走行距離 71.12km(うち5km程度は自宅-草加の復路。往路は未測定未算入ながら約5km)
走行時間 04:38:23
平均速度 15.3km/h
最高速度 42.4km/h
使用車種 KHS F20-R
細尾峠を含む旧国道122号線のみのデータ
走行距離 11.07km(GPSとの干渉で未測定区間有)
走行時間 00:54:41
平均速度 12.1km/h
最高速度 不明
秩父の場合西武鉄道の池袋に出なければならず、池袋始発の電車に乗る為には早朝3:40頃には家を出なければなりません。しかし桐生は近所の東武鉄道の駅から行けますので、5:00少し前に家を出れば大丈夫。これは大きな利点です。しかし日頃の疲れが溜まっていたのか、秩父に比べてモチベーションが低いのか、なんと目が覚めたのが5:10… 携帯電話のアラームはスヌーズ状態で、何度も鳴っているのに気づかない爆睡ぶり。もっとも寝坊したって誰に迷惑をかけるわけでもないのが一人ポタリングのお気楽なところ。慌てず騒がず、次に乗れそうな電車を検索。するとなんと都合が良い電車は一時間半後… 参りました。
6:10に家を出発。6:25草加到着。6:49の区間準急太田行きの電車に乗ります。連休中ですが土曜日ですので、学生やお務めの方もいて、下り電車にもかかわらずそこそこの乗車率。音楽を聴きながら到着を待ちますが、電車の中が寒い!! 西武鉄道の場合、電車がホームに停車中は乗客がボタン操作でドアの開閉をできます。お陰で外が寒い時は基本的にはドアが閉まっていて電車内は寒くないのですが、東武鉄道にそんな気の利いたものはない… 同じ様に寒い所を走るんですがねぇ。ともかく、館林では寒くて震えまくり。外に霜があるのは秩父と同じですが、体感温度はこちらの方が寒い。そう思って携帯電話で調べたら、館林は7:40で1.3℃でしたorz 寒過ぎます。
出発が遅れた為、新桐生ではなく、より日光に近い相老か赤城で降りることを検討していました。相老はわたらせ渓谷鐡道に接続する為、かなりインチキですが(笑)、草木湖くらいまで鉄道で行ってしまおうかと。実際、相老では列車が来ていました。ただ輪行ができるか不明でした。通路を渡って質問しにいくと、その間に東武の電車は出てしまいます。それに輪行はOKでも、わたらせ渓谷鐡道の乗客も結構いましたので自転車が邪魔になって乗れないかもしれません。仕方ないので赤城まで行く事を即断。しかしこれが細尾峠までの長い長い上り坂へ導くことに。
赤城駅到着は9:09。地方駅の場合、バス網が発達していない関係で乗用車で家族らを駅に送迎をすることが多いのですが、自転車を組み立てていると、自動車の中で誰かを待っていた70歳くらいの温和な表情の男性が寄ってきて話しかけてきました。日光まで行くと話すと、「大変だねぇ」と、頭の弱い子供を見る様な暖かい目で応援してくれました(笑)。しかしタイヤを見ての質問は素朴。「こんなつるつるのタイヤで大丈夫なの?」 雪の降る地域に住み自動車しか運転しない方にとっては、こんなつるつるタイヤは欠陥品でしょう(笑)。
9:30頃、赤城駅を出発。またもやGPSの記録を忘れますが、すぐに記録開始。69号線(大間々尾島線)を北上、400mくらいで122号線(銅山街道)に名称が変更。この辺りの街並みが如何にも昭和という感じ。懐かしくて嬉しくなります。が、昭和らしく、飼犬の放し飼いだか野犬だかにも二匹遭遇… そんな所まで昭和なのはやめてよ…
122号線、下神梅辺り。
122号線、草木湖方面。
