2018年4月4日水曜日

2018/04/02-03 伊豆大島(0-1日目)

走行距離 96.35km
 自宅→竹芝 18.59km
 大島一周 77.75km
走行時間 07:07:17
 自宅→竹芝 01:02:15
 大島一周 06:05:02
使用車種 KHS F20-R



 サイクリストとしては離島サイクリングは憧れです。輪行や自動車移動で日常から離れるサイクリングは経験して来ましたが、離島サイクリングは非日常性という意味では格段にレベルが違います。お金も多少かかりますし、時間の都合はもっと大変。東京湾一周サイクリングの際に東京湾フェリーが春一番で欠航したことがありましたが、離島の場合最悪予定通りには帰れないのでそのレベルで済みません。そんなわけで二の足を踏んでいたのですが、今回やっと実行することができました。

 目的地は伊豆大島。離島と言っても東京から近く、お手軽です。自転車を運ぶ以上船で移動するわけですが、東海汽船の場合高速ジェット船と大型客船の二種類あります。ジェット船は片道2時間程度で旅自体が楽です。ただ到着時刻が午前10時とか10時半で、それから大島一周サイクリングをするにはちょっと遅いです。大型客船は前夜に出航し朝の6時到着ですから、朝から夜までたっぷりサイクリングできます。そんなわけで大型客船を選択しました。

 東海汽船

 4月2日の18:50、自宅出発。



 20:10、竹芝客船ターミナル到着。ターミナル手前のファミリーマートで食料を確保。自転車を袋詰めし、乗船の手続き、売店で買い物。後は待合室でひたすらのんびり。尚、自転車は輪行袋に入れて手荷物にすれば無料ですが、1500円払えばそのままコンテナに詰められて運んでもらえます。コンテナ詰めのMTBを見ましたが、伊豆大島到着後もすぐに走り出せたので便利そうでした。

 22:00、竹芝客船ターミナルを出発。割とギリギリの乗船開始で、自転車を指定の場所に置き、手荷物を持って特2等の座席(ベッド)へ移動。毛布は一枚用意されていましたが、床が硬いので追加で毛布を二枚レンタルし(200円)、床に敷きました。車中泊で使うインフレータータイプのマットを持って行こうか悩みましたが、荷物が増えるのを嫌って我慢しました。毛布二枚でもそこそこ硬いですが、そこは我慢しましょう。



 まだ消灯時間ではないので、デッキに出て東京横浜の夜景を楽しみました。揺れるのでピンボケ写真ばかり。レインボーブリッジの奥に東京タワーが見えます。

 消灯時間(23:30かな?)前にベッドに潜り込みました。が、なかなか寝付けません。客室は上層のAデッキから最下層のFデッキまであります。Fデッキは夏の繁忙期のみ使う様で、この時は解放されていません。当然上層の方が料金は高いです。個室であったり、布団が用意されていたり、客室の窓から外が見えるとか差別化されているわけです。雑魚寝の2等は落ち着かないですし、2等座席はリクライニングできるとはいえ寝返りが打てませんから疲れそうです。翌日のサイクリングを考えると少しは寝ておきたい。そこで私が予約したのは特2等。二段ベッドタイプでカーテンで仕切られており、プライバシーが最低限保たれています。どうせ一晩ですし、車中泊に慣れていますから寝心地までは求めておらず、これで十分だと判断したのです。しかし問題は他にありました。船の機関の騒音です。振動と共にずっと音がしていて、これが落ち着かない。客船ターミナルで念の為耳栓を買っていたのですが、全然役立ちませんでした。結局2〜3時間はうつらうつら寝ていたと思いますが、十分に寝た感じはしませんでした。大島到着は6時ですが、沿岸に着いたのは4時前後かと。その頃からエンジンは切られて静かになるんですが、時既に遅しです。

 到着前に前夜買い込んだパンで朝食。伊豆大島にコンビニはありません。元町港には客船到着時刻に合わせて営業する御神火温泉等があり食事が期待できますが、今回の到着予定岡田港では早朝営業の店はありませんでした。



 岡田港にて。さるびあ丸のお尻は丸くて可愛い。



 06:30、いよいよ大島サイクリング開始です。朝靄かもしれませんが、天気がはっきりしないのが心配でした。

 港は海面に面していますから標高0メートル付近ですので、出発と同時に激坂を上ることになります。寝不足ではありますが、気分が盛り上がってますから80メートル程度の激坂もハイテンションで上ります。



