2007年12月8日土曜日

2007/12/08 西武秩父⇔赤沢出合

走行距離 113km(うち36km程度は自宅-池袋の往復)
使用車種 KHS F20-R

 サイクルコンピューターをなくした為、走行データ不明です。走行距離はALPSLAB routeで作った「西武秩父駅から赤沢出合へ」で表示される距離38.4km、自宅池袋間の18km、その両者の往復分から推定したものです。



 今年の自転車生活で大きく変化したことは、輪行を始めて山を走り出したこと。輪行にはだいぶ前から憧れていて、それ故にF20-Rを買ったわけですが、山に行くという考えはありませんでした。横浜とか鎌倉とか、せいぜい三浦半島を想定していました。ところが荒川サイクリングロード走行から荒川源流探しに憧れ、輪行二回目にしていきなり秩父へ。暑さと激坂に悩まされながらも、初めての体験に心躍りました。峰が連なる秩父の山々は本当に美しく、すっかり魅了されてしまいました。

 さて、そんな今年を締めくくるには、やはり秩父の山しかないでしょう(笑)。特に荒川源流探しの旅はまだ達成していません。一度目は秩父湖に行くのがやっとで、入川林道まで辿り着けず。二度目は入川林道には入れたものの、入川谷登山口を少し進んだ登山道が台風の影響で崩落しており断念。秩父の道は多少経験を積みましたし、標高1500mの赤城山アタックで激坂への体力もそこそこ対応。三度目の正直にして悲願を達成して今年を締めくくるつもりでした。

 行くにあたり戒めたのは、目的を一つに絞ること。一度目の秩父では寄り道のはずの秩父さくら湖でほとんど時間を取られてしまいました。桐生・日光、赤城山での出発の遅れや乗り換えの失敗から来る時間の逼迫にはこりごり。そんなわけで、とにかく悲願達成最優先としました。

 前日床についたのは11:10頃。目覚ましを2:40にセット。しかし気合いが違います。アラームが鳴るより前、2:20には自然に目覚めました。遠足の日の子供か!!(笑) 出だしが快調ならその後も順調。池袋からの始発電車で発ち、6:54には西武秩父駅へ。トイレ等を済ませ、7:20に走行開始。

 この日の秩父も恐ろしく寒く、街は霜で真っ白。ダウンジャケットをしっかり着込んで走っているのに、汗がさっぱり出てきません。出てくるのは鼻水ばかり(笑)。しかし途中で写真撮影をしないおかげで予定より早い進行。





 凍りついた紅葉の残骸。

 二枚とも道の駅大滝温泉前にて。ここは日陰のせいか、寒さが一段と厳しいです。走ってきた道を振り返っての撮影ですが、寒々しいですね。



 二瀬ダム直前の上りにて。三国建設辺りの九十九折りと秩父の山並み。この風景ともしばらくお別れ。(拡大可)

 9:10頃、秩父湖ドライブイン到着。トイレを済ませ、ミネラルウォーターを確保。予定より早い進行に安心し、湖畔で軽く食事兼休憩。湖畔には無料開放のログハウスが新たに出来ていました。しかし使用時間は9:30からの為、今回は中を見る事は叶いませんでした。そして9:30に再スタート。



 荒川吊り橋。RICOHのデジカメ不調と時間節約の為、吊り橋動画撮影はなし。来年こそ秩父湖畔の落石注意道を歩いてみたい。(拡大可)

 秩父湖ではボートを出して釣りをする人がいました。自転車漕いでいる私ですら寒いのに、彼らは寒くないのかな… 因みに一人の方は帰りの14:00にもまだ釣りをしていました(^^;。

 10:05に川又(川俣)に到着。この日は東京大学の学生による演習があるらしく、東京大学演習林と記されたマイクロバス二台が川又の駐車場に停まり、宿舎に30人程度の学生が入っていきました。たぶん彼らは矢竹沢の方に向かうと思われますが、誰もいないよりは心強いです(笑)。

 で、入川林道に突撃。



 陽射しがある場所は暖かいです。この辺は寂れた山道という風景。



 しかし日陰は寒いです。前回は余裕がなくて気づかなかったのですが、ガードレールが森林鉄道の軌道を流用しています。

 夕暮れキャンプ場近くで記念撮影していると、マイクロバス二台と乗用車一台が抜いていきました。この寒いのにこんなところに自転車で来るなんて酔狂なおっさんと思ったでしょうねぇ(笑)。



