走行距離 113km(うち36km程度は自宅-池袋の往復)
使用車種 KHS F20-R
サイクルコンピューターをなくした為、走行データ不明です。走行距離はALPSLAB routeで作った「西武秩父駅から赤沢出合へ」で表示される距離38.4km、自宅池袋間の18km、その両者の往復分から推定したものです。
今年の自転車生活で大きく変化したことは、輪行を始めて山を走り出したこと。輪行にはだいぶ前から憧れていて、それ故にF20-Rを買ったわけですが、山に行くという考えはありませんでした。横浜とか鎌倉とか、せいぜい三浦半島を想定していました。ところが荒川サイクリングロード走行から荒川源流探しに憧れ、輪行二回目にしていきなり秩父へ。暑さと激坂に悩まされながらも、初めての体験に心躍りました。峰が連なる秩父の山々は本当に美しく、すっかり魅了されてしまいました。
さて、そんな今年を締めくくるには、やはり秩父の山しかないでしょう(笑)。特に荒川源流探しの旅はまだ達成していません。一度目は秩父湖に行くのがやっとで、入川林道まで辿り着けず。二度目は入川林道には入れたものの、入川谷登山口を少し進んだ登山道が台風の影響で崩落しており断念。秩父の道は多少経験を積みましたし、標高1500mの赤城山アタックで激坂への体力もそこそこ対応。三度目の正直にして悲願を達成して今年を締めくくるつもりでした。
行くにあたり戒めたのは、目的を一つに絞ること。一度目の秩父では寄り道のはずの秩父さくら湖でほとんど時間を取られてしまいました。桐生・日光、赤城山での出発の遅れや乗り換えの失敗から来る時間の逼迫にはこりごり。そんなわけで、とにかく悲願達成最優先としました。
前日床についたのは11:10頃。目覚ましを2:40にセット。しかし気合いが違います。アラームが鳴るより前、2:20には自然に目覚めました。遠足の日の子供か!!(笑) 出だしが快調ならその後も順調。池袋からの始発電車で発ち、6:54には西武秩父駅へ。トイレ等を済ませ、7:20に走行開始。
この日の秩父も恐ろしく寒く、街は霜で真っ白。ダウンジャケットをしっかり着込んで走っているのに、汗がさっぱり出てきません。出てくるのは鼻水ばかり(笑)。しかし途中で写真撮影をしないおかげで予定より早い進行。
凍りついた紅葉の残骸。
二枚とも道の駅大滝温泉前にて。ここは日陰のせいか、寒さが一段と厳しいです。走ってきた道を振り返っての撮影ですが、寒々しいですね。
二瀬ダム直前の上りにて。三国建設辺りの九十九折りと秩父の山並み。この風景ともしばらくお別れ。(拡大可)
9:10頃、秩父湖ドライブイン到着。トイレを済ませ、ミネラルウォーターを確保。予定より早い進行に安心し、湖畔で軽く食事兼休憩。湖畔には無料開放のログハウスが新たに出来ていました。しかし使用時間は9:30からの為、今回は中を見る事は叶いませんでした。そして9:30に再スタート。
荒川吊り橋。RICOHのデジカメ不調と時間節約の為、吊り橋動画撮影はなし。来年こそ秩父湖畔の落石注意道を歩いてみたい。(拡大可)
秩父湖ではボートを出して釣りをする人がいました。自転車漕いでいる私ですら寒いのに、彼らは寒くないのかな… 因みに一人の方は帰りの14:00にもまだ釣りをしていました(^^;。
10:05に川又(川俣)に到着。この日は東京大学の学生による演習があるらしく、東京大学演習林と記されたマイクロバス二台が川又の駐車場に停まり、宿舎に30人程度の学生が入っていきました。たぶん彼らは矢竹沢の方に向かうと思われますが、誰もいないよりは心強いです(笑)。
で、入川林道に突撃。
陽射しがある場所は暖かいです。この辺は寂れた山道という風景。
しかし日陰は寒いです。前回は余裕がなくて気づかなかったのですが、ガードレールが森林鉄道の軌道を流用しています。
夕暮れキャンプ場近くで記念撮影していると、マイクロバス二台と乗用車一台が抜いていきました。この寒いのにこんなところに自転車で来るなんて酔狂なおっさんと思ったでしょうねぇ(笑)。
営業していない夕暮れキャンプ場を過ぎるとトイレが新設されていました。バリヤフリーでとても立派。って、こんな所に車椅子の方も来られるのかしら(^^;。