渡良瀬川に突き当たると、122号線は渡良瀬川、そしてわたらせ渓谷鐡道沿いを走ることに。この道は主要幹線の為、大型トラックが猛スピードで走り抜けます。遠方の景色は良いのですが、自動車への注意で景色は堪能できず。反対車線に渡って写真撮影もままなりません。がっかり。
幸い走行車線には80cm程度の路側帯があり助かりましたが、反対車線は路側帯がほとんどなく、しかもガードレールの反対側は断崖という酷い状況でした。少なくとも反対車線は走りたくないです。
しかしそれにしても、この道ではほとんど写真を撮影していません。この道はせいぜい1.5%くらいの緩やかな勾配なのですが、それでも22kmもあって長いです。暑さと自動車へのストレスもあって疲労の蓄積が大きいです。全然楽しくありませんorz そして草木湖への最後の上りは5%超で、かなりきついです。ずっと1、2%の上りが続いていただけに効きます。もうぐでんぐでん。
やっとの思いでダムサイトへ。駐車場は数台の自動車と多数のバイクで占められていました。自転車は一台もなく、ここでも何やら視線が集まっていた様な(笑)。気のせいならいいのですが。
展望台から見る草木湖は素晴らしい景色でした。紅葉こそ時期を過ぎていますが、湖の色が美しいです。これで紅葉がピークだったら最高でしょうね。もっともその時期は観光客もシャレにならない程いたかもしれませんが。(拡大可)
トイレを済ませ、ミネラルウォーターを補充。122号線北上再開。本当は草木湖東岸の343号線(沢入桐生線)を走りたかったのです。起伏はかなりありますが、主要道でない為自動車は少なく、山らしい静かで自然豊かな道が堪能できるはず。しかしより時間がかかる為、ここは我慢… しかし2.5kmも走ると自動車のプレッシャーに我慢がならず、草木橋を渡って対岸へ。
草木橋より見る草木湖。
草木湖岸343号線。
紅葉の名残。
車が通行しない…(喜) そーそー、こういう道が走りたくて遠くまで来ているのさ。とはいえ、東宮橋で122号線に復帰しなければ… わずか2kmちょっと。その先の沢入駅でも対岸の122号線に復帰できそうでしたが、安全の為東宮橋を渡ることにしました。そしてもうすぐ東宮橋という場所で…ががん。放し飼いの飼犬だか野犬が何かをくわえてこちらへやってきますorz 今日は三匹目か… 本当に昭和だ。幸い中型犬なので理性で恐怖を克服。というか、犬の方がこちらのビビりぶりを察知したのか道路から湖岸の方へ下りていきました。はう。今日は犬の当たり日だと思うと、この先の細尾峠が思いやられます。
わたらせ渓谷鐵道わたらせ渓谷線の笠松トンネル。わたらせ渓谷鐡道はとんでもない場所を走っていますね。すぐ下は渓流で、路線は森に飲み込まれそう。
そこからもただひたすら北上。ダウンジャケットが邪魔邪魔邪魔。暑くてたまりません。そしてここは18kmで400m程度の上り坂。勾配率は大したことがないのですが、とにかく長いのが堪えます。しかも何度かアップダウンがあって、せっかく上ったのが無駄になるのが精神的に辛いです。いくら漕いでも旧道入口に辿り着けず、長い峠道である細尾峠がもし非常に厳しい激坂だったら、峠に着く頃には日が暮れるのではないかと心配になってきました。さすがに暗い山道を走る気はありません。しかしここまでどろんどろんになりながらやってきて、それでいてUターンでは悲し過ぎます。そんなことになったら、絶望でベヘリットを使って守護天使を呼び出してしまいそう(意味不明)。
賽ノ子堆積場。
足尾の山々。禿げ?
