遅い夏休みということで、富士山に登ってきました。非体育系の私が富士山に登る気になるとは全く想定外(笑)。自転車趣味が私をとんでもない方向へ走らせたのでした。
さて、富士登山は富士宮口、吉田口、御殿場口、須走口とあるわけですが、膝に不安のある私は砂地を転がる様に楽に下りられる須走口を選択。富士宮口や吉田口より須走口五合目は自動車で到達できる標高が低めで余計に登らなければなわないわけですが、登山で厳しいのは膝に負担のかかる下山ですから、下山重視の選択は悪くはないはず。また富士宮口や吉田口より登山者が少ないというのも重要な要素でした。御来光の大行列とか、私にはとても考えられないです。それはともかく、この日の為に6月30日からジョギングを始め、多少体力は強化しておきました。
しかし…睡眠時間が1時間orz 4時間くらいは寝られるはずだったのですが、興奮して寝付けない(笑)。胃腸の調子もいまいちで、前夜と当日朝は飲むヨーグルトを2本ずつ飲んで対応。不安ではありますが、この機会を逃すと来年になってしまいます。自転車と同じパターンで、行ける所まで行くことに。家を出発したのは2時前でした。途中首都高速が工事で渋滞しており、どうも芳しくありません。
須走口のあざみラインを自動車で上ったのは初めてですが、車酔いしそうです。富士スバルラインと違って強烈な九十九折りに参りました。というか、こんな道路でヒルクライムは厳しい… どう見ても壁という場所もありましたし。
5時前に五合目の駐車場に着きましたが満車。シーズン終了間際の平日で満車ですか。というわけで、係員の指示に従い400m程戻った道路の端に駐車。ちなみに帰る時は1000m以上路駐でした。
5:05頃、自動車を出発。天気は良いのですが、さすがに標高2000mくらいあるので寒いです。トイレを済ませ、山荘前を通過。神社に手を合わせていよいよ登山開始。最初のうちは樹林帯を歩きます。気温は低いのですが、どんどん歩くと汗がだらだら出始めました。
それにしても前後数メートルに人がいないことがなく、休日だったらどうなってしまうのでしょう。登山ではたいてい挨拶を交わしますが、富士登山は人が多すぎです。いちいち挨拶していたらしんどすぎます。最初は体力が有り余っていてどんどん抜いて行ったので、挨拶しまくりでした。でも若い女性が多いのは華やかで良いですね。山ガールの存在って本当だったのね(笑)。
本五合目前。樹林帯を抜けると山頂が見えました。近くで見ると殺風景な山です…
06:38、六合目に到着。しっかり休もうとしたのですが、犬が繋がれていて精神的に休めませんorz
08:38、本七合目に到着。標高3140m。体がかなりしんどいです。エネルギーが足りないのかと思い、山小屋の見晴館で食事休憩。
09:07、再出発。ここから先は正直地獄(笑)。足が上がらないんですよ。腕の力はあるのでトレッキングポールに思い切り体を預け、病人の様に摺り足で前進。この辺りからブルドーザー道で、火星の様な荒れた大地みたいな砂礫道。埃は凄いし、雲のせいで下界は見えないしで、全然楽しくない(^^;。気分は奴隷です。足を鎖で繋がれ、無理矢理どこかに連れて行かれる感じ。
10:38、八合目に到着。自宅に生きている旨電話連絡。富士山に着く前に氷結生茶を買ったのですが、この時間でもほとんど融けませんでした。これは想定外。
11:23、九合目に到着。標高3600m。あと少しなのに、もう帰りたい気分(笑)。なんとか標高3640mまでは到達。しかしここからが難関でした。ここまでは摺り足で前進できたのですが、ここから岩場を登るんですね。小学生が登って行くのに、こちらは全然足が上がらないんですよorz 岩場の端で休憩したのですが、体力の限界なのか高山病なのか不明で、全く足が上がる気配がありません。標高であと130m。距離にすれば200〜400mくらいだと思いますが、数時間歩かねばならない下山のことも考えてここで断念。今考えるともう30分休んでも良かった気がしますが、この時は疲れたのと飽きたのが混ざった心境でしたね(笑)。
撤退地点より振り返る。雲がかかっていて、下界は全く見えません。
少しばかり登りの道を九合目まで逆走させてもらい、そこから豪快なブルドーザー下山道までの連絡路を少し登ることに(また登るのかい)。下山中は下界どころか登山道も霞んでしまいました。樹林帯ではないし道幅が広いので迷うことはないのですが、景色が全く見えないのは残念。
12:22、標高3600mからブルドーザー道をすいすい下り始めました。砂走りではないですが、この下りは楽ですねぇ。でも下の方では二回程滑って転びましたけど。冬山の滑落だったら楽々500mくらい転がりそう… ブルドーザー道が終わる頃、雲は晴れました。うーん、たぶん頂上に登っていても何も見えなかったですね。時間の巡り合わせが悪かったみたいです。お昼頃はダメなのかな。
さて、ここからはお楽しみの砂走り。足が砂にズボズボ沈むので、確かに衝撃が少ないので足が楽です。100%砂なら危険はないですが、岩も混じっているので軽い走り程度で下ってみました。途中子供二人を連れたご夫婦を前方に発見。小学生らしい女の子が楽しそうに何度もわざと転がっていて笑っちゃいました。「わんぱくでもいい、たくましく育って欲しい」という感じでしょうか(笑)。
14:40、砂払五合目に到着。標高2230m。ペットボトルを買い、一休み。でもここから先は樹林帯なので膝に負担がかかる下りです。
15:23、五合目に到着。標高1970m。山小屋で饅頭だかを食べ、お土産も購入。
15:40、自動車に戻りました。砂を払い、着替え。下りに3時間くらいかかってますが、それだけ歩けたということは高山病だったんですかねぇ。単なる睡眠不足の体調不良と思いたいんですが。
あざみラインを自動車で下りますが、ブレーキパッドが焼けないか心配になる勾配でした。自転車での下りもかなり危ないですね、ここは。その後は山中湖の紅富士の湯へ。疲れた体を癒し、富士山一周サイクリングで気に入ったお菓子「富士山の石ころ」を購入(笑)。中央自動車道をぶっ飛ばして帰宅しました。
須走口登山ルート標高図。砂走りのある下山ルートの方が急勾配ですね。
須走口登山ルート。赤線が登り、黄線が下り、水色が富士あさみラインです。あざみラインの上の方はターンの連続で大変。空気も薄いのに、私が自転車で上れるとは思えないです(笑)。
須走口登山ルート拡大。山頂まで本当にほんの僅かなんですよねぇ… 高山病でなければ、体調さえ整えれば登れるはずです。高山病だけは個人差があるのでなんともならないですけど。
登山初心者なりにジョギングで体力強化を図ったり、スパッツやマスクを買ったりと準備はしたつもりでした。ただ興奮から前夜寝られなかったのは誤算。自転車なら誤摩化しが利きますが、登山では致命的でした。さすがに16km歩き、1700mも登るとなると体調が万全でないときついです。また、最初のうちのペースが早すぎたかもしれません。高山に体が慣れる為には最初のうちはゆっくり登らないとダメですね。
雲のせいで景色は見えないし、登山道は殺風景な砂利道だしで、今回の登山はぱっとしませんでした。山頂に到達できれば全て御の字だったのでしょうけどね。リベンジを考えていますが、正直言って富士山は登るより遠くから眺めている方が綺麗だと思いました(笑)。