2008年3月29日土曜日

2008/03/29 上総亀山→保田 T秘境編

 2008/03/29 上総亀山→保田 林道めぐりの続きです。


 さぁ、いよいよ本日のメインイベント、T秘境です。暗黙のルールらしいので、写真からEXIFは外してあります。

 T秘境への分岐は特に何も特徴がありません。田があり、畑があり、その向こうに山があり。普通の鄙びた農村の風景。この時点で私の推理が正しいのかは全くわからず。

 舗装の綺麗な幅広の道を進むと、民家や観光農園があります。およそ「秘境」という感じではないです。更に進むと激坂!! 直線の激坂で10%は越えていると思います。帰りの下りが恐いくらい。そして軽自動車が通るのがやっとの細い道に。ここを大型の四輪が通るの? 無茶やっているなぁ。丘陵の細い道に沿って農家があり、家の敷地より高い位置に田んぼをつくっていたりして不思議な光景を目にしました。更に進むと工場の建物があり、犬に吠えられまくり。帰りたくなります(笑)。

 ここを過ぎると道はダートになりました。



 そして見つけたのが水源地についての注意書き。これでやっと自分の推理が正しい事がわかりました。ここまでは半信半疑だったので、分岐点からここまで写真を一枚も撮っていません(笑)。



 明るいダート。普通の道ですよね。



 少し雰囲気が出てきました(笑)。ぬかるみが増え、所々で自転車は担ぎました。

 そしてまもなく到着!!



 ウェブで良く見る構図。山と言うより巨大な岩という感じで、意外に高くないです。上には木が茂っています。そして右下に見えるのが…



 無残に倒れた水源地についての注意書きでした。もう全然読めない。



 隧道は異様に低いです。せいぜい2mくらいか。長さは20m程度で、恐さは皆無。それより蜂がブンブン飛び回っていて、そっちの方が恐い(笑)。



 今回の目的、川廻しの隧道。樹木で写真ではよく見えませんが、道路と平行して川が流れ、道路に隧道がある様に、川にも隧道がありました。不思議な光景。



 隧道の反対側から撮影。苔生して岩と言うより土の様な表面。



 秘境奥に向って道が川の中へ消えていきます。



 反対側を振り返って。川と平行している道路。ここに釣り人の軽自動車が停まっていました。

 時期が時期ですので枯れ木も多く、川の水量もちょぼちょぼ。秘境と言うには寂しい光景でした。あまり感動なし。とはいえ、とにかく先に行ってみない事には話にならないと、準備開始。ズボンをめくり上げ、靴はサンダルに履き替え。そんな時、子供を連れた釣り人が戻ってきました。挨拶はしましたが、自転車を置いていくのはか〜な〜り気が引けます(笑)。ただマナー違反として自動車の写真を撮っていましたので、自転車を盗まれたら証拠にはなるかなと思いました。自転車に鍵をかけ、靴を置いて出発。靴を揃えて脱いであるので、ある意味自殺みたい(^^;。



 川底の穴。崖からの水流が岩を穿ったか。この写真もウェブでよく見かけます。



 右上の穴も隧道跡か。川に平行して登山道みたいなものがあった感じです。



 左端に写っていますが、崖上への登り道がありました。



 奥に滝が見えます。



 滝の手前には人工的な穴が直線上に開けられています。堰でも作ろうとしたのかも。



 水量の少ない滝。苔が雰囲気あります。そして左端に階段らしき踏み段があります。



 滝の左端の段より上を覗いてみました。こちらもちょぼちょぼした水量。この段でコケたら怪我をするかもと思うとちょっと気が引けましたが、手前に写っている流木に掴まって登っちゃいました。

 滝を登った場所で川は左右に別れています。実は地図を見る限り左の方に川廻しの隧道がある様ですが、その時は何の考えもなく右側へ。右側の方がフラットで歩きやすい感じがしましたので。