足尾を通過しましたが、観光するには心も時間も余裕なし。雄大な山の景色を眺めて写真を撮るのが精一杯。
そして13:35頃、やっとの思いで旧道入口に到着。日暮れまであと3時間。微妙な時刻でした。
前述の走行ルート地図を開き、細尾峠辺りをご覧ください。直線の日足トンネルに対し、旧道はぐねぐね曲がっています。細尾峠の旧道はトンネル開通前には足尾と日光を結ぶ幹線道路でした。とても幹線道路とは思えない形状ですが(笑)。九十九折りは北西にあるいろは坂を思わせます。しかしこの旧道は歴史があり、その栄枯盛衰は人の一生の様です。以下、旧道入口に掲げられた細尾峠の説明文。
*****************************************************
足尾と日光の境に位置する細尾峠は、古くは日光山僧徒が峰修行の路として開いた。以後、足尾銅山の発見により往来が盛んになり、明治時代には銅山発展とともに道路を拡張し、峠に停場(とまりば)が設けられ荷物交換の行列で賑った。更に輸送拡大のため、明治23年(1890年)に日本最初の鉄索(てつさく)が峠の両側に架設されたが、「足尾鉄道」の開通により利用は減退した。昭和11年(1936年)に自動車道として改修され足尾の大幹線となったが、昭和53年(1978年)に待望の「日足トンネル」開通し静寂な峠となった。
*****************************************************
今はすっかり老いてしまいましたが、往時はブイブイ言わせていた人生だったのです(笑)。物悲しくも懐かしい、そんな歴史深い峠道です。
さて、走り出す前に恒例の写真撮影(笑)。「どれ、撮影するか」とミニ三脚を探すと…あらら、脚が一本根本から折れています。これだから安物は… 三回くらい使って500円でしたから、元は十分取れましたが(笑)。それはともかく、仕方がないので自転車のサドルにカメラを載せて撮影。自転車と一緒に撮影することはできなくなりましたが、アングルが高くなって写真が自然になりました。
それではと走り出すと、いきなりガレ場が。先が思いやられます。実際、右手の山肌には巨大な岩が沢山あります。岩に木が根を張って崩落を押しとどめているかの様です。しかしガレ場はここのみ。
緩やかなカーブを描きながら122号線に並走する旧道。ここでイヤなものを発見。犬がしたと思しき糞です。か、勘弁してよ。今日はもう三匹も出くわしているのです。シャレにならん。犬の当たり日なのです。これは対応しておいた方が良かろうと、道に落ちている石を数箇ポケットに。そして長さ60cm、直径3cmくらいの棒切れを拾いました。いざとなったら闘(や)ったると、臨戦態勢(^^;。何をしに遠くまで来ているのだろう…
そして入口から300mも進むと、いよいよ見た目に馬鹿げた道が現れます。
こ、これは…(笑) こんな道、誰が作ったんだ。いや、こんな道、誰が使うんだ。私だー(笑)。しかし写真中央辺りでガードレールは何本見えるんだ… 上の方に微かに写るガードレールは見えますか? 正解は4本。これがかつて大賑わいだった国道とは到底思えん。昔の方の苦労が忍ばれます。(拡大可)
さて、いざ出陣。武装もしているし、「出陣」という言葉がぴったり(笑)。ゆっくり確実に上り始めました。道は確かに急勾配ですが、すぐに反転する為精神衛生上は良いです。どこまで上るかはっきりわかりますから。
そして現れたのが、こいつだ!!
14%勾配標識。
14%坂。
出た出た出た(笑)。ゼロゼロマシンさんのブログで最近13%勾配の日記がありましたが、これは1%上回っています。あまりの急勾配の為、柱も傾いています(笑)。位置は地蔵坂の最上部付近。