入川の穏やかな流れ。但し撮影は帰路にて。
これまた営業していない管理釣場を過ぎ、いよいよ東大演習林の中へ。しかし発砲注意って(^^;。どうやって注意せーちゅーんじゃ。
本当に寂しい林道です。森の熊さんでもいいから出ておいで。
ガードレールもなくなる頃、入川谷登山口へ到着。時刻は10:55。右手は急角度の上り坂で矢竹沢方面へ。そしてゲートで止められている左手は一旦急角度で下り、入川沿いに十文字峠等へ向かいます。なお、この写真は帰りに撮影したものです。心なしか余裕が見られます(笑)。
ゲートではホイと自転車を投げる様に反対側に渡します。そして念の為に熊除けの鈴を装備(笑)。
前回通行を諦めた個所です。今回はしっかり修復されていました。この道はたぶん林業に使われておらず産業的には無価値ですが、登山路としては重要ですのでやはり補修されますね。ただ他の地面は乾いているのにここは若干濡れていて、根本的に崩れやすい場所の様です。
1km程進むと、冬期通行止め(12月中旬から4月上旬)の立て札がありました。そして森林軌道跡を発見。ミニサイズの車両なので、軌道も細いです。
東京大学演習林軌道
1984年に運用終了だそうですから、もう20年以上経過しています。赤沢出合より上部の軌道は1969年廃止で更に古いです。この場所の軌道は建設資材運搬の為に1983年から一時的に敷設されたもので、かつて林業に使われていたものとは別物と思われます。
先程の写真ではカーブの部分に法面がありません。その理由はこれ(笑)。沢と言うより見事な土砂崩れ。
そしてそんな土砂崩れを受けては軌道等ひとたまりもなく、こんな感じに落ちてしまいます。ここは何度も修復されている道でしょうね。
しかしそれ以外では意外に石垣が綺麗に残っています。
荒川源流探しというより鉄道マニアみたいになっていますが、まぁ他に見所がないのでご容赦を(笑)。
お、ポイント発見。ここは結構幅が広く、行き違いの為の退避設備なのかも。
枕木が見えます。20年経過しても意外に残るものなんですねぇ。
ひえー、恐っ。これじゃGPSが電波をキャッチできるわけがない(笑)。
石垣の法面崩れ。巨岩の方が道路の維持には良いんですね(笑)。
急峻な山肌からちょろちょろ流れる沢。谷の反対側には沢と言うより滝があって、かなりの高度から水が落ちていました。枯れ木が邪魔で撮影できないんですが。きっと新緑になっても撮れないと思います(笑)。沢を遡上すれば見えるかもしれません。でもそれじゃ沢屋だしなぁ(笑)。(拡大可)
標高800mを記す標識。頭に苔むしちゃって、なんだか可愛らしいです。
切り通し。この岩を掘削して開通したんですよねぇ… とてつもない大仕事。(拡大可)
日陰で一日中氷点下なんでしょう。葉や茎を核に、ちょろちょろかかる水滴が少しずつ氷として成長。面白い形の氷になっています。
冬で山は乾燥していますが、所々で見られる湧き水に心癒されます。
なんて思っていると、川を堰き止める人工物発見。川の反対側には建物が、そして登山道には小型のユンボが停めてあります。東京発電株式会社という東京電力の子会社が発電をしている様です。ここで取水している為、入川の下流は流れが穏やかと言うか弱々しいわけですね。と同時に、登山道が修復された理由がわかりました。ちゃんと産業的に必要なわけです。
堰を過ぎると水量も増え力強いです。荒川源流パワーです(笑)。
なんて感動していると、登山道がいきなり荒れまくりです。MTBでも走れないでしょう。時刻は12:05。
自転車を停め、少し岩場を歩いてみました。落ち葉が道を覆っていて、道が一体どうなっているかわかりません。奥に見える法面は健在で、ここさえ越えれば赤沢出合に到着できそうです。GPSは電波障害で位置が安定しませんが、赤沢出合まで100か200mという所です。ここは是非とも越えたい。自転車を置いてでも行ってみたい。