 右側に支流。帰路に撮影。



 水量があれば舐め滝と言えるかもという程度の落差。帰路に撮影。



 流路もはっきりしない森の中の支流。帰路に撮影。



 ボロいサンダルの底が外れてしまい、ペラペラで歩くのが困難。それに微妙に水深が深くなり、素足では水がちょっと冷たくて辛くなりました。GPSに水路のデータを放り込まなかった為どこまで行けるかわからないこと、GPS自体も電波障害で厳しいこと、自転車が心配なこと、そして同じ風景に飽きてきたという最大の要因もあり(笑)、ここで引き返しを決断。後でGPSの記録を見ると、隧道から500mしか進んでいませんでしたorz 地図には2、3kmは川だか沢だかが載っていますので、上流を見極めるにはかなり時間がかかりそうです。



 停止点より振り返って。結構深い箇所もあり、端を慎重に歩いてきました。

 T秘境を行く

 ここまでの歩きを動画でどうぞ。



 最初の滝から右側へ分岐した箇所。帰路に撮影。どこも同じ様な風景なんですよ(笑)。道迷いしたら結構大変かも。



 無事戻れました。足を洗って靴に履き替え、今回の秘境探検は終了です。というわけで、秘境とF20-R。ここまで自転車で来る人も少ないでしょう(笑)。

 まとめ。正直な感想を言うと、そんなに騒ぐ程のもんじゃない(笑)。沢登りをされる方からすれば児戯に等しいかも。隠された場所故に探し当てる喜びがあり、見つけるとそれを誇る気持ちがあるという感じでしょうか。特に自分の足で歩かない四輪の方は。ただ5月以降になれば森の緑も深くなり、美しさが格段に違うかもしれません。また民家も近い場所で沢登り的な水遊びができるという意外感は面白いですね。私も次は夏に来れたらと思います。水着持って(笑)。分岐から左の川廻しの隧道も見ないと。でも自転車が盗まれないか心配だな〜(^^; あ、自転車を担げばいいのか(おいおい)。

 というわけで、T秘境探検編は終了です。このブログがきっかけでT秘境に行かれる方は、環境保全には十分配慮されます様に願います。

2008/03/29 上総亀山→保田 林道巡り

走行距離 104.98km(南房総での走行距離は73.09km)
走行時間 06:22:32(南房総での走行時間は04:36:26)
平均速度 16.4km/h
最高速度 52km/h
使用車種 KHS F20-R



 青春18きっぷを使った房総半島サイクリング第四弾は房総半島中央部です。

 皆さんは「川廻しのトンネル」をご存知でしょうか。房総半島南部の地図を見ていると、道路がトンネルで山を貫く様に、川がトンネルで山を貫いているのを発見できます。千葉県は最高峰が愛宕山の408m、平均標高45mで、いずれも日本一の低さ。では平野が多いのかというとそうでもなく、要するに丘陵が多いわけですね。実際、千葉では棚田をよく見かけました。そんな房総半島南部に於て新田開発が行われる際、川の流れを変える為にトンネルが掘られました。川の流れを変える、即ち猿廻しならぬ川廻しということですね。

 『川廻し』とは・・・短い説明と長い説明』

 この川廻し、実はゼロゼロマシンさんから「T秘境」という存在を教えていただいた際に知ったものです。T秘境は自然豊かな場所でありながら水源地ということで、インターネットでも場所を明示するのを控えるのが暗黙の了解になっている様です。しかし川廻しのトンネルが近くにあることはわかりました。とはいえこれだけではあまりに漠然としており、私もT秘境に行けるとは思いませんでした。ところが今回ルートを選定していると、どう考えてもT秘境と思しき条件の場所があります。そこで第一義的には川廻しが見られれば良い、うまくすればT秘境に到達という感じで、今回のサイクリングルートを決定しました。