さすがにこいつは手強いです。大血川林道の時は12%を経験しましたが、12%はきついけど上れない坂ではないです。ただ単に踏むのが大変なだけ。ところが14%になると、勾配率不明の浦山ダムでも経験しましたが、体があからさまに後方へ引っ張られる感じがします。巨人に体を捕まれ後方へ引っ張られる様な。そして前輪は浮き上がる感じ。こうなると重心が高くなるダンシングなんて不可能。ひたすら体を低く倒して体重を前輪にかけます。腰が酷く疲れますが、これでなんとか後方へ引っ張られる力に対抗できます。ただ幸いなことに、この14%勾配はさほど長く続きませんでした。ブラックホールの引力を脱し、普通の激坂モードへ。沢を巻いたりしてうねうねしますが、もはや峠は間近。
日足トンネルを横切った辺り。(拡大可)
寂れた峠にはぴったりな枯れた風景ですね。
峠間近で発見。旧道本人はまだ国道122号線で現役のつもりらしいです(笑)。
そして峠に到着。道路は広く舗装も完璧ですが、何もない… 峠の少し先に左右に登山道があり四駆が一台停っていましたが、人も動物も、いや鳥のさえずりさえない寂しい場所でした。不気味過ぎる… ま、野犬がいないだけいいですが(笑)。眺望も悪く魅力ない場所ですので、写真を撮ってすぐ撤退。食事は少しでも展望の開けた場所を探してしようと。
武装ヤンキー@細尾峠。片手に鉄パイプを持って、「おらおらおら」と言っています(嘘)。
不気味な峠を下りますが、大して進まないうちに展望には期待できないと確信。上りでもダメでしたし、下りも同じ様な調子でした。やむなく、道路右手に登山道らしきものが開けている小さな広場で食事。本日もカップラーメンとコーヒーです。それにしても全く無音の静寂さで不気味です。腰を下ろして食べる気にもなれず。食事中、細尾方面に向かった自動車が戻ってきました。その時は峠で忘れ物でもしたのかな程度に思いました。
さて、下り再開。非力なブレーキですが、一応調整はしておいたのでスピードさえ出さなければ大丈夫。ぐいぐい九十九折りを下りていきます。
杉林は日光らしいですが、道路に葉が散らかっていて走りにくいです。
ゲートで通行止めになっていました。私は自転車ですのでゲートの下を潜って通過しましたが、先ほど引き返した自動車はこれが原因ですね。でも足尾方面にはこんな看板なかったですし、ゲートなんてあったかな?(^^; 少なくとも乗り越えたり潜ったりはしていないので、ゲートがあったとしても開放されていたはず。両方で止めなければ意味がない様な… ついでに言えば、私がここで写真を撮っていると、足尾方面から来た自動車がゲートを開けて出て行きました(笑)。
ゲートを越え、更に走ると遂に旧道の終点です。あっという間に旧道を走り抜けてしまいました。それもそのはず、上り4km、下り8kmですからね。一部区間は確かに激坂ではありますが、あくまで全体の一部。しかもその全体がたった4kmなんですから、激坂の長さもしれたものです。平均勾配率も7%前後で、14%なんていう超激坂を除けば全体は緩やかな感じです。
旧道を抜けると一路日光へ。ここからは道幅も広く、そして下り坂の為、ペダルを漕がずとも楽々高速巡航。16時を過ぎていることもあり、かなり寒かったですけど。
観光客の乗用車で溢れる道路に掲げられた標識。とても動物なんて出てきそうにない賑わいぶりなんですけど。
そして日光橋に到着。東照宮が近いこともあり、多くの外国人客も含めて大賑わい。この時16時半で、既に薄暗くなりつつあったのですが。この観光客を見て、私は焦りました。帰りの電車、乗れるのだろうな… 猛烈な速度で東武日光駅へ。駅周辺も大賑わい。観光地の威力をまざまざと目にしました。これでは電車が心配で、とても食事をしている余裕がないです。駅前のお土産屋で蒸かしていた栗饅頭を二箇程食べ、お土産にも箱買いし、自転車を畳んで東武日光駅へ。そこで目にしたのは二両編成の浅草行き車両の大混雑ぶり… これは次の電車に乗れたとしても自転車を載せるのは無理かもしれない… 最悪日光宿泊を覚悟。そして時刻表を見ると、次の電車は一時間後… 先頭で電車に乗らないと自転車を置くスペースが確保できませんから、寒空の下、ホームで電車を待つ事に。ブログに愚痴を書き(笑)、暇潰し。しかし幸いな事に30分程で始発電車がやってきました。うまいこと自転車の置き場と座席を確保。出発時には大混雑でしたが、なんとか帰路につくことができました。