しかし写真の手前の部分は法面の石垣が崩れた様に見えます。途中の枯れ葉の山もただ単に路面を覆っているのではなく、法面が崩れて、崩れた土砂の上に枯れ葉が堆積している感じです。考えた末、枯れ葉の上を二、三歩慎重に歩いてみました。そして石垣崩れの可能性のある場所でストップ。枯れ葉を掘り始めます。枯れ葉の堆積と路面状態を確認する為です。なんか枯れ葉が50cmくらい積もっているんですけど(^^;。路面が出てきたので、手で押してみました。ずぶずぶずぶ… あらら。やはり石垣が崩れて堆積している様です。枯れ葉がなければ崩れた路面でも歩く場所を探せるでしょう。しかし枯れ葉で覆われていては足の踏み場がわかりません。君子危うきに近寄らずというわけで、すぐに後退。後退の足がずぶずぶと枯れ葉の中に潜ります。ひえー。もう少し進んだ所から掘っていたら危なかったかも。
うーん。崩れていると思しき距離は40mくらいでしょうか。非常に惜しい。登山なら斜面を巻いたり、一旦入川に下りるという手段がありますが、私はハイキングレベルの装備。それに斜面にも枯れ葉が堆積しているので、崩れる危険性があります。前回入川谷登山道入口の崩落で前に進めませんでしたが、今回はきちんと補修されていました。とすれば今回急いで危険を冒さないでも、次回はここも補修され、楽に進める可能性は高いです。それにできれば赤沢出合には相棒のF20-Rと一緒に行きたい。これらを勘案し、今回はここで諦めることにしました。
赤沢出合直前で残念撮影会。胸のボタンに熊除けの鈴が着いています。もう少し上に着けたら犬ですな(笑)。
撮影が済むと、力強い入川の流れを眺めながら食事をしました。枯れ葉が多いので火事には気をつけて。そして入川を見ながらコーヒーを飲んでまったり。山はすっかり枯れ果て、熊も出そうにありませんでしたし(笑)。
そして最後まで赤沢出合への想いを引きずりながら、12:45に撤収開始。
凄い岩だ…(拡大可)
森林鉄道のつもりになったF20-R。それにしても軌道が狭いなぁ。
帰路は下りなので、ほぼ歩きとはいえ早いです。撮影もほとんどしないですし。13:30には入川谷登山口に到着。45分くらいですね。ここでゆっくり撮影会。そして山々に大声でお別れ。来春の再会を約しつつ。
東大演習林入口。来春来る時は新緑で迎えてくれるでしょう。
14:00に川又到着。結局入川林道に入ってすぐ私を追い越したマイクロバス以外、約4時間、全く人に出会う事はありませんでした(笑)。しかし寒くはありましたが天気は良く、穏やかなハイキングを楽しめました。暑い季節より楽ですね。
川又には扇家山荘という宿泊施設があり、定食も営業中の看板あり。以前から目をつけていたんですけど、今回は思いきって入ってみましたが……営業していないとのこと(^^;。やはりシーズンだけの営業なのかな。って、前回来た時はシーズンでしたが、営業している雰囲気がなかったですが(笑)。どうなってるんだろう。ここで軽く食事しながらブログに報告しようと思ったのですが、思惑が外れたのですぐに撤退。
往路と同じ道をどんどん下ります。二瀬ダムには予定より50分早く到着。気を良くして、道の駅大滝温泉にて入湯(笑)。まだ下りがあるのですが、面倒になったらバスで駅まで輪行しようかと。大滝温泉の遊湯館は荒川に面しており、風呂から荒川が見えます。とても良い景色。そして温泉の湯は肌をつるつるにします。ただお風呂は岩風呂と桧風呂の二種類ありますが、どちらも浴槽の周囲が違うだけでした。水風呂とかサウナとかいろいろあると長く楽しめるんですけど、これではちょっと無理。長居できないなら帰りも走ろうと、40分くらいであがりました。湯冷めで風邪をひくかと心配だったんですけど、むしろここで体を暖めておいて正解でした。本来なら寒さに震える下り坂でもダウンジャケットが風呂の熱気を逃がさず、体がほかほかで快適に下る事が出来ました。
道の駅大滝温泉
温泉に入ったので予定より遅れ、街中に入る頃には真っ暗でした。しかし山の中と違って車が多く通る場所ですので、もう問題なし。
特に食事は考えていなかったので、またかよの安田屋へ。17:05。わらじカツ丼(2枚)900円也。食後満腹感に浸っていると、おばちゃんが「量が多いでしょう。でも肉体労働する方には好評なんですよ」と言います。「あ、大丈夫です。肉体労働してきましたから」と応える私(笑)。私が自転車乗りなのがわかっており、「秩父はどこから来るにも峠を越えなければならず、先日は本庄から来た人もいたんですよ」とおばちゃん。あの~、私は峠自体を走る為に東京の東の果てからやってきているんですけど(笑)。