 ルート選択にあたっては、前回のサイクリングで館山を終着点に決めましたので、それが基準。南房総、外房は走りましたし、内房は東京湾一周サイクリング千葉編で予定していますので、房総の真ん中、山の中を走ることに決定。鉄っちゃんみたいですが、今回の房総シリーズで内房線も外房線も全駅乗り潰しましたので、久留里線に乗る事も決定。更に、房総スカイラインも林道も走りたい。こうして決定したのが今回のルートで、かなり欲張りですね。もちろんT秘境もこのルートのどこかに潜んでいます(笑)。

 T秘境を訪れるにあたってオートバイの方は長靴を用意しているみたいです。自転車で長靴持参なんて無理ですから、濡れてもいい様にビーチサンダル持参。更にずぶ濡れになった場合も考えて下着の予備やらバスタオルやら、鞄をパンパンに膨らませました。こんな感じで準備万端出発となりました。

 5:50に錦糸町発、8:30に上総亀山到着。到着と同時に鉄っちゃんの様に久留里線を撮影。マニアじゃないので車両形式とか知らないですよ。自転車を組み立て、トイレを済ませ、8:50に出発…したのは良いのですが、線路の終点に惹かれて長々撮影会。いかん、鉄っちゃんへの道を歩み出しているのかもしれん…



 上総亀山駅にて、JR久留里線。線路脇の菜の花が綺麗。



 上総亀山駅にて。帰りの保田駅も花で飾られていて、小さい駅ながらも心遣いがされています。



 亀山湖は釣り人が多く、写真を撮ろうとすると必ずフレームインしてきました(^^;。この写真も鳥居の前に小舟がいて、釣りをしない私としては邪魔でした(笑)。



 鴨川有料道路。ここはまだ料金を払っていませんが、さすがに有料道路は綺麗です。猿も見たいな〜

 調子良く走っていたら曲る場所を過ぎてしまい、更には引き返して曲った場所がゴルフ場への道でした(^^;。気分良く坂を下ったのですが、間違いとわかると上りの足取りは重かったです。



 今度は間違えずに香木原林道へ。この林道は寂しい場所でありながら生活道路としては重要らしく、自動車もたまに走ってきました。そんな道路でラリー競技を行うアホがいるのか… 不法投棄もかなり目立ちましたorz しかし林道の雰囲気は良いです。とても低山の林道とは思えない、森の深さを感じます。



 この林道では静止画をほとんど撮影しておらず、こんな写真しかありませんでした(^^;。



 香木原林道から東山林道への分岐。



 東山林道標識。だいぶ痛みが…

 東山林道の最初は少しきつい上り(笑)。とはいえ、低山ですのであっという間に尾根筋に。



 人も車もいないので、遊んでみました(笑)。



 尾根筋ですので、東山林道からの眺めは良いです。これは高宕山方面か。



 尾根を切り通しで削りまくって道路を作った感じです。



 林道東山1号支線。手持ちのSuper Mapple Digitalに記載のないダート林道ですが、少し入ってみました。しかし右に曲ると急角度で奥米渓谷方面に下りてしまう感じなので、すぐに引き返し。



 東山林道終点。わずか4kmちょっとですが、小さな起伏が楽しく、眺望も良い、とても楽しい林道でした。ここはまた走ってみたいです。

 香木原林道・東山林道動画

 東山林道の終点は房総スカイラインに接続しています。特に料金所もなく、勝手に入って走行開始。



 房総スカイラインを走り出してすぐ、1kmくらいで大鹿倉林道の入口に到着。この林道は三島湖の方へ行ける様です。緑溢れる夏になったら、香木原林道、東山林道、大鹿倉林道をぐるぐる廻ってみようかな(笑)。