 泉津橋。大島をぐるっと一周する大島環状線を走るわけですが、この橋も道路もとても立派。離島と言うと財政的にインフラが十分でないイメージですが、ここは財政豊かな東京都。しかも1986年の噴火を最後に沈静化しているとはいえ火山の三原山を抱え、台風では土砂災害に襲われる島ですから、避難の為にインフラは十分整えている様です。



 でも、ふと山側を見ると、崩壊する旧道が見えました。ガードレールも落ちています。こんな旧道では万が一の避難もできないですからね。



 大島自然公園の開園時間には早すぎました。



 まぁ公園に入らないのでも、大島循環線の道路沿いでたくさん椿は見られました。



 そこそこ起伏はありますが、大島循環線は本当に綺麗。ここら辺りの道路脇で猿やリスを見かけました。猿については何故いるのか違和感がありましたが、帰宅後調べたら、1930年台半ばに動物園から逃げ出したタイワンザルが大繁殖したものなのだそうです。リスも同様とのこと。

 大島循環線から離れ、二子山へ続く道路をヒルクライム。標高で250m程上りましたが、緑色の大便が何箇所かに落ちていました。どうやらタイワンザルのものらしいです。



 ヒルクライム終点で、月と砂漠ライン入口。溶岩台地を砂漠と称しているわけです。ここからは車両進入禁止の為、例によって自転車を肩に担いで歩きます。



 展望台からは三原山が綺麗に見えるらしいですよ。



 だんだん植生がまばらになってきました。と同時に、地面が火山のスコリアであることが良くわかります。「砂漠」ではないですね。



 10分程で裏砂漠第1展望台に到着。ガスっていて三原山が見えないんですけど…



 カルデラもぼんやり。

 もう10分も登れば第2展望台の櫛形山に着きますが、ガスっていて何も見えないのは必至。自転車を担いで行っても意味がなさそうですし、大島一周のタイムリミットがありますので、ここで撤退。



 09:06、大島循環線サイクリング再開。大島循環線にはこの形の標識が立てられており、位置が分かり易くてありがたいです。GPSがあるとはいえ。



 山から波浮港へ下っていきます。大島桜は一週間前くらいが見頃だったでしょうけど、それでもあちこちに咲いていて綺麗でした。



 火山災害がある伊豆大島ですから、何気なく道路脇に待避壕があったりします。



 観光名所の筆島。筆島火山の火口中心部の硬い溶岩が侵食から残ったものだそうです。



 説明図みたいに良い天気だったらねぇ…

 波浮港に行く前に、龍王崎灯台に向かいます。



 灯台が立っている場所は岬なわけで、海から灯台が見えるとなれば逆に陸からも海が良く見えるわけです。つまり防衛上の要地。ここは江戸時代の鉄砲場だそうです。十一代将軍徳川家斉の頃に、ロシアの舟が時々北海道に出没しはじめた為、海防の為に島民に射撃訓練をさせたとのこと。



 時は移り第二次世界大戦時代。陸軍の監視所になり、防空壕が設置されたとのこと。今は平和な島も激動の時代を経ています。



 龍王崎灯台。残念ながら上には登れず。



 波浮港見晴台から波浮港を望む。ここから波浮港へ下っていきます。波浮港は元は火口湖で、後に大津波で海が繋がった港。



 波浮港の集落。大正から昭和初期の姿を残していています。かつては遠洋漁業の中継基地として栄えたそうで、2017年7月6日放送の「空から日本を見てみよう+」では『一時的に銀座より地価が高かった』と伝えていました。言われて見ればレトロモダンの様な。



 道路先端部にある鵜飼商店はマスコミに取り上げられることが多いようです。私も揚げたてコロッケ2個とメンチを購入。コロッケ自体をこのお店が作っているかは不明ですが、注文すると揚げてくれるので熱々をいただけます。疲れているので美味。1個の注文では申し訳ないので3個も食べましたが、揚げ物3個は食べ過ぎでした。

 港から再び上って大島循環線に戻ります。



 砂の浜橋。ウミガメの産卵地である砂の浜を跨ぐ感じの橋。橋自体は数年前に開通した様ですが、大島循環線の本線として接続されたのは最近の模様。Google Mapsの表示でもまだ未開通になってます(2018年5月現在)。道路は綺麗で向こうに切り通しもある上りで、このまま滑走して空を飛べそう。



 砂の浜橋を過ぎると、観光スポットの地層切断面に。道路建設中に偶然発見されたもので、凡そ150年に一度の火山噴火により積もった堆積物が作った縞模様。バウムクーヘンと呼ばれるのもわかる見事なものです。



 自転車との比較。デカイ!!