食事を済ませ、西武秩父駅へ向かいます。西武秩父駅では電車が20分後に発車します。いつになくナイスタイミング。が、ここで問題発見。サイクルコンピューターがない… あれ? あれれ? サイコンが落ちるなんて考えられません。これは安田屋に置き忘れたかと、路面を確認しながら安田屋へ戻ります。しかし安田屋にはなし。だいたいGPSを自転車に着ける際、サイコンとライトにGPSの紐を巻き付けるのです。GPSが着けてある以上、サイコンを着けていないわけがない… うーん。再び西武秩父駅へ戻ります。サイコン自体は惜しくないのですが、今日のデータが惜しい。しかしないものはない。諦めて帰宅となりました。
というわけで、残念ながら今回も赤沢出合に到達できず。悲願達成ならず。まぁまたお楽しみが残ったということにしましょう。来年はそれこそF20-Rを担いで柳小屋まで行っちゃいますかー ←もはやサイクリングでもポタリングでもハイキングでも登山でもない。ただの変態(笑)。
悲願は達成できませんでしたが、この数ヶ月の成果は満足です。危うい様に見えますが、一回目の崩落現場は引き返していますし、今回も自分なりに良い判断で引き返せています。1500m級の赤城山も上れましたし、順調に経験値を上げることができました。あとは山の斜面を自転車を抱えて登る(←ここでは「登る」)レベルを目指したいと思います ←だからそれはサイクリングじゃないって(笑)
所要経費
西武鉄道 西武池袋駅⇔西武秩父駅 750円×2
以下、入川林道GPSデータ。
データを綺麗に修正しましたが(拡大可)、
実際はこんなもん(笑)。酷い荒れようですね。入川谷というくらいで谷底を走りますので、空が一直線しか開けていません。補足できる衛星が直列で笑えました。(拡大可)
走行ルート標高図。真冬に標高900メートルはやり過ぎでした。(拡大可)
使用車種 KHS F20-R
サイクルコンピューターをなくした為、走行データ不明です。走行距離はALPSLAB routeで作った「西武秩父駅から赤沢出合へ」で表示される距離38.4km、自宅池袋間の18km、その両者の往復分から推定したものです。
今年の自転車生活で大きく変化したことは、輪行を始めて山を走り出したこと。輪行にはだいぶ前から憧れていて、それ故にF20-Rを買ったわけですが、山に行くという考えはありませんでした。横浜とか鎌倉とか、せいぜい三浦半島を想定していました。ところが荒川サイクリングロード走行から荒川源流探しに憧れ、輪行二回目にしていきなり秩父へ。暑さと激坂に悩まされながらも、初めての体験に心躍りました。峰が連なる秩父の山々は本当に美しく、すっかり魅了されてしまいました。
さて、そんな今年を締めくくるには、やはり秩父の山しかないでしょう(笑)。特に荒川源流探しの旅はまだ達成していません。一度目は秩父湖に行くのがやっとで、入川林道まで辿り着けず。二度目は入川林道には入れたものの、入川谷登山口を少し進んだ登山道が台風の影響で崩落しており断念。秩父の道は多少経験を積みましたし、標高1500mの赤城山アタックで激坂への体力もそこそこ対応。三度目の正直にして悲願を達成して今年を締めくくるつもりでした。
行くにあたり戒めたのは、目的を一つに絞ること。一度目の秩父では寄り道のはずの秩父さくら湖でほとんど時間を取られてしまいました。桐生・日光、赤城山での出発の遅れや乗り換えの失敗から来る時間の逼迫にはこりごり。そんなわけで、とにかく悲願達成最優先としました。
前日床についたのは11:10頃。目覚ましを2:40にセット。しかし気合いが違います。アラームが鳴るより前、2:20には自然に目覚めました。遠足の日の子供か!!(笑) 出だしが快調ならその後も順調。池袋からの始発電車で発ち、6:54には西武秩父駅へ。トイレ等を済ませ、7:20に走行開始。