 観光地の三島湖まで1kmしかないせいか、幅員も立派な林道です。

 房総スカイラインは自動車は多いですが、自転車が走るスペースは十分で危険はなし。しかし起伏が結構あって距離が長いので大変です。真夏は照り返しがきつそう。



 房総スカイラインから三島湖方面の眺望。ここは高架橋で(名称失念。梅の木台とかだった?)、三島湖方面の眺めが良かったので停車して撮影。そして撮影中、ガサッと音がしました。鳥かなと思ったのですが、音が大きすぎます。音の源は反対車線側の森です。ちょっと危険ですが反対車線に渡って森の中に目を凝らすと、一匹の猿がいました(笑)。おー、ここで見られるとは。しかし撮影しようカメラを構えると、木から転がる様に姿を消しましたorz

 房総スカイラインの自転車通行料金は30円でした〜(笑) ここからは一般道を走ります。



 君津市東日笠付近にて。上り勾配の標識はよく見ますが、下り勾配の標識は気にしたことないなぁと撮影。

 しかし本当はこんな余裕はありませんでした。実はこの道路、予定外の道路だったのです(^^;。ルートを選定している時、二つ選択肢がありました。どうにも決め難くて、両方のルートをGPSに入れておいたのです。で、その選択肢の別ルートに紛れ込んじゃったんですね。そのルートを進むと三島湖を経て出発点に戻ります(笑)。途中でおかしいと気づきルートを修正しようとしましたが、自分が作成したルートの線が邪魔で位置がよくわからない(笑)。あちらに進んでは戻り、こちらに進んでは戻りして、最終的に2.6kmも戻らねばならないことが判明。しかも先程の激下り注意の場所を上り返さねば(^^;。今回はここでかなり精神的、体力的に消耗しました。たぶんここがスムースに行っていれば、館山に辿り着けたのでしょうね。

 国道464号線、富津市新田付近は桜が綺麗でしたが、近くに採石場があり、山が崩されまくっていました。自転車で走るまではこんなに酷いことになっているとは思ってもいませんでした…

 湊川河口に辿り着いたのが16:00。T秘境と迷い道でかなり時間を取られてしまいました。ブログに経過報告を書き、ダッシュで館山を目指します。

 しかし聞いてはいましたが、海沿いの国道127号線は極悪だぁ。幹線道路なので交通量が多いのに道路は狭い。それにトンネルが恐怖そのもの。逃げ場が全くないです。自動車の流れが途切れた隙に全力走行で逃げ切るだけ。明鐘トンネルとか勘弁して欲しいです… できれば二度と走りたくない…

 トンネルの恐怖であまりに精神が削られてしまい、鋸山は見ましたけど撮影はできず。というか、町が邪魔なのでどこか撮影ポイントが先にあるだろうと進めていたら、いつの間にか通り過ぎていました(苦笑)。ここは東京湾一周千葉編の際にじっくり見て撮影もしましょう。

 17:10に道の駅きょなんに到着。館山まで残り20km。恐怖のトンネルもまだあります。どう考えても館山到着は19:00近く。そして食事をしたら20:00近く。帰宅したら24:00(笑)。無理。ここで安房勝山まで走って内房線に乗って館山に行くというナイスアイデアが浮かんだのですが、道の駅でお土産を探しているうちに時間がギリギリになってしまいアウト。そのお土産もろくなものがないし… お土産に関してはその後千葉駅構内で鰯の銚子煮を買いました。銚子に行ってないのに(笑)。

 館山行きがダメになったので、次善策としてネットで評判を知っていた保田漁港のばんやという食事と温泉場へ。ここで軽く食事をして温泉に入り、近くの保田駅から帰宅することにしました。注文したのはばんや寿司。