今回のポタリングは、最後は文章と同じく駆け足で走り抜けた感じです。出発が遅れたのが最後まで響きました。また、草木湖を除いて全体に眺望に恵まれず、旅としてはいまいちでした。激坂挑戦的にも正直いまいちです。どちらかと言うと、旧道に到着するまでの50kmの緩い上り坂の方が辛かった。呼吸等は問題ないのですが、とにかく長いので体全体が悲鳴をあげていました。自動車のストレスもきつかったですしね。とはいえ、歴史ある細尾峠も制覇しましたし、細尾峠で野犬に遭遇しませんでしたし(笑)、まずまずのポタリングだったと思います。
走行時間 04:38:23
平均速度 15.3km/h
最高速度 42.4km/h
使用車種 KHS F20-R
細尾峠を含む旧国道122号線のみのデータ
走行距離 11.07km(GPSとの干渉で未測定区間有)
走行時間 00:54:41
平均速度 12.1km/h
最高速度 不明
秩父の場合西武鉄道の池袋に出なければならず、池袋始発の電車に乗る為には早朝3:40頃には家を出なければなりません。しかし桐生は近所の東武鉄道の駅から行けますので、5:00少し前に家を出れば大丈夫。これは大きな利点です。しかし日頃の疲れが溜まっていたのか、秩父に比べてモチベーションが低いのか、なんと目が覚めたのが5:10… 携帯電話のアラームはスヌーズ状態で、何度も鳴っているのに気づかない爆睡ぶり。もっとも寝坊したって誰に迷惑をかけるわけでもないのが一人ポタリングのお気楽なところ。慌てず騒がず、次に乗れそうな電車を検索。するとなんと都合が良い電車は一時間半後… 参りました。
6:10に家を出発。6:25草加到着。6:49の区間準急太田行きの電車に乗ります。連休中ですが土曜日ですので、学生やお務めの方もいて、下り電車にもかかわらずそこそこの乗車率。音楽を聴きながら到着を待ちますが、電車の中が寒い!! 西武鉄道の場合、電車がホームに停車中は乗客がボタン操作でドアの開閉をできます。お陰で外が寒い時は基本的にはドアが閉まっていて電車内は寒くないのですが、東武鉄道にそんな気の利いたものはない… 同じ様に寒い所を走るんですがねぇ。ともかく、館林では寒くて震えまくり。外に霜があるのは秩父と同じですが、体感温度はこちらの方が寒い。そう思って携帯電話で調べたら、館林は7:40で1.3℃でしたorz 寒過ぎます。
出発が遅れた為、新桐生ではなく、より日光に近い相老か赤城で降りることを検討していました。相老はわたらせ渓谷鐡道に接続する為、かなりインチキですが(笑)、草木湖くらいまで鉄道で行ってしまおうかと。実際、相老では列車が来ていました。ただ輪行ができるか不明でした。通路を渡って質問しにいくと、その間に東武の電車は出てしまいます。それに輪行はOKでも、わたらせ渓谷鐡道の乗客も結構いましたので自転車が邪魔になって乗れないかもしれません。仕方ないので赤城まで行く事を即断。しかしこれが細尾峠までの長い長い上り坂へ導くことに。
赤城駅到着は9:09。地方駅の場合、バス網が発達していない関係で乗用車で家族らを駅に送迎をすることが多いのですが、自転車を組み立てていると、自動車の中で誰かを待っていた70歳くらいの温和な表情の男性が寄ってきて話しかけてきました。日光まで行くと話すと、「大変だねぇ」と、頭の弱い子供を見る様な暖かい目で応援してくれました(笑)。しかしタイヤを見ての質問は素朴。「こんなつるつるのタイヤで大丈夫なの?」 雪の降る地域に住み自動車しか運転しない方にとっては、こんなつるつるタイヤは欠陥品でしょう(笑)。