この日の秩父も恐ろしく寒く、街は霜で真っ白。ダウンジャケットをしっかり着込んで走っているのに、汗がさっぱり出てきません。出てくるのは鼻水ばかり(笑)。しかし途中で写真撮影をしないおかげで予定より早い進行。
凍りついた紅葉の残骸。
二枚とも道の駅大滝温泉前にて。ここは日陰のせいか、寒さが一段と厳しいです。走ってきた道を振り返っての撮影ですが、寒々しいですね。
二瀬ダム直前の上りにて。三国建設辺りの九十九折りと秩父の山並み。この風景ともしばらくお別れ。(拡大可)
9:10頃、秩父湖ドライブイン到着。トイレを済ませ、ミネラルウォーターを確保。予定より早い進行に安心し、湖畔で軽く食事兼休憩。湖畔には無料開放のログハウスが新たに出来ていました。しかし使用時間は9:30からの為、今回は中を見る事は叶いませんでした。そして9:30に再スタート。
荒川吊り橋。RICOHのデジカメ不調と時間節約の為、吊り橋動画撮影はなし。来年こそ秩父湖畔の落石注意道を歩いてみたい。(拡大可)
秩父湖ではボートを出して釣りをする人がいました。自転車漕いでいる私ですら寒いのに、彼らは寒くないのかな… 因みに一人の方は帰りの14:00にもまだ釣りをしていました(^^;。
10:05に川又(川俣)に到着。この日は東京大学の学生による演習があるらしく、東京大学演習林と記されたマイクロバス二台が川又の駐車場に停まり、宿舎に30人程度の学生が入っていきました。たぶん彼らは矢竹沢の方に向かうと思われますが、誰もいないよりは心強いです(笑)。
で、入川林道に突撃。
陽射しがある場所は暖かいです。この辺は寂れた山道という風景。
しかし日陰は寒いです。前回は余裕がなくて気づかなかったのですが、ガードレールが森林鉄道の軌道を流用しています。
夕暮れキャンプ場近くで記念撮影していると、マイクロバス二台と乗用車一台が抜いていきました。この寒いのにこんなところに自転車で来るなんて酔狂なおっさんと思ったでしょうねぇ(笑)。
営業していない夕暮れキャンプ場を過ぎるとトイレが新設されていました。バリヤフリーでとても立派。って、こんな所に車椅子の方も来られるのかしら(^^;。
入川の穏やかな流れ。但し撮影は帰路にて。
これまた営業していない管理釣場を過ぎ、いよいよ東大演習林の中へ。しかし発砲注意って(^^;。どうやって注意せーちゅーんじゃ。
本当に寂しい林道です。森の熊さんでもいいから出ておいで。
ガードレールもなくなる頃、入川谷登山口へ到着。時刻は10:55。右手は急角度の上り坂で矢竹沢方面へ。そしてゲートで止められている左手は一旦急角度で下り、入川沿いに十文字峠等へ向かいます。なお、この写真は帰りに撮影したものです。心なしか余裕が見られます(笑)。
ゲートではホイと自転車を投げる様に反対側に渡します。そして念の為に熊除けの鈴を装備(笑)。
前回通行を諦めた個所です。今回はしっかり修復されていました。この道はたぶん林業に使われておらず産業的には無価値ですが、登山路としては重要ですのでやはり補修されますね。ただ他の地面は乾いているのにここは若干濡れていて、根本的に崩れやすい場所の様です。
1km程進むと、冬期通行止め(12月中旬から4月上旬)の立て札がありました。そして森林軌道跡を発見。ミニサイズの車両なので、軌道も細いです。
東京大学演習林軌道
1984年に運用終了だそうですから、もう20年以上経過しています。赤沢出合より上部の軌道は1969年廃止で更に古いです。この場所の軌道は建設資材運搬の為に1983年から一時的に敷設されたもので、かつて林業に使われていたものとは別物と思われます。
先程の写真ではカーブの部分に法面がありません。その理由はこれ(笑)。沢と言うより見事な土砂崩れ。
そしてそんな土砂崩れを受けては軌道等ひとたまりもなく、こんな感じに落ちてしまいます。ここは何度も修復されている道でしょうね。
しかしそれ以外では意外に石垣が綺麗に残っています。
荒川源流探しというより鉄道マニアみたいになっていますが、まぁ他に見所がないのでご容赦を(笑)。
お、ポイント発見。ここは結構幅が広く、行き違いの為の退避設備なのかも。
枕木が見えます。20年経過しても意外に残るものなんですねぇ。