 暗いのにストロボを焚かなかったのでボケてますが、この寿司をどう思います? 1500円です。カジキとトロはネタが大きめですし、さざえがネタで入っているのは立派ですよ。でもネタの乾き具合といい、なんとなく場末の寿司屋のランチメニューという感じがしました(^^;。握りも今時珍しい角張った機械握りで、シャリは小さめ。勿論わさびは粉わさび。う〜ん… それに、大きな店舗にお客さんが多かったのは事実ですが(200人以上いたかも)、この握りが出てくるまで時間がかかりすぎ。店員さんも忙しいせいか素っ気ないというかてきとーというか。水やお茶も当然セルフサービスですし。一見のお客さんだけで十分儲かっているからサービスの質なんてかんけーねーという感じ。寿司以外は良い料理かもしれませんが、私はもうここには来ないです。食事がこれでは風呂も期待できないので、即座に保田駅から輪行で帰宅しました。

 房総半島中央部も低山の林道が素敵でした。とにかく無理せず上れるのがいい(笑)。それでいて尾根からの眺望が良いです。房総スカイラインは環境破壊で問題があるかもしれませんし、眺望はいまいちでしたが、この時期に走るのには気持ち良いです。真夏に走ったら死んじゃうでしょうけど(笑)。できれば夏にもう一度林道巡りをしてみたいです。しかし最後の食事を失敗したのが無念。やはり館山に輪行して寿司を食べれば良かったですorz

 T秘境については2008/03/29 上総亀山→保田 T秘境編に記します。

 上総亀山-林道めぐり-保田プロフィールマップ(T秘境部分を削除)



 所要経費
  JR 2300円(青春18きっぷ1回分)

2008年3月16日日曜日

2008/03/16 千倉-林道はしご-館山

走行距離 90.02km(南房総での走行距離は60.49km)
走行時間 05:26:05(南房総での走行時間は03:53:32)
平均速度 16.5km/h
最高速度 39.1km/h
使用車種 KHS F20-R



 青春18きっぷを使った房総半島サイクリング第三弾は南房総です。しかし館山辺りの海岸一周は意外に距離が短いです。何か走りのオプションが欲しい。ネットでいろいろ調べてみると、林道レポートがありました。レポートを見てみると林道はバラバラですが、地図を見ながらトレースしてみると簡単にはしごができそうです。坂の状態を調べる為、Alpslabではしごマップを作ってみました。

 南房総の林道はしご(小松林道、山倉林道、千倉林道、畑道2号)

 これによるとせいぜい150mの上りが三回なので、1500mの赤城山からすれば簡単(笑)。そんなわけで林道はしごをオプションではなくメインに据えて、南房総ポタリング決定。でも今改めて検索してみたら、YAMAHONで行こう! 南房総林道ツーリングというレポートがありましたorz なんだ、これ見ていたら参考になったのに…

 久しぶりの林道走りに期待したのか、前夜は少し興奮気味で寝られず。3時間程度の睡眠で出発。6:12東京駅発で輪行しましたが、これは失敗。東京駅は構内が広すぎて、自転車担ぐのには最悪の駅です。やっぱり錦糸町にすれば良かった…

 さて、輪行の目的地は千倉。前回の勝浦-千倉ポタリングの終点が今回の起点。千倉で林道をはしごして、野島崎へ。そこから海沿いに館山に向う計画。

 千倉に到着後駅前のコンビニで食料を調達、9:25頃走行開始。開始早々いきなり道を間違えますが(^^;、なんとか修正。そしていきなり興奮。いやぁ、鄙びたいい雰囲気。



 天気も良いし、最高。いきなり撮影会が始まりました(笑)。

 田園風景が終わり、林の中に入ると小松寺へ。林道に興奮していて調べていなかったのですが、名刹の様です。広い池があり、小さいながら滝もあり、美しい佇まい。ポタリングの無事を祈りました。





 もう少し時期が遅ければ桜が見事でしょう。

 さて、ここからいよいよ本番。激坂ではありませんが、久しぶりのヒルクライムを堪能。二日前に雨が降ったせいで山はしっとり潤っているのが良いです。森の香りが心地よい中を上ったり下りたり。私以外は誰もいません(笑)。