 営業していない夕暮れキャンプ場を過ぎるとトイレが新設されていました。バリヤフリーでとても立派。って、こんな所に車椅子の方も来られるのかしら(^^;。



 入川の穏やかな流れ。但し撮影は帰路にて。



 これまた営業していない管理釣場を過ぎ、いよいよ東大演習林の中へ。しかし発砲注意って(^^;。どうやって注意せーちゅーんじゃ。



 本当に寂しい林道です。森の熊さんでもいいから出ておいで。



 ガードレールもなくなる頃、入川谷登山口へ到着。時刻は10:55。右手は急角度の上り坂で矢竹沢方面へ。そしてゲートで止められている左手は一旦急角度で下り、入川沿いに十文字峠等へ向かいます。なお、この写真は帰りに撮影したものです。心なしか余裕が見られます(笑)。

 ゲートではホイと自転車を投げる様に反対側に渡します。そして念の為に熊除けの鈴を装備(笑)。



 前回通行を諦めた個所です。今回はしっかり修復されていました。この道はたぶん林業に使われておらず産業的には無価値ですが、登山路としては重要ですのでやはり補修されますね。ただ他の地面は乾いているのにここは若干濡れていて、根本的に崩れやすい場所の様です。



 1km程進むと、冬期通行止め(12月中旬から4月上旬)の立て札がありました。そして森林軌道跡を発見。ミニサイズの車両なので、軌道も細いです。

 東京大学演習林軌道

 1984年に運用終了だそうですから、もう20年以上経過しています。赤沢出合より上部の軌道は1969年廃止で更に古いです。この場所の軌道は建設資材運搬の為に1983年から一時的に敷設されたもので、かつて林業に使われていたものとは別物と思われます。



 先程の写真ではカーブの部分に法面がありません。その理由はこれ(笑)。沢と言うより見事な土砂崩れ。



 そしてそんな土砂崩れを受けては軌道等ひとたまりもなく、こんな感じに落ちてしまいます。ここは何度も修復されている道でしょうね。



 しかしそれ以外では意外に石垣が綺麗に残っています。

 荒川源流探しというより鉄道マニアみたいになっていますが、まぁ他に見所がないのでご容赦を(笑)。



 お、ポイント発見。ここは結構幅が広く、行き違いの為の退避設備なのかも。



 枕木が見えます。20年経過しても意外に残るものなんですねぇ。



 ひえー、恐っ。これじゃGPSが電波をキャッチできるわけがない(笑)。



 石垣の法面崩れ。巨岩の方が道路の維持には良いんですね(笑)。



 急峻な山肌からちょろちょろ流れる沢。谷の反対側には沢と言うより滝があって、かなりの高度から水が落ちていました。枯れ木が邪魔で撮影できないんですが。きっと新緑になっても撮れないと思います(笑)。沢を遡上すれば見えるかもしれません。でもそれじゃ沢屋だしなぁ(笑)。(拡大可)



 標高800mを記す標識。頭に苔むしちゃって、なんだか可愛らしいです。



 切り通し。この岩を掘削して開通したんですよねぇ… とてつもない大仕事。(拡大可)



 日陰で一日中氷点下なんでしょう。葉や茎を核に、ちょろちょろかかる水滴が少しずつ氷として成長。面白い形の氷になっています。



 冬で山は乾燥していますが、所々で見られる湧き水に心癒されます。

 なんて思っていると、川を堰き止める人工物発見。川の反対側には建物が、そして登山道には小型のユンボが停めてあります。東京発電株式会社という東京電力の子会社が発電をしている様です。ここで取水している為、入川の下流は流れが穏やかと言うか弱々しいわけですね。と同時に、登山道が修復された理由がわかりました。ちゃんと産業的に必要なわけです。



 堰を過ぎると水量も増え力強いです。荒川源流パワーです(笑)。



 なんて感動していると、登山道がいきなり荒れまくりです。MTBでも走れないでしょう。時刻は12:05。



 自転車を停め、少し岩場を歩いてみました。落ち葉が道を覆っていて、道が一体どうなっているかわかりません。奥に見える法面は健在で、ここさえ越えれば赤沢出合に到着できそうです。GPSは電波障害で位置が安定しませんが、赤沢出合まで100か200mという所です。ここは是非とも越えたい。自転車を置いてでも行ってみたい。