9:30頃、赤城駅を出発。またもやGPSの記録を忘れますが、すぐに記録開始。69号線(大間々尾島線)を北上、400mくらいで122号線(銅山街道)に名称が変更。この辺りの街並みが如何にも昭和という感じ。懐かしくて嬉しくなります。が、昭和らしく、飼犬の放し飼いだか野犬だかにも二匹遭遇… そんな所まで昭和なのはやめてよ…
122号線、下神梅辺り。
122号線、草木湖方面。
渡良瀬川に突き当たると、122号線は渡良瀬川、そしてわたらせ渓谷鐡道沿いを走ることに。この道は主要幹線の為、大型トラックが猛スピードで走り抜けます。遠方の景色は良いのですが、自動車への注意で景色は堪能できず。反対車線に渡って写真撮影もままなりません。がっかり。
幸い走行車線には80cm程度の路側帯があり助かりましたが、反対車線は路側帯がほとんどなく、しかもガードレールの反対側は断崖という酷い状況でした。少なくとも反対車線は走りたくないです。
しかしそれにしても、この道ではほとんど写真を撮影していません。この道はせいぜい1.5%くらいの緩やかな勾配なのですが、それでも22kmもあって長いです。暑さと自動車へのストレスもあって疲労の蓄積が大きいです。全然楽しくありませんorz そして草木湖への最後の上りは5%超で、かなりきついです。ずっと1、2%の上りが続いていただけに効きます。もうぐでんぐでん。
やっとの思いでダムサイトへ。駐車場は数台の自動車と多数のバイクで占められていました。自転車は一台もなく、ここでも何やら視線が集まっていた様な(笑)。気のせいならいいのですが。
展望台から見る草木湖は素晴らしい景色でした。紅葉こそ時期を過ぎていますが、湖の色が美しいです。これで紅葉がピークだったら最高でしょうね。もっともその時期は観光客もシャレにならない程いたかもしれませんが。(拡大可)
トイレを済ませ、ミネラルウォーターを補充。122号線北上再開。本当は草木湖東岸の343号線(沢入桐生線)を走りたかったのです。起伏はかなりありますが、主要道でない為自動車は少なく、山らしい静かで自然豊かな道が堪能できるはず。しかしより時間がかかる為、ここは我慢… しかし2.5kmも走ると自動車のプレッシャーに我慢がならず、草木橋を渡って対岸へ。
草木橋より見る草木湖。
草木湖岸343号線。
紅葉の名残。
車が通行しない…(喜) そーそー、こういう道が走りたくて遠くまで来ているのさ。とはいえ、東宮橋で122号線に復帰しなければ… わずか2kmちょっと。その先の沢入駅でも対岸の122号線に復帰できそうでしたが、安全の為東宮橋を渡ることにしました。そしてもうすぐ東宮橋という場所で…ががん。放し飼いの飼犬だか野犬が何かをくわえてこちらへやってきますorz 今日は三匹目か… 本当に昭和だ。幸い中型犬なので理性で恐怖を克服。というか、犬の方がこちらのビビりぶりを察知したのか道路から湖岸の方へ下りていきました。はう。今日は犬の当たり日だと思うと、この先の細尾峠が思いやられます。
わたらせ渓谷鐵道わたらせ渓谷線の笠松トンネル。わたらせ渓谷鐡道はとんでもない場所を走っていますね。すぐ下は渓流で、路線は森に飲み込まれそう。
そこからもただひたすら北上。ダウンジャケットが邪魔邪魔邪魔。暑くてたまりません。そしてここは18kmで400m程度の上り坂。勾配率は大したことがないのですが、とにかく長いのが堪えます。しかも何度かアップダウンがあって、せっかく上ったのが無駄になるのが精神的に辛いです。いくら漕いでも旧道入口に辿り着けず、長い峠道である細尾峠がもし非常に厳しい激坂だったら、峠に着く頃には日が暮れるのではないかと心配になってきました。さすがに暗い山道を走る気はありません。しかしここまでどろんどろんになりながらやってきて、それでいてUターンでは悲し過ぎます。そんなことになったら、絶望でベヘリットを使って守護天使を呼び出してしまいそう(意味不明)。
賽ノ子堆積場。
足尾の山々。禿げ?
