここを抜けた所が小松林道の終点でした。行政的には林道に起点終点の区別があるんですね。看板には終点の旨記載がありました。





 隧道の横には急角度のコンクリート製階段があり、これを上ると先程の尾根道に続く様です。

 特に名もない一般道(林道並の狭さ)を南下し、山倉林道へ。



 山倉林道起点。



 山倉林道を急角度で少し上ると、左手に赤いリボンがありました。写真は振り返って後方を撮影したものなので、リボンは右側。高さ3mくらいある壁で登れるわけがないと思いましたが、少し進むとなんとか登れる場所があります。



 5、6mも登ると、おぉ〜。絶景だぁ。北側が見事に開けています。あまりに見事なので、携帯電話のカメラで撮影し、ブログに経過報告し、11:00と早い時間でしたがおにぎりで昼食。絶景を見ながらの食事は至福のひと時。しかしこの後気づいたのですが、私の立ち位置って、左側の木が茂る断崖絶壁に続く場所なんですね(^^;。崩落したら一巻の終わりでした。

 因みに、正面に左右に、左側に手前から奥に走っている道路がありますが、これはSuper Mapple Digitalやオンライン地図でもまだ未記載で、新道の様です。Google Mapの航空写真で工事の進捗状況がわかります。ルートマップにはこの道路を情報としてトレースしておきました。小松林道と山倉林道に平行して、一般道を通すみたいです。

 11:25頃、再出発。





 山倉林道は途中でダートがありましたが、雨の影響もほとんどなく、走行に問題はありませんでした。ただ樹林が左右にあって眺望は望めませんでした。

 山倉林道を下りてくると畑が広がっています。



 いきなりカラフル(笑)。山倉林道を下り切ると、花卉の畑がありました。ちょっと道を逸れて、菜の花をバックに。後方中央に写っているのが走ってきた道。ハンドル辺りがちょうど山倉林道。



 立派な生け垣… 3mくらいありそう。あまりに見事なのでF20-Rと一緒に撮影。



 山と林と田園。印象派の油絵にありそうな美しい景色。道路がアスファルトじゃなければね(笑)。



 千倉林道に向けて微妙に高度を上げていきます。雰囲気いいですよねぇ。道の左下は休耕田か。



 ここで撮影していたらカメラのレンズカバーを強風で飛ばされてしまい、下の田んぼへ。草ぼうぼうなので使われてはいないのでしょうが、畦道もありますし、地面も結構ゆるゆるでした。しかしこの道路も凄いですねぇ(笑)。落ちても死にはしないですけど。



 千倉林道起点に到着。



  千倉林道も見晴らしが良い林道ではありませんでした。しかし路面は良好ですし、自動車は来ませんし、森の香りをたっぷり楽しみながら走れます。



 千倉林道終点。後方を振り返っての撮影で、右側の道を走ってきました。左側は通信関係の施設があるみたいです。



 千倉林道終点直後の隧道を抜けて撮影。樹木の落ち葉や枝で道が埋まりそうですね(笑)。それにしても素彫りの隧道が魅力的。



 隧道を抜けると杉林へ。枯葉でいまいち走りにくいですが、左側は沢だか川が流れているので、いずれにせよスピードは出せません。まったり森を楽しみます。



 自転車を停めて撮影しているとガサッと音がしました。探してみると蛙発見。見事な保護色。



 道を下ると今度は竹林に。

 いやぁ、本当に自然溢れた良い道路だなぁと思っていたら、いきなり工事中の広い道路に… 後で地図を調べてみると、県道86号線に平行して、県道188号線と南の海岸を繋ごうという感じです。確かに便利にはなりますが、この狭い地域に直通路が必要なのか難しいです。86号線は西に2kmくらい、海岸の410号線なら東に4kmの位置にあるのですから。山の中にでっかい橋脚立てて道路を貫通したら、自然を楽しみたい人は来なくなるでしょうに。

 それはともかく、工事中の砂利道を少し走り、畑2号線林道に続く小道に入ります。森の中の閑静な道路に癒されます。先程の新道は夏は暑くて地獄になると思います(^^;。

 そして畑2号線林道の中へ。って、どこから開始したのかよくわからないんですよね(笑)。



 畑2号線、最初の隧道。じめじめ暗いです。



 中はこんな感じ。地層の模様が美しい…



 畑2号線、最後の隧道。ここはインパクトありますねぇ。両側は切り立った崖で、怪しげな暗闇の穴は獲物を待つ怪物の巣の様。



 内部はこんな感じ。素彫りでコンクリートも吹きつけられていませんから、結構崩れています。味があって良い隧道です。



 隧道を抜けてもこんな感じ。なんだか側溝の底を走っているみたい。ここで後方を振り返って隧道を撮影をしていると、後方から突然音が。びっくりして振り返るとMTBでした。林道ではずっと誰にも会わずに走ってきたのでびっくりしました(笑)。