 しかし写真の手前の部分は法面の石垣が崩れた様に見えます。途中の枯れ葉の山もただ単に路面を覆っているのではなく、法面が崩れて、崩れた土砂の上に枯れ葉が堆積している感じです。考えた末、枯れ葉の上を二、三歩慎重に歩いてみました。そして石垣崩れの可能性のある場所でストップ。枯れ葉を掘り始めます。枯れ葉の堆積と路面状態を確認する為です。なんか枯れ葉が50cmくらい積もっているんですけど(^^;。路面が出てきたので、手で押してみました。ずぶずぶずぶ… あらら。やはり石垣が崩れて堆積している様です。枯れ葉がなければ崩れた路面でも歩く場所を探せるでしょう。しかし枯れ葉で覆われていては足の踏み場がわかりません。君子危うきに近寄らずというわけで、すぐに後退。後退の足がずぶずぶと枯れ葉の中に潜ります。ひえー。もう少し進んだ所から掘っていたら危なかったかも。

 うーん。崩れていると思しき距離は40mくらいでしょうか。非常に惜しい。登山なら斜面を巻いたり、一旦入川に下りるという手段がありますが、私はハイキングレベルの装備。それに斜面にも枯れ葉が堆積しているので、崩れる危険性があります。前回入川谷登山道入口の崩落で前に進めませんでしたが、今回はきちんと補修されていました。とすれば今回急いで危険を冒さないでも、次回はここも補修され、楽に進める可能性は高いです。それにできれば赤沢出合には相棒のF20-Rと一緒に行きたい。これらを勘案し、今回はここで諦めることにしました。



 赤沢出合直前で残念撮影会。胸のボタンに熊除けの鈴が着いています。もう少し上に着けたら犬ですな(笑)。

 撮影が済むと、力強い入川の流れを眺めながら食事をしました。枯れ葉が多いので火事には気をつけて。そして入川を見ながらコーヒーを飲んでまったり。山はすっかり枯れ果て、熊も出そうにありませんでしたし(笑)。

 そして最後まで赤沢出合への想いを引きずりながら、12:45に撤収開始。



 凄い岩だ…(拡大可)



 森林鉄道のつもりになったF20-R。それにしても軌道が狭いなぁ。

 帰路は下りなので、ほぼ歩きとはいえ早いです。撮影もほとんどしないですし。13:30には入川谷登山口に到着。45分くらいですね。ここでゆっくり撮影会。そして山々に大声でお別れ。来春の再会を約しつつ。



 東大演習林入口。来春来る時は新緑で迎えてくれるでしょう。

 14:00に川又到着。結局入川林道に入ってすぐ私を追い越したマイクロバス以外、約4時間、全く人に出会う事はありませんでした(笑)。しかし寒くはありましたが天気は良く、穏やかなハイキングを楽しめました。暑い季節より楽ですね。

 川又には扇家山荘という宿泊施設があり、定食も営業中の看板あり。以前から目をつけていたんですけど、今回は思いきって入ってみましたが……営業していないとのこと(^^;。やはりシーズンだけの営業なのかな。って、前回来た時はシーズンでしたが、営業している雰囲気がなかったですが(笑)。どうなってるんだろう。ここで軽く食事しながらブログに報告しようと思ったのですが、思惑が外れたのですぐに撤退。

 往路と同じ道をどんどん下ります。二瀬ダムには予定より50分早く到着。気を良くして、道の駅大滝温泉にて入湯(笑)。まだ下りがあるのですが、面倒になったらバスで駅まで輪行しようかと。大滝温泉の遊湯館は荒川に面しており、風呂から荒川が見えます。とても良い景色。そして温泉の湯は肌をつるつるにします。ただお風呂は岩風呂と桧風呂の二種類ありますが、どちらも浴槽の周囲が違うだけでした。水風呂とかサウナとかいろいろあると長く楽しめるんですけど、これではちょっと無理。長居できないなら帰りも走ろうと、40分くらいであがりました。湯冷めで風邪をひくかと心配だったんですけど、むしろここで体を暖めておいて正解でした。本来なら寒さに震える下り坂でもダウンジャケットが風呂の熱気を逃がさず、体がほかほかで快適に下る事が出来ました。

