自転車で秩父の林道を走り回る様になり、すっかり秩父好きになってしまった私。しかし秩父好きと言いながら、引っかかることがありました。それは秩父に行くたびに必ず目にする、奥武蔵、秩父の盟主である武甲山に登ってないこと。林道を自転車で走るのとは話が違うって? いやいや、武甲山に自転車抱えて登山した方がいるんですよ(笑)。もっともそこまでする気は毛頭ないのですが、その特徴的な山容の武甲山には惹かれていました。
実は妻坂峠越えの日記で書いた「(妻坂峠を越える)もうひとつの理由」とは、この武甲山登山でした。妻坂峠を越えると御嶽神社一の鳥居なので、体力が残っていれば自転車を駐輪して登っちゃおうかな、と(笑)。時間的には大丈夫だったんですが、如何せん自転車を抱えての妻坂峠はきつくて体力的に無理でしたが。
Wikipediaによる武甲山解説
武甲山は奥武蔵最高峰であり、名称が日本武尊に由来する由緒がありながら、石灰岩採掘により山容が激変している哀しい山でもあります。その姿を見れば、私でなくても何も感じないことはないでしょう。
武甲山側面図。北側の山頂部分がばっさりなくなっていて、テーブル状台地になっています。
そんなわけで武甲山登山はかなり前からの願望だったのですが、やっと今回挑戦することになりました。
出発は05:20頃。まだバスが動いてないので駅まで徒歩。しかし歩いて10分程して、トレッキングシューズではなくジョギングシューズを履いていることに気づきました(^^;。うわorz アホらしいですが、一旦帰宅し、靴を履き替え。05:38再出発。もう急いでも仕方ないと、まったり行くことにしました。06:12竹の塚着。
竹の塚から北千住へ、北千住から西日暮里、西日暮里から池袋、池袋から横瀬と、電車を乗り継ぎまくり。これが自転車なら池袋から一本なんですが(笑)。
09:10頃、横瀬到着。西武秩父からタクシーで一の鳥居まで行くという選択肢がありますが、料金が2000円近いこと、前回自転車で通った道なので場所がわかること、そして武甲山の遠景写真も撮りたいということで、横瀬から歩くことに。
ほぼ逆光なので写りが良くないですが、武甲山の雄姿。前面がスパッと切られているのがわかります。とはいえ、どっしりした山容は格好良いです。
しかし暑い… 気温はそんなに高くないのですが、陽射しが強いしアスファルトの照り返しも参りました。帽子忘れているし… フェイスタオルを頭に載せたりしました。
陽射しの強さも参りましたが、約6kmの上り道も結構遠いです。横瀬駅の標高250mから一の鳥居の520mまで登りますから、単純平均で4.5%の勾配ですね。自転車だったらイヤだな(笑)。
生川沿いの道は武甲山から採掘した石灰岩を加工する工場群があり、これは菱光石灰工業。機能優先の無骨な姿が美しい。
この写真を撮影した直後、自動車からナンパされました。いやいや、自動車で登山に来られた方が一の鳥居まで送ってくださるということです(笑)。いい加減暑さに参っていたので遠慮なくご厚意に甘えましたが、生川沿いの延命水で水を補給するので、乗せていただいたのは1km程でした(^^;。こんなことなら歩いた方が達成感があるし、途中で下りるという失礼をしないで済みましたね。適当に歩いていたのでまだ距離があると錯覚していました(^^;。乗せていただいた方、どうもすみませんでした。
延命水で水を補給し、約600mで一の鳥居に到着。時刻は10:10頃。途中1km程自動車に乗せていただいたとはいえ、この距離を一時間なら合格かな。
さぁ、ここからが本当に初めての「まともな」登山です。林道から30〜60分歩いて山頂に登るとか、自転車抱えて登山道を歩くとかの邪道な登山でなく(笑)。
最初のうちはコンクリートの登山道を歩きますが、ここが売り地って… 土産物店でも開けばいいのかな(^^;。
更に勾配のきついコンクリート登山道。コンクリートだと足に疲労が溜まります。この後、登山届を提出。
ここで左側に道が分かれているんですが、ここは自転車で進める道なんですかね。Super Mapple Digitalで見ると登山道レベルではない道で、武甲山と小持山を繋ぐ尾根に出られるみたいなんですが。尾根までは出られないのかな? ご存知の方、ご教示くださるとありがたいです。行けるなら自転車抱えて行きます(笑)。