 全長500mくらいですかね。延々続いていて壮観です。



 ずっと見ていても面白い地形ですが、時間の関係で切り上げます。



 天気は良くなってきましたが、三原山の山頂は曇りがち。余談ながら、この辺りの地名は「東京都大島町野増エンシュウアイノウ」とのこと。後半は日本語だか英語だかわからない地名ですね。ここも地形図で見ると物凄くえぐれた谷筋で、旧道は谷をかなり迂回していたものを新しい橋で一気に直線化しています。



 ここも新しい橋。川が流れているのですが、右側に不自然に急勾配な直線道路。川沿いも道の様なものが見られて謎。



 橋を渡った場所で理由がわかりました。ここ野増の付近は三原山から何本も川が流れて落ちているのですが、そこに三原山の溶岩を流し込もうというわけですね。溶岩流を止めることはできないので、流れを変えてしまおうと。火山に対する緊迫した状況とその対策がわかります。



 12:24、元町港に到着。この日は岡田港が使われており、ここはほとんど人がいませんでした。

 元町港から大島循環線は海沿いを離れてしまいます。大島循環線一周を後回しにし、海沿いのサンセットパームラインを走ります。



 こちらは市街地ではないので人の気配が全然ありません。自動車も通らず、サイクリングには最高。その名の通り夕陽が綺麗な海岸線なのでしょうが、街灯もないので夜に自転車だとヤバいかもしれません(笑)。



 走っていると、夕日の丘赤禿という場所に出ました。溶岩の鉄分が酸化して赤くなったとのことです。



 確かにここで夕日を見たら綺麗でしょう。



 名前が凄い(^^;。

 伊豆大島北端の野田浜辺りから少しヒルクライム。そのまま東進。



 13:24、岡田出張所前に到着。とりあえず伊豆大島の海岸沿いを一周できました。まだ時間がありますので、一旦同じ道を引き返します。そして元町港まで大島循環線を走り、大島循環線一周完結。我ながら律儀なことです(笑)。で、また同じ道を引き返します。途中のスーパーさむかわ食賓館で食料と飲料を補給。大島高校を過ぎた所から大島公園線をヒルクライム。約6.5kmで標高60mから500mまで上ります。ここまでそれなりに走っていますので結構ヘロヘロで、一時間もかかりました。

 15:24、15時半到着予定と伝えていた通り、無事に大島温泉ホテルに到着。自転車は玄関横のサイクルラックに掛けました。

 大島温泉ホテル



 ホテルの部屋から三原山。結局山頂は見えず。カルデラの森の中にオオシマザクラがたくさん咲いていました。ホテルは外輪山の上に建てらており絶景。

 とりあえず疲れた体を癒そうと温泉へ。温泉ホテルだけあって、露天風呂からはカルデラと三原山が見えて絶景。これで山頂が見られれば… とはいえ大満足の温泉でした。



 夕食。刺身は追加料金でアップグレードしてもらいましたし、追加した鼈甲寿司も美味。この他に金目鯛の煮付けやサザエご飯、アイス、ワインと至れり尽くせりでした。椿油で具材を揚げる椿フォンデュも美味。食べ過ぎ。部屋は訳あり(風呂故障)の安部屋でしたが、温泉と食事で一万円ちょっとは破格でした。

 夜はテレビをつけてまったりしたのですが、なにせ東京都なので放送が変わり映えしません。旅の楽しみは地方のローカル番組なので残念でした。

 夜から風が強くなりました。離島の上に山なので多少強いのはわかるのですが、明日の船がちょっと心配。更に自転車も心配になったので、ホテルのスタッフにお願いしてホテル内に自転車を移しました。他にもロードバイクが一台置いてありました。

 10畳くらいある部屋に布団一つ敷いて(笑)、23時頃に就寝。疲れていたのでぐっすりでした。



 一日目の走行ルート。ぐるっと大島一周して、途中で島の東西をヒルクライム。我ながら元気(笑)。大島での走行距離は78kmと短めですが、負荷は結構かかっていました。

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