 お久しぶりねの遺影撮影会(笑)。



 もうすぐ小松林道も終わるという所で、「乙王の墓」「房総の古道」の道標を発見。乙王って何者?って感じですが、古道と絡めて考えると古代の豪族という感じがします。王を名乗るのはいまいち腑に落ちませんが、ロマンをかき立てられました(笑)。

 問題の古道へは林道から急角度で登らねばなりません。しかも地面は二日前の雨で滑ります。もっとも仮に滑って転がっても服が泥だらけになるくらいで済みそうと判断し、ちょっとだけ登ってみることに。上まで登ったら戻るつもりで、自転車は鍵をかけないし、GPSも持たず。登り切ってみると確かに尾根道があります。しかも乙王の墓まで500mとのこと。一旦自転車に戻るのは面倒と、誰にも会わない鄙びた林道をいいことに、自転車を放置して墓へ向いました。





 歩いてみるとこれが楽しい尾根道で、両側は結構な角度で落ち込んでいます。滑落ってこんな所で起こるんだろうなぁと思い、慎重に前へ進みます。竹が倒れていたり、二日前の雨で多少道が弛んでいますが、なんとか到着。





 乙王の墓自体はコンクリート製のシェルター(笑)に覆われていて風情がありませんが、驚くべきはここからの眺望。樹林の為視界が限られますが、館山湾まで見下ろせる見事な眺めでした。

 しかしコンパスはあるとはいえ、地図もGPSもなく入ったのは危なかったですかねぇ。

 因みに、乙王を調べてみると、平安時代の安房国司小松民部の嫡男千代若丸の従臣のことだそうです。乙王ご自身は立派な方みたいですが、古代豪族の墓と思っていた私のロマンは壊れました(^^;。

 千倉歴史の探検隊 尾根の道



 房総の古道登坂地点に戻って、上からF20-Rを見下ろす。それにしてもサイクリングなんだかハイキングなんだかわからない(笑)。

 乙王の墓入口を過ぎするとすぐに小松隧道で、ここを抜けた所が小松林道の終点でした。行政的には林道に起点終点の区別があるんですね。看板には終点の旨記載がありました。





 隧道の横には急角度のコンクリート製階段があり、これを上ると先程の尾根道に続く様です。

 特に名もない一般道(林道並の狭さ)を南下し、山倉林道へ。



 山倉林道起点。



 山倉林道を急角度で少し上ると、左手に赤いリボンがありました。写真は振り返って後方を撮影したものなので、リボンは右側。高さ3mくらいある壁で登れるわけがないと思いましたが、少し進むとなんとか登れる場所があります。



 5、6mも登ると、おぉ〜。絶景だぁ。北側が見事に開けています。あまりに見事なので、携帯電話のカメラで撮影し、ブログに経過報告し、11:00と早い時間でしたがおにぎりで昼食。絶景を見ながらの食事は至福のひと時。しかしこの後気づいたのですが、私の立ち位置って、左側の木が茂る断崖絶壁に続く場所なんですね(^^;。崩落したら一巻の終わりでした。

 因みに、正面に左右に、左側に手前から奥に走っている道路がありますが、これはSuper Mapple Digitalやオンライン地図でもまだ未記載で、新道の様です。Google Mapの航空写真で工事の進捗状況がわかります。ルートマップにはこの道路を情報としてトレースしておきました。小松林道と山倉林道に平行して、一般道を通すみたいです。

 11:25頃、再出発。





 山倉林道は途中でダートがありましたが、雨の影響もほとんどなく、走行に問題はありませんでした。ただ樹林が左右にあって眺望は望めませんでした。

 山倉林道を下りてくると畑が広がっています。



 いきなりカラフル(笑)。山倉林道を下り切ると、花卉の畑がありました。ちょっと道を逸れて、菜の花をバックに。後方中央に写っているのが走ってきた道。ハンドル辺りがちょうど山倉林道。