10:40頃、不動滝に到着。写真が下手なのでわからないのですが、かなり上の方まで続いている長い滝です。しかもここは水場。水場が枯れているかもしれないので念のため延命水で大量補給してしまいましたが、裏目に出ました(笑)。
不動滝の過ぎると橋に。なんだか心許ない橋なんですけど。
武甲山御嶽神社参道とあります。そう、この道は御嶽神社への表参道なのです。そんなわけで登山道は良く整備されています。
杉の中を進みますが、たまに巨木に出会います。
三十五丁目。登山道は52丁目まであり、登山の最中も今どの辺を登っているのかよくわかります。
途中で出会う大杉。この手前にも大杉の広場があり、残り60分の標識が建っていました。この杉は広場のものよりは小さいですが、その分写真がうまく撮れました(笑)。
大杉広場くらいから涼しくなりました。標高が1000mくらいありますからね。って、この時点ではGPSはほぼ役立たず。頭上を杉が被っていて、電波が拾えません。位置データがだいぶ狂っている上に、標高はずっと500mを表示したまま(^^;。気圧で計る高度計を備えた腕時計が必要かな? とにかく、そんなわけで一の鳥居より上りのGPSデータは地図からトレースしたでっち上げです(笑)。写真の撮影場所もexifに記録された時刻と地形図を見ながら推定したものにすぎません。
四十三丁目で記念撮影。
階段コースは避け、一般コースを歩きました。「頼むぜ、ハチロク。お前の心臓が頼りだ」と、どんどん登ります(笑)。
頂上付近、最後の九十九折り。
11:55頃、無事山頂広場に到着。1時間45分かかりました。写真撮影とかしたので、こんなもんですかね。「山と高原地図 奥武蔵・秩父」では2時間20分とありますが、横瀬〜一の鳥居さえ1時間50分なんて書かれていますし、あまりアテにならない(笑)。
広場には登山客がたくさんいて、皆さん食事中。そんなわけでカメラを構えて撮影するのもなんなので、サラリと撮影。そして私も食事に。今回もバーナーはなしです。初登山なので荷物を軽めにしようとしたのは事実ですが、前日詰め忘れたのが真相です(笑)。おにぎり3個と缶コーヒー。お腹ペコペコなので最高に美味。
食事で一息入れると、御嶽神社へ。父親の病気について祈願。
そして御嶽神社裏の展望台へ。
武甲山山頂第一展望台からのパノラマ。凄いわ。秩父市内が手に取れる様。
蓑山の向こうが赤城山かな。視界からして榛名山も見えるはずですが、いまいちわからず。やっぱり遠くを眺めるなら冬ですかねぇ。
武甲山山頂から見る秩父ハープ橋。
眺めに感激しているとサイレンが聞こえました。そして
爆発音と共に粉塵が。そうです、今日も武甲山は削られているのです(>_<)。
こんな重機がテーブル状になった場所を掘っていました。山頂から本当にすぐ下なんですよねぇ。
他の登山者に撮影を頼まれたので、私も頼んで撮影してもらいました。いつもの格好と変わらん。裾バンドしているし(笑)。
続いて第二展望台に向かいましたが、柵に鎖がかけられていて入れませんでした。そんなわけで柵の外から撮影。
12:57下山開始。武甲山〜小持山の尾根道は眺望が良いらしいのですが、「健脚コース」らしいので今回はなし。大持山、妻坂峠から一の鳥居に下りてくるのに3、4時間かかるらしいですし。初登山でそこまで欲張るのは良くないでしょう。
あちこちで熊出没注意を促されていました。せっかく買った鈴を持ってきてないし…
爆破の際の避難小屋。現在は使われてないみたいですが、生々しいです。
浦山口への下山路は急斜面にあります。登りは杉の樹林帯で暗い道でしたが、こちらは陽が当たって明るいです。それにGPSの電波が良く入る(笑)。下りは結構正確に記録が取れていました。しかし急斜面だけあって、一歩間違えたら転落。怖い道でした。
そんなわけで展望も開けていて、なかなかの絶景。山の名前が不明ですが(小持山の稜線とでも言えばいいのかな)、この向こうに秩父さくら湖があります。
13:30、長者屋敷ノ頭(長者屋敷の頭)に到着。「頭」と言ってもピークというわけではないですね。近くに水場があるみたいですが、下りは全然喉が渇かない(笑)。写真撮ったり、のんびり休んだりして、13:47に再出発。