 そしてこの側溝の様な道を過ぎると…



 うわぁ(^^)。いきなり白浜の海岸が目に飛び込んできました。今まで暗い森の中を走ってきただけに、その対照的明るさにクラクラ。当然撮影会になります。こんな細い道でも畑集落への幹線道の為、自動車2台、バイク1台が擦れ違っていきました。

 撮影が済むと、細い道のダウンヒル。正面に海を見ながらですから爽快です。とはいえ、ここからたった500mで海岸(笑)。あっという間に下界です。

 14:00頃、海沿いの磯笛公園にてトイレ休憩。風が強くて、またF20-Rがぶっ倒れましたorz

 海岸線を西進し、野島崎へ。観光地の為食堂も多いのですが、観光客も多く、人と車でごった返していました。昼食が軽めでしたのでお腹が空いていましたが、食事は夜まで我慢することに。そして野島崎灯台観光。



 左側に厳島神社を見ながらの細い上り坂。これで電柱がなければ…



 海側の遊歩道にまわって撮影。

 海岸近くまで行って観光終了。野島崎灯台では海底透視船がありますが、強風の為欠航でした。最近こんなのばっかりです。

 14:40頃、走行再開。ひたすら西進し、州崎灯台を目指します。



 白浜町滝口付近で撮影。地図によるとサイクリングロードが海岸近くを並走しているみたいですが、風が強すぎるのでそちらはパスです。この写真が典型で、南房総は海岸から500mくらいの距離に山が連なっています。海も山も楽しめていいですねぇ。

 この辺りで私はかなり咽の渇きに苦しんでいました。お店がない、自動販売機がない。平砂浦海岸を含めて10kmくらいは何もない感じでした(^^;。なんとかラーメン屋みたいな食堂でペットボトルを補給しましたが、ここらは辛かったですねぇ。



 県道257号線(南安房公園線)、平砂浦海岸付近にて撮影。フラワーラインという名に恥じない美しさ。ここも風が凄かったですけど。



 16:30頃、州崎灯台に到着。県道257号線(南安房公園線)から撮影。



 自転車を置き、えっちらおっちら階段を登って州崎灯台へ。海側にまわるとシルエットになって綺麗なので撮影。ここも中には入れませんでした。

 ここからは県道257号線(南安房公園線)を東進。多少アップダウンはありますが、残り10kmなのでラストスパート。もう夕方なので沖ノ島に行けなかったのが残念。途中で3台のランドナーらしきグループをぶち抜き(笑)、北条海岸へ。



 北条海岸にて。夕陽が綺麗だなぁと撮影。そして更に先に進みましたが、気がついたら館山駅を過ぎていました(^^;。慌てて同じ道を引き返します。

 館山駅には17:45頃到着。休憩時にGoogleで調べていましたが、帰りは18:15の内房線があります。それまで30分しかありません。私が来たのは駅でも開けていない方なのか、お店もあまりありません。お土産を買う場所もない。食事の時間もギリギリ。どうしようか悩んでいると、駅のロータリーの端に寿司屋を発見。

 海の花

 オシャレな感じで、それでいて料金も控えめ。時間的にきついですが、ここで食事をすることに。



 食べたいのは地魚。マグロなんてどこでも食べられますし、大抵冷凍ですから。そこで地魚旬寿司を注文。鱸、アオリイカ、かんぱち、金目鯛、鯵、なめろう巻き、あとよくわからん(笑)。これに茶わん蒸し、サラダ、味噌汁が付きました。館山の寿司は田舎寿司とのことで、ネタが大きめです。そしてとても美味しい… これで1680円は安過ぎでしょう。これなら2982円の板長おまかせを頼めば凄いことになっていたでしょう。次回も終着点は館山にして、ここで寿司を食べる事を心に決めました(笑)。食事で満足したのは久しぶりです。

 電車の時間が迫っていましたのでゆっくりできなかったのは残念ですが、会計を済ませ、自転車を手早く折畳み、内房線にギリギリで乗車。錦糸町までまったりと乗車し、22:30くらいに帰宅。

 まとめ。南房総は低山でありながら、森と林道は雰囲気があって楽しかったです。素彫りの隧道は最高でした。山の中で許されるギリギリの人工物という感じ。ハイキング紛いの尾根道散歩も楽しかったですねぇ。それもこれも、低山故に軽めのヒルクライムで余裕があったからでしょうね(笑)。赤城山ヒルクライムとか無理し過ぎなんだわ(^^;。

 一方、後半はうって変わって海岸サイクリング。強風と渇きと時間切迫に苦しみましたが、房総半島南端を完全制覇、観音崎灯台と州崎灯台も巡れたので満足です。そして最後の食事が最高。これで今回のサイクリングは満点となりました(笑)。



所要経費
 JR 2300円×2(青春18きっぷ2回分)
 野島崎灯台見学料 150円

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