 立派な生け垣… 3mくらいありそう。あまりに見事なのでF20-Rと一緒に撮影。



 山と林と田園。印象派の油絵にありそうな美しい景色。道路がアスファルトじゃなければね(笑)。



 千倉林道に向けて微妙に高度を上げていきます。雰囲気いいですよねぇ。道の左下は休耕田か。



 ここで撮影していたらカメラのレンズカバーを強風で飛ばされてしまい、下の田んぼへ。草ぼうぼうなので使われてはいないのでしょうが、畦道もありますし、地面も結構ゆるゆるでした。しかしこの道路も凄いですねぇ(笑)。落ちても死にはしないですけど。



 千倉林道起点に到着。



  千倉林道も見晴らしが良い林道ではありませんでした。しかし路面は良好ですし、自動車は来ませんし、森の香りをたっぷり楽しみながら走れます。



 千倉林道終点。後方を振り返っての撮影で、右側の道を走ってきました。左側は通信関係の施設があるみたいです。



 千倉林道終点直後の隧道を抜けて撮影。樹木の落ち葉や枝で道が埋まりそうですね(笑)。それにしても素彫りの隧道が魅力的。



 隧道を抜けると杉林へ。枯葉でいまいち走りにくいですが、左側は沢だか川が流れているので、いずれにせよスピードは出せません。まったり森を楽しみます。



 自転車を停めて撮影しているとガサッと音がしました。探してみると蛙発見。見事な保護色。



 道を下ると今度は竹林に。

 いやぁ、本当に自然溢れた良い道路だなぁと思っていたら、いきなり工事中の広い道路に… 後で地図を調べてみると、県道86号線に平行して、県道188号線と南の海岸を繋ごうという感じです。確かに便利にはなりますが、この狭い地域に直通路が必要なのか難しいです。86号線は西に2kmくらい、海岸の410号線なら東に4kmの位置にあるのですから。山の中にでっかい橋脚立てて道路を貫通したら、自然を楽しみたい人は来なくなるでしょうに。

 それはともかく、工事中の砂利道を少し走り、畑2号線林道に続く小道に入ります。森の中の閑静な道路に癒されます。先程の新道は夏は暑くて地獄になると思います(^^;。

 そして畑2号線林道の中へ。って、どこから開始したのかよくわからないんですよね(笑)。



 畑2号線、最初の隧道。じめじめ暗いです。



 中はこんな感じ。地層の模様が美しい…



 畑2号線、最後の隧道。ここはインパクトありますねぇ。両側は切り立った崖で、怪しげな暗闇の穴は獲物を待つ怪物の巣の様。



 内部はこんな感じ。素彫りでコンクリートも吹きつけられていませんから、結構崩れています。味があって良い隧道です。



 隧道を抜けてもこんな感じ。なんだか側溝の底を走っているみたい。ここで後方を振り返って隧道を撮影をしていると、後方から突然音が。びっくりして振り返るとMTBでした。林道ではずっと誰にも会わずに走ってきたのでびっくりしました(笑)。

 そしてこの側溝の様な道を過ぎると…



 うわぁ(^^)。いきなり白浜の海岸が目に飛び込んできました。今まで暗い森の中を走ってきただけに、その対照的明るさにクラクラ。当然撮影会になります。こんな細い道でも畑集落への幹線道の為、自動車2台、バイク1台が擦れ違っていきました。

 撮影が済むと、細い道のダウンヒル。正面に海を見ながらですから爽快です。とはいえ、ここからたった500mで海岸(笑)。あっという間に下界です。

 14:00頃、海沿いの磯笛公園にてトイレ休憩。風が強くて、またF20-Rがぶっ倒れましたorz

 海岸線を西進し、野島崎へ。観光地の為食堂も多いのですが、観光客も多く、人と車でごった返していました。昼食が軽めでしたのでお腹が空いていましたが、食事は夜まで我慢することに。そして野島崎灯台観光。