足尾を通過しましたが、観光するには心も時間も余裕なし。雄大な山の景色を眺めて写真を撮るのが精一杯。
そして13:35頃、やっとの思いで旧道入口に到着。日暮れまであと3時間。微妙な時刻でした。
前述の走行ルート地図を開き、細尾峠辺りをご覧ください。直線の日足トンネルに対し、旧道はぐねぐね曲がっています。細尾峠の旧道はトンネル開通前には足尾と日光を結ぶ幹線道路でした。とても幹線道路とは思えない形状ですが(笑)。九十九折りは北西にあるいろは坂を思わせます。しかしこの旧道は歴史があり、その栄枯盛衰は人の一生の様です。以下、旧道入口に掲げられた細尾峠の説明文。
*****************************************************
足尾と日光の境に位置する細尾峠は、古くは日光山僧徒が峰修行の路として開いた。以後、足尾銅山の発見により往来が盛んになり、明治時代には銅山発展とともに道路を拡張し、峠に停場(とまりば)が設けられ荷物交換の行列で賑った。更に輸送拡大のため、明治23年(1890年)に日本最初の鉄索(てつさく)が峠の両側に架設されたが、「足尾鉄道」の開通により利用は減退した。昭和11年(1936年)に自動車道として改修され足尾の大幹線となったが、昭和53年(1978年)に待望の「日足トンネル」開通し静寂な峠となった。
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今はすっかり老いてしまいましたが、往時はブイブイ言わせていた人生だったのです(笑)。物悲しくも懐かしい、そんな歴史深い峠道です。
さて、走り出す前に恒例の写真撮影(笑)。「どれ、撮影するか」とミニ三脚を探すと…あらら、脚が一本根本から折れています。これだから安物は… 三回くらい使って500円でしたから、元は十分取れましたが(笑)。それはともかく、仕方がないので自転車のサドルにカメラを載せて撮影。自転車と一緒に撮影することはできなくなりましたが、アングルが高くなって写真が自然になりました。
それではと走り出すと、いきなりガレ場が。先が思いやられます。実際、右手の山肌には巨大な岩が沢山あります。岩に木が根を張って崩落を押しとどめているかの様です。しかしガレ場はここのみ。
緩やかなカーブを描きながら122号線に並走する旧道。ここでイヤなものを発見。犬がしたと思しき糞です。か、勘弁してよ。今日はもう三匹も出くわしているのです。シャレにならん。犬の当たり日なのです。これは対応しておいた方が良かろうと、道に落ちている石を数箇ポケットに。そして長さ60cm、直径3cmくらいの棒切れを拾いました。いざとなったら闘(や)ったると、臨戦態勢(^^;。何をしに遠くまで来ているのだろう…
そして入口から300mも進むと、いよいよ見た目に馬鹿げた道が現れます。
こ、これは…(笑) こんな道、誰が作ったんだ。いや、こんな道、誰が使うんだ。私だー(笑)。しかし写真中央辺りでガードレールは何本見えるんだ… 上の方に微かに写るガードレールは見えますか? 正解は4本。これがかつて大賑わいだった国道とは到底思えん。昔の方の苦労が忍ばれます。(拡大可)
さて、いざ出陣。武装もしているし、「出陣」という言葉がぴったり(笑)。ゆっくり確実に上り始めました。道は確かに急勾配ですが、すぐに反転する為精神衛生上は良いです。どこまで上るかはっきりわかりますから。
そして現れたのが、こいつだ!!
14%勾配標識。
14%坂。
出た出た出た(笑)。ゼロゼロマシンさんのブログで最近13%勾配の日記がありましたが、これは1%上回っています。あまりの急勾配の為、柱も傾いています(笑)。位置は地蔵坂の最上部付近。
さすがにこいつは手強いです。大血川林道の時は12%を経験しましたが、12%はきついけど上れない坂ではないです。ただ単に踏むのが大変なだけ。ところが14%になると、勾配率不明の浦山ダムでも経験しましたが、体があからさまに後方へ引っ張られる感じがします。巨人に体を捕まれ後方へ引っ張られる様な。そして前輪は浮き上がる感じ。こうなると重心が高くなるダンシングなんて不可能。ひたすら体を低く倒して体重を前輪にかけます。腰が酷く疲れますが、これでなんとか後方へ引っ張られる力に対抗できます。ただ幸いなことに、この14%勾配はさほど長く続きませんでした。ブラックホールの引力を脱し、普通の激坂モードへ。沢を巻いたりしてうねうねしますが、もはや峠は間近。