ひえー、恐っ。これじゃGPSが電波をキャッチできるわけがない(笑)。
石垣の法面崩れ。巨岩の方が道路の維持には良いんですね(笑)。
急峻な山肌からちょろちょろ流れる沢。谷の反対側には沢と言うより滝があって、かなりの高度から水が落ちていました。枯れ木が邪魔で撮影できないんですが。きっと新緑になっても撮れないと思います(笑)。沢を遡上すれば見えるかもしれません。でもそれじゃ沢屋だしなぁ(笑)。(拡大可)
標高800mを記す標識。頭に苔むしちゃって、なんだか可愛らしいです。
切り通し。この岩を掘削して開通したんですよねぇ… とてつもない大仕事。(拡大可)
日陰で一日中氷点下なんでしょう。葉や茎を核に、ちょろちょろかかる水滴が少しずつ氷として成長。面白い形の氷になっています。
冬で山は乾燥していますが、所々で見られる湧き水に心癒されます。
なんて思っていると、川を堰き止める人工物発見。川の反対側には建物が、そして登山道には小型のユンボが停めてあります。東京発電株式会社という東京電力の子会社が発電をしている様です。ここで取水している為、入川の下流は流れが穏やかと言うか弱々しいわけですね。と同時に、登山道が修復された理由がわかりました。ちゃんと産業的に必要なわけです。
堰を過ぎると水量も増え力強いです。荒川源流パワーです(笑)。
なんて感動していると、登山道がいきなり荒れまくりです。MTBでも走れないでしょう。時刻は12:05。
自転車を停め、少し岩場を歩いてみました。落ち葉が道を覆っていて、道が一体どうなっているかわかりません。奥に見える法面は健在で、ここさえ越えれば赤沢出合に到着できそうです。GPSは電波障害で位置が安定しませんが、赤沢出合まで100か200mという所です。ここは是非とも越えたい。自転車を置いてでも行ってみたい。
しかし写真の手前の部分は法面の石垣が崩れた様に見えます。途中の枯れ葉の山もただ単に路面を覆っているのではなく、法面が崩れて、崩れた土砂の上に枯れ葉が堆積している感じです。考えた末、枯れ葉の上を二、三歩慎重に歩いてみました。そして石垣崩れの可能性のある場所でストップ。枯れ葉を掘り始めます。枯れ葉の堆積と路面状態を確認する為です。なんか枯れ葉が50cmくらい積もっているんですけど(^^;。路面が出てきたので、手で押してみました。ずぶずぶずぶ… あらら。やはり石垣が崩れて堆積している様です。枯れ葉がなければ崩れた路面でも歩く場所を探せるでしょう。しかし枯れ葉で覆われていては足の踏み場がわかりません。君子危うきに近寄らずというわけで、すぐに後退。後退の足がずぶずぶと枯れ葉の中に潜ります。ひえー。もう少し進んだ所から掘っていたら危なかったかも。
うーん。崩れていると思しき距離は40mくらいでしょうか。非常に惜しい。登山なら斜面を巻いたり、一旦入川に下りるという手段がありますが、私はハイキングレベルの装備。それに斜面にも枯れ葉が堆積しているので、崩れる危険性があります。前回入川谷登山道入口の崩落で前に進めませんでしたが、今回はきちんと補修されていました。とすれば今回急いで危険を冒さないでも、次回はここも補修され、楽に進める可能性は高いです。それにできれば赤沢出合には相棒のF20-Rと一緒に行きたい。これらを勘案し、今回はここで諦めることにしました。
赤沢出合直前で残念撮影会。胸のボタンに熊除けの鈴が着いています。もう少し上に着けたら犬ですな(笑)。
撮影が済むと、力強い入川の流れを眺めながら食事をしました。枯れ葉が多いので火事には気をつけて。そして入川を見ながらコーヒーを飲んでまったり。山はすっかり枯れ果て、熊も出そうにありませんでしたし(笑)。
そして最後まで赤沢出合への想いを引きずりながら、12:45に撤収開始。
凄い岩だ…(拡大可)
森林鉄道のつもりになったF20-R。それにしても軌道が狭いなぁ。
帰路は下りなので、ほぼ歩きとはいえ早いです。撮影もほとんどしないですし。13:30には入川谷登山口に到着。45分くらいですね。ここでゆっくり撮影会。そして山々に大声でお別れ。来春の再会を約しつつ。
東大演習林入口。来春来る時は新緑で迎えてくれるでしょう。