 左側に厳島神社を見ながらの細い上り坂。これで電柱がなければ…



 海側の遊歩道にまわって撮影。

 海岸近くまで行って観光終了。野島崎灯台では海底透視船がありますが、強風の為欠航でした。最近こんなのばっかりです。

 14:40頃、走行再開。ひたすら西進し、州崎灯台を目指します。



 白浜町滝口付近で撮影。地図によるとサイクリングロードが海岸近くを並走しているみたいですが、風が強すぎるのでそちらはパスです。この写真が典型で、南房総は海岸から500mくらいの距離に山が連なっています。海も山も楽しめていいですねぇ。

 この辺りで私はかなり咽の渇きに苦しんでいました。お店がない、自動販売機がない。平砂浦海岸を含めて10kmくらいは何もない感じでした(^^;。なんとかラーメン屋みたいな食堂でペットボトルを補給しましたが、ここらは辛かったですねぇ。



 県道257号線(南安房公園線)、平砂浦海岸付近にて撮影。フラワーラインという名に恥じない美しさ。ここも風が凄かったですけど。



 16:30頃、州崎灯台に到着。県道257号線(南安房公園線)から撮影。



 自転車を置き、えっちらおっちら階段を登って州崎灯台へ。海側にまわるとシルエットになって綺麗なので撮影。ここも中には入れませんでした。

 ここからは県道257号線(南安房公園線)を東進。多少アップダウンはありますが、残り10kmなのでラストスパート。もう夕方なので沖ノ島に行けなかったのが残念。途中で3台のランドナーらしきグループをぶち抜き(笑)、北条海岸へ。



 北条海岸にて。夕陽が綺麗だなぁと撮影。そして更に先に進みましたが、気がついたら館山駅を過ぎていました(^^;。慌てて同じ道を引き返します。

 館山駅には17:45頃到着。休憩時にGoogleで調べていましたが、帰りは18:15の内房線があります。それまで30分しかありません。私が来たのは駅でも開けていない方なのか、お店もあまりありません。お土産を買う場所もない。食事の時間もギリギリ。どうしようか悩んでいると、駅のロータリーの端に寿司屋を発見。

 海の花

 オシャレな感じで、それでいて料金も控えめ。時間的にきついですが、ここで食事をすることに。



 食べたいのは地魚。マグロなんてどこでも食べられますし、大抵冷凍ですから。そこで地魚旬寿司を注文。鱸、アオリイカ、かんぱち、金目鯛、鯵、なめろう巻き、あとよくわからん(笑)。これに茶わん蒸し、サラダ、味噌汁が付きました。館山の寿司は田舎寿司とのことで、ネタが大きめです。そしてとても美味しい… これで1680円は安過ぎでしょう。これなら2982円の板長おまかせを頼めば凄いことになっていたでしょう。次回も終着点は館山にして、ここで寿司を食べる事を心に決めました(笑)。食事で満足したのは久しぶりです。

 電車の時間が迫っていましたのでゆっくりできなかったのは残念ですが、会計を済ませ、自転車を手早く折畳み、内房線にギリギリで乗車。錦糸町までまったりと乗車し、22:30くらいに帰宅。

 まとめ。南房総は低山でありながら、森と林道は雰囲気があって楽しかったです。素彫りの隧道は最高でした。山の中で許されるギリギリの人工物という感じ。ハイキング紛いの尾根道散歩も楽しかったですねぇ。それもこれも、低山故に軽めのヒルクライムで余裕があったからでしょうね(笑)。赤城山ヒルクライムとか無理し過ぎなんだわ(^^;。

 一方、後半はうって変わって海岸サイクリング。強風と渇きと時間切迫に苦しみましたが、房総半島南端を完全制覇、観音崎灯台と州崎灯台も巡れたので満足です。そして最後の食事が最高。これで今回のサイクリングは満点となりました(笑)。



所要経費
 JR 2300円×2(青春18きっぷ2回分)
 野島崎灯台見学料 150円