日足トンネルを横切った辺り。(拡大可)
寂れた峠にはぴったりな枯れた風景ですね。
峠間近で発見。旧道本人はまだ国道122号線で現役のつもりらしいです(笑)。
そして峠に到着。道路は広く舗装も完璧ですが、何もない… 峠の少し先に左右に登山道があり四駆が一台停っていましたが、人も動物も、いや鳥のさえずりさえない寂しい場所でした。不気味過ぎる… ま、野犬がいないだけいいですが(笑)。眺望も悪く魅力ない場所ですので、写真を撮ってすぐ撤退。食事は少しでも展望の開けた場所を探してしようと。
武装ヤンキー@細尾峠。片手に鉄パイプを持って、「おらおらおら」と言っています(嘘)。
不気味な峠を下りますが、大して進まないうちに展望には期待できないと確信。上りでもダメでしたし、下りも同じ様な調子でした。やむなく、道路右手に登山道らしきものが開けている小さな広場で食事。本日もカップラーメンとコーヒーです。それにしても全く無音の静寂さで不気味です。腰を下ろして食べる気にもなれず。食事中、細尾方面に向かった自動車が戻ってきました。その時は峠で忘れ物でもしたのかな程度に思いました。
さて、下り再開。非力なブレーキですが、一応調整はしておいたのでスピードさえ出さなければ大丈夫。ぐいぐい九十九折りを下りていきます。
杉林は日光らしいですが、道路に葉が散らかっていて走りにくいです。
ゲートで通行止めになっていました。私は自転車ですのでゲートの下を潜って通過しましたが、先ほど引き返した自動車はこれが原因ですね。でも足尾方面にはこんな看板なかったですし、ゲートなんてあったかな?(^^; 少なくとも乗り越えたり潜ったりはしていないので、ゲートがあったとしても開放されていたはず。両方で止めなければ意味がない様な… ついでに言えば、私がここで写真を撮っていると、足尾方面から来た自動車がゲートを開けて出て行きました(笑)。
ゲートを越え、更に走ると遂に旧道の終点です。あっという間に旧道を走り抜けてしまいました。それもそのはず、上り4km、下り8kmですからね。一部区間は確かに激坂ではありますが、あくまで全体の一部。しかもその全体がたった4kmなんですから、激坂の長さもしれたものです。平均勾配率も7%前後で、14%なんていう超激坂を除けば全体は緩やかな感じです。
旧道を抜けると一路日光へ。ここからは道幅も広く、そして下り坂の為、ペダルを漕がずとも楽々高速巡航。16時を過ぎていることもあり、かなり寒かったですけど。
観光客の乗用車で溢れる道路に掲げられた標識。とても動物なんて出てきそうにない賑わいぶりなんですけど。
そして日光橋に到着。東照宮が近いこともあり、多くの外国人客も含めて大賑わい。この時16時半で、既に薄暗くなりつつあったのですが。この観光客を見て、私は焦りました。帰りの電車、乗れるのだろうな… 猛烈な速度で東武日光駅へ。駅周辺も大賑わい。観光地の威力をまざまざと目にしました。これでは電車が心配で、とても食事をしている余裕がないです。駅前のお土産屋で蒸かしていた栗饅頭を二箇程食べ、お土産にも箱買いし、自転車を畳んで東武日光駅へ。そこで目にしたのは二両編成の浅草行き車両の大混雑ぶり… これは次の電車に乗れたとしても自転車を載せるのは無理かもしれない… 最悪日光宿泊を覚悟。そして時刻表を見ると、次の電車は一時間後… 先頭で電車に乗らないと自転車を置くスペースが確保できませんから、寒空の下、ホームで電車を待つ事に。ブログに愚痴を書き(笑)、暇潰し。しかし幸いな事に30分程で始発電車がやってきました。うまいこと自転車の置き場と座席を確保。出発時には大混雑でしたが、なんとか帰路につくことができました。
今回のポタリングは、最後は文章と同じく駆け足で走り抜けた感じです。出発が遅れたのが最後まで響きました。また、草木湖を除いて全体に眺望に恵まれず、旅としてはいまいちでした。激坂挑戦的にも正直いまいちです。どちらかと言うと、旧道に到着するまでの50kmの緩い上り坂の方が辛かった。呼吸等は問題ないのですが、とにかく長いので体全体が悲鳴をあげていました。自動車のストレスもきつかったですしね。とはいえ、歴史ある細尾峠も制覇しましたし、細尾峠で野犬に遭遇しませんでしたし(笑)、まずまずのポタリングだったと思います。