14:00に川又到着。結局入川林道に入ってすぐ私を追い越したマイクロバス以外、約4時間、全く人に出会う事はありませんでした(笑)。しかし寒くはありましたが天気は良く、穏やかなハイキングを楽しめました。暑い季節より楽ですね。
川又には扇家山荘という宿泊施設があり、定食も営業中の看板あり。以前から目をつけていたんですけど、今回は思いきって入ってみましたが……営業していないとのこと(^^;。やはりシーズンだけの営業なのかな。って、前回来た時はシーズンでしたが、営業している雰囲気がなかったですが(笑)。どうなってるんだろう。ここで軽く食事しながらブログに報告しようと思ったのですが、思惑が外れたのですぐに撤退。
往路と同じ道をどんどん下ります。二瀬ダムには予定より50分早く到着。気を良くして、道の駅大滝温泉にて入湯(笑)。まだ下りがあるのですが、面倒になったらバスで駅まで輪行しようかと。大滝温泉の遊湯館は荒川に面しており、風呂から荒川が見えます。とても良い景色。そして温泉の湯は肌をつるつるにします。ただお風呂は岩風呂と桧風呂の二種類ありますが、どちらも浴槽の周囲が違うだけでした。水風呂とかサウナとかいろいろあると長く楽しめるんですけど、これではちょっと無理。長居できないなら帰りも走ろうと、40分くらいであがりました。湯冷めで風邪をひくかと心配だったんですけど、むしろここで体を暖めておいて正解でした。本来なら寒さに震える下り坂でもダウンジャケットが風呂の熱気を逃がさず、体がほかほかで快適に下る事が出来ました。
道の駅大滝温泉
温泉に入ったので予定より遅れ、街中に入る頃には真っ暗でした。しかし山の中と違って車が多く通る場所ですので、もう問題なし。
特に食事は考えていなかったので、またかよの安田屋へ。17:05。わらじカツ丼(2枚)900円也。食後満腹感に浸っていると、おばちゃんが「量が多いでしょう。でも肉体労働する方には好評なんですよ」と言います。「あ、大丈夫です。肉体労働してきましたから」と応える私(笑)。私が自転車乗りなのがわかっており、「秩父はどこから来るにも峠を越えなければならず、先日は本庄から来た人もいたんですよ」とおばちゃん。あの~、私は峠自体を走る為に東京の東の果てからやってきているんですけど(笑)。
食事を済ませ、西武秩父駅へ向かいます。西武秩父駅では電車が20分後に発車します。いつになくナイスタイミング。が、ここで問題発見。サイクルコンピューターがない… あれ? あれれ? サイコンが落ちるなんて考えられません。これは安田屋に置き忘れたかと、路面を確認しながら安田屋へ戻ります。しかし安田屋にはなし。だいたいGPSを自転車に着ける際、サイコンとライトにGPSの紐を巻き付けるのです。GPSが着けてある以上、サイコンを着けていないわけがない… うーん。再び西武秩父駅へ戻ります。サイコン自体は惜しくないのですが、今日のデータが惜しい。しかしないものはない。諦めて帰宅となりました。
というわけで、残念ながら今回も赤沢出合に到達できず。悲願達成ならず。まぁまたお楽しみが残ったということにしましょう。来年はそれこそF20-Rを担いで柳小屋まで行っちゃいますかー ←もはやサイクリングでもポタリングでもハイキングでも登山でもない。ただの変態(笑)。
悲願は達成できませんでしたが、この数ヶ月の成果は満足です。危うい様に見えますが、一回目の崩落現場は引き返していますし、今回も自分なりに良い判断で引き返せています。1500m級の赤城山も上れましたし、順調に経験値を上げることができました。あとは山の斜面を自転車を抱えて登る(←ここでは「登る」)レベルを目指したいと思います ←だからそれはサイクリングじゃないって(笑)
所要経費
西武鉄道 西武池袋駅⇔西武秩父駅 750円×2
以下、入川林道GPSデータ。
データを綺麗に修正しましたが(拡大可)、
実際はこんなもん(笑)。酷い荒れようですね。入川谷というくらいで谷底を走りますので、空が一直線しか開けていません。補足できる衛星が直列で笑えました。(拡大可)
走行ルート標高図。真冬に標高900メートルはやり過ぎでした。(拡大可)