 道の駅大滝温泉

 温泉に入ったので予定より遅れ、街中に入る頃には真っ暗でした。しかし山の中と違って車が多く通る場所ですので、もう問題なし。



 特に食事は考えていなかったので、またかよの安田屋へ。17:05。わらじカツ丼(2枚)900円也。食後満腹感に浸っていると、おばちゃんが「量が多いでしょう。でも肉体労働する方には好評なんですよ」と言います。「あ、大丈夫です。肉体労働してきましたから」と応える私(笑)。私が自転車乗りなのがわかっており、「秩父はどこから来るにも峠を越えなければならず、先日は本庄から来た人もいたんですよ」とおばちゃん。あの~、私は峠自体を走る為に東京の東の果てからやってきているんですけど(笑)。

 食事を済ませ、西武秩父駅へ向かいます。西武秩父駅では電車が20分後に発車します。いつになくナイスタイミング。が、ここで問題発見。サイクルコンピューターがない… あれ? あれれ? サイコンが落ちるなんて考えられません。これは安田屋に置き忘れたかと、路面を確認しながら安田屋へ戻ります。しかし安田屋にはなし。だいたいGPSを自転車に着ける際、サイコンとライトにGPSの紐を巻き付けるのです。GPSが着けてある以上、サイコンを着けていないわけがない… うーん。再び西武秩父駅へ戻ります。サイコン自体は惜しくないのですが、今日のデータが惜しい。しかしないものはない。諦めて帰宅となりました。

 というわけで、残念ながら今回も赤沢出合に到達できず。悲願達成ならず。まぁまたお楽しみが残ったということにしましょう。来年はそれこそF20-Rを担いで柳小屋まで行っちゃいますかー ←もはやサイクリングでもポタリングでもハイキングでも登山でもない。ただの変態(笑)。

 悲願は達成できませんでしたが、この数ヶ月の成果は満足です。危うい様に見えますが、一回目の崩落現場は引き返していますし、今回も自分なりに良い判断で引き返せています。1500m級の赤城山も上れましたし、順調に経験値を上げることができました。あとは山の斜面を自転車を抱えて登る(←ここでは「登る」)レベルを目指したいと思います ←だからそれはサイクリングじゃないって(笑)


所要経費
 西武鉄道 西武池袋駅⇔西武秩父駅 750円×2


 以下、入川林道GPSデータ。



 データを綺麗に修正しましたが(拡大可)、



 実際はこんなもん(笑)。酷い荒れようですね。入川谷というくらいで谷底を走りますので、空が一直線しか開けていません。補足できる衛星が直列で笑えました。(拡大可)



 走行ルート標高図。真冬に標高900メートルはやり過ぎでした。(拡大可)

2007年12月1日土曜日

2007/12/01 赤城山

走行距離 81.17km(赤城駅 - 赤城山 - 赤城駅のみは72.17km)
走行時間 05:44:10(赤城駅 - 赤城山 - 赤城駅のみは05:12:02)
平均速度 14.1km/h(赤城駅 - 赤城山 - 赤城駅のみは13.8km)
最高速度 55.8km/h
使用車種 KHS F20-R



 前回の赤城駅→細尾峠→日光のルートを検討している時、同一画面にあった赤城山に気づきました。赤城山と言えば「赤城の山も今宵限り…」の国定忠次くらいしか知らない無知な私。しかし地図で見る赤城山は赤城駅から結構近く、県道の最高点は1500m。これは天目山林道へのステップアップにもなりそう。そんなわけで、軽く行き先を決定。

 しかしこのいい加減な動機、しかも出発直前のルート選択が適当すぎ。最初は先週と同じ国道122号線(銅山街道)を北上、県道70号線(沼田大間々線)を北西に向かう最短ルートが目に付きました。Super Mapple Digitalでは細いながらも山頂まで繋がっていますので。でも一直線なんですよね。おかしいと思って拡大したら登山道みたい(^^;。走れるわけがない(笑)。再検討の結果、上毛電鉄に並走する県道3号線(前橋大間々桐生線)を西へ、大胡で県道16号線を北上してカルデラ湖の大沼へ。大沼を一周して、県道4号線(前橋赤城線)を南下、前橋へ。前橋からは赤城へ走行するもよし、上毛電鉄から輪行するもよし、JRから輪行で一気に帰るもよし。全部走っても90kmに満たないので、なんとかなると考えました。