浦山口への下山路を振り返って。杉との境目の色が違いますよね。そこを歩いてきました。下山路の下の斜面は様々な木が生えています。
下りの急勾配で既に膝がガクガクだったのですが、ここからやっと如何にも尾根らしいのんびりした山歩きに。花が咲いていましたが、全然名前がわからない(^^;。
急勾配ですが、陽射しが届いているので気持ち良い山歩きができました。
しか〜し、問題はここから。14:10頃、尾根歩きは終了。
こんな斜面を九十九折りで下りて行きます(^^;。途中で下の方から沢の水音が聞こえるのですが、いくら下っても水が見えない(笑)。
幹にしがみつきながら下りたり。これが山歩きの醍醐味なのか(笑)。
14:37、長者屋敷登り口に到着。もう膝が痛くて仕方ないです。登り口は沢に面していて、薄暗いのですけど良い雰囲気。しかし…なんだかちょうど熊が現れそうな場所なんですよ(^^;。単独行動なので、敢えて熊が出そうな場所に長居するのは賢くないですから、すぐに撤退。
落差のある、人間の手の入っていない沢だか橋立川沿いを下ります。どこに行っても川には堰があったりして無粋ですが、ここは自然のまま。熊は恐いですが(笑)、また歩きたい場所でした。
14:45、橋立林道終点(起点)に到着。
しかしこの警察官の人形は怖いよ(^^;。因みに、手を伸ばしてツーショット撮影もしました(爆)。自分の頭のデカさにorz
登山道が谷底の森の中で薄暗かったのに対して、林道は空が開けていて明るく、さすがに熊の心配はなし。
林道を2km程度歩きましたが、取水堰はかなり下流で、それまでは自然たっぷりの川が見られました。でも膝がガクガクだったので、もう歩きたくなかったです(笑)。路面の石はかなり鋭角で、自転車では走りたくないです。
なんか凄い風景だなと思っていたら、橋立鍾乳洞でした。時間はたっぷりありましたが、膝が痛いので見学はなし。それにしても、崖のほぼ直下に民家があるんですけど… 大丈夫なのかな。
15:40頃、浦山口駅に到着。駅前では伏流水という不動の水をいただきました。冷たくて甘露。そう言えば、秩父鉄道に乗ったのは二回目か。もっと乗らないと申し訳ないですね。
お花畑駅到着後、わずか5分も離れていない西武秩父駅まで歩くのが辛いこと辛いこと(苦笑)。次々に抜かされました。
駅の仲見世通りでお土産の佃煮を三袋、自分用に和菓子を一袋購入。ちちぶ餅ってなんじゃらほいと思いましたが、まぁ大福ですね(笑)。甘いもの大好きなので満足でした。疲れが癒されます。
特急秩父で池袋駅まで、山手線、営団千代田線を使って綾瀬駅へ。膝が痛いのでタクシーで帰ろうかと思いましたが、最後まで頑張ってバスで帰宅。バス停からの歩みの鈍いこと。19:35、無事(とは言いがたいですが(笑))帰宅。二階へ上がるのも辛い膝の状態でした(^^;。
武甲山登山ルート。生川沿いに谷を進み、武甲山を縦断したという感じでしょうか。
問題の下山ルート。真ん中辺りのぐにゅぐにゅ九十九折りが凄いです。直線で300mの距離があり、標高で200m超下っています。勾配は66%?(笑) 転げ落ちそうでした。しかしここは登るのも辛いでしょうね。下りの方が膝には負担になりますが、登りは無茶苦茶体力が要りそう。
武甲山ルート標高図。これを見ると、意外と登りも下りも同じ様な勾配ですね。下りの方が圧倒的にきつい勾配と感じたのは、下りの方が恐怖心があることと膝が痛んでいたからですかね。
とにかく、初登山は天気にも恵まれ、楽しくできました。登りは眺望が全然なくて不毛ですが(笑)、神社にお参りする為の道ですからね。そんなもんを期待してはいかんのでしょう。代わりに、頂上はさすがの眺望で大満足。愚民どもが虫けらの様じゃわい…とは思わないですが(笑)。しかしせっかくの眺望も山の特定ができないのが残念。山の同定ができる様になりたいです。
因みに、膝と下半身の筋肉痛は火曜日の午前中くらいまで続きました(笑)。次はもう少し慣れるかな。今後もゆっくり登山を楽しみたいと思います。
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