 家を出発したのは5:43。前夜遅くまでルート選択に時間がかかった為3.5時間程度の睡眠。秩父行きと変わらない… 6:15の区間急行太田行きに乗車。この日は暖かく、館林も5.3℃と前週の1.3℃とは全然違います。しかしこの暖かさ、そして睡眠不足がクリティカルヒット。音楽を聴いていたのですが、つい車内でウトウト。太田直前で気がつき、イヤフォン越しに太田での乗り換え案内を聞きました。7:48赤城行きと… 事前の調べでは7:43とわかっていたのですが、頭がボケていたので7:48が正しいと思い込み、時間に余裕があるからとトイレへ。用を足してホームへ上がると電車も人影もない。これで目が覚めました。やってもうた。電車は既に出発していました。そして次の普通電車は一時間後の8:41orz 特急りょうもう1号が8:28にあるのですが、所要時間の差はたった2分!! いずれにせよこの時間なら電車内はガラガラ。それでいて2分の為に500円とはいえ特急料金はありえないだろ… しかしこれ以上遅くなると赤城山に上れないので、ちょっと鉄っちゃん気分でりょうもう1号に乗って赤城駅へ。8:54到着。

 因みに、りょうもう1号の車両後尾はF20-Rが入るか微妙でした。座席の間には入ったのでなんとかなるかもしれませんが、試してないので自信なし。混雑時はデッキに置くのが精一杯でしょう。

 自転車を組み立て、9:10に出発。急いで大胡へ向かいます。結構起伏がある上、交通量も多く、あまり自転車に適した道とは言えません。それに街灯がないので、暗くなったら走れそうにありません。帰路は上毛電鉄のお世話になるしかないと思いました。



 前橋大間々桐生線からはずっと右手に赤城山が見えました。電線や建物が邪魔ですが、立派な山容ですね。

 9:55頃、大胡に到着。ここまで約12km。山を上るには良いウォーミングアップです。ここから荒砥川沿いの県道16号線(大胡赤城線)を上っていきます。三夜沢町の赤城神社山道までは広々とした道路で、自動車も気になりません。



 鼻毛はないだろと笑う余裕あり(笑)

 101号線と交差する所にあるセブンイレブンで補充用のパンを一個、ミネラルウォーター、コーヒーを調達。コーヒーを準備するのを忘れていたのです。しかし粉のインスタントタイプしかなくてガッカリ。



 そして広い直線道路を進み始めるのですが、なんだか全然速度が出ません。この写真でわかりますかね。直線なんでわかりにくいのですが、勾配率5%くらいの急坂です。疲れて自転車を降りたら、気を抜いていたので体が後ろに引っ張られて倒れそうになりました(^^;。右側に参道松並木があって景色も雰囲気も良い道なのですが、美しい薔薇には棘があります(笑)。

 やっとこさ三夜沢交差点に。アタック21の赤城山コースはここから始まります。実際、ここから勾配は更にきつくなり、三夜沢赤城神社手前まで1.7kmで110mの上昇。勾配率約6.5%。そしてその先は小沼の小ピークまで11.5kmで900mの上昇。約8%の長い激坂。どんどんきつくなります。しかしこの時点ではよく調べてなかったので、そんなにきつくなるとは思ってなかったのです(^^;。アホや。



 紅葉も終わりです。



 青い空、緑の大地と、なんとなく北海道のイメージ(ステレオタイプ)。



 快晴の中、三夜沢赤城神社まで最後の上りです。勾配はきつくても道路はまとも。

 大胡赤城線を直進すると三夜沢赤城神社ですが、ここで右折。道路は森に包まれ、1車線になります。標高520mくらい。



 この採石場のせいで大胡赤城線は大型ダンプがひっきりなしに通り、道路も荒れています。あぁ、山が崩されていく…



 酷く荒れていて、ロードレーサーが走るには辛い道路。一見閑静な森林道路を思わせますが、採石場の騒音がガンガン響いていますorz



 大胡赤城線から右に分れる滝沢林道。滝沢温泉に続く民間林道だそうです。標高690m。



 強烈な九十九折り第一弾を通過。赤城温泉手前から赤城山を望む。尖っているのは地蔵岳か。標高820m。



 赤城温泉へ続く道との分岐点。峠みたいな切り通し。こいつを抜けると…



 ハイ、見事なうねうね山道(笑)。しかし眺望は得られず。

 開設工事中の不動大滝線入口を通過。ここら辺りは100m進んでは反転という感じで、緩やかな道。しかしそれを越えると強烈な九十九折り第二弾開始。これが本当にきつい。50mくらいで反転反転また反転。今までの疲れも累積し、何度も休憩… 第二段の九十九折りは勾配率13%以上と思われます。道理で進まないはずだ… しかもこの九十九折り、眺望が全くない(^^;。悲しいくらい癒しのない道路でした。当然ここでの写真なんかありません(笑)。心に余裕がないですし、自転車をスタンドで立てても転がってしまいます。

 やっと九十九折りを抜けると、枯れ木越しですが東の視界が開けました。ほっと一息つくと、建設作業員の方が上の方から歩いてきました。九十九折り終点直前に作業現場がありましたから、そこの作業員でしょう。挨拶してちょっとお話。自転車の値段が高そうとか、そんな話(笑)。

 「ここまで自転車で来たんだ。大変だねぇ」
 「でも、(高さは)あと4、500mですよね」
 「あと1kmくらいじゃないかな」

 一瞬フリーズ。だってそれじゃ標高2000mの山になってしまいます(笑)。今考えると、どうやら小ピークまでの距離を言っていた様です。1kmじゃ全然足りないですけどね(笑)。しかしこの時はよくわからないまま、お互いの安全を祈ってお別れ。

 ほとんど直線ですが強烈な坂を登ると、標高1100mの大パノラマ夜景展望台へ。なんか凄い名前ですが、円筒状の階段があるだけです。しかしここを登ると素晴らしい眺望が得られます。この日は逆光の上に靄があって市街地がハッキリ見えませんでしたが、靄さえなければ絶景でしょう。夜景も素晴らしいでしょうね。でもここまで自動車で上るにしても、夜景を見た帰りが恐いんですけど(^^;。こんな山道、夜は走りたくないなぁ。

 展望台を過ぎると九十九折り第三弾。しかしこちらは峰が見え始め、下界も一部見える様になります。さすが標高1150m。
 


 靄がありますが、やっと東側の視界が開けました。





 九十九折りラストスパート。なんか私、ヒーヒー言いながらもこういう景色が好きみたいです(笑)。やたら沢山写真撮ってるし。



 いよいよ峰直下の道路が見えてきました。





 らぶらぶ(笑)。標高1350m。

 更に800m程度進んだ場所が標高1420mの小ピークで、アタック21のコースでは終点です。時刻は13:25。大胡から三時間半もかかっているし… アタック21のコースに当てはめると2時間40分。如何にのろのろかわかりますね(笑)。速い人は一時間を切るらしい… それにしても赤城温泉の分岐からこの小ピークまで、約5.7kmで約600mの上昇。平均勾配率が10%越えて6km近く走るってあり得ないですわ……

 尚、小ピークは眺望が全くダメ。富士見村なんですけどねぇ。そんなわけでさっさと小沼に向けて下り始めます。

 小ピークから一旦下りになります。



 小ピークから500m走った所。右に小沼、左に荒山がありますが、小沼は見えません。標高は1400mで、道路の端には雪が残っていました。寒っ!!



 わかりますかね。上りの間、あまりの暑さにダウンジャケットは脱いで鞄に引っかけて走っていたのですが、鞄の胸当の部分に汗がたっぷり滲んでいます。上半身にうっすら汗をかいていましたので、雪が残るここでの撮影はかなり寒かったです。



 左手に地蔵岳(1673.9m)を見ながらの全長1.2kmのストレート。美し~ なんて余裕があるわけがない。一旦下って110mもの上りなんですから… 小ピークで精神的に一息ついただけに、心も体もぐったり。それでもこれを越えねばカルデラ湖には着けない。

 しかしここら辺りにはいろいろ面白い地名があって心が癒されました。



 わーい。三途の川だ~。



 目線が消えているのでわかりませんが、目が落ち込んでいます(^^;。疲れた表情で、こんなの自分でも見たことないな~。体力に余力がなく、実際の三途の川を見るのは止めました。落ちたら本当に土左衛門になりかねん…

 そして更に100mも進まないうちに、今度は血の池だ(笑)。





 おっさんの写真を何枚も載せても仕方ないので赤いF20-Rと。

 更に600m程進むと、今度は地獄谷(笑)。



 如何にも火山らしい地名といったところでしょうか。

 地蔵岳への登山道が見えると、そこがピークの標高1490mくらい。気力と時間があれば地蔵岳に上りたかったのですが、どちらも皆無。少し進んで小沼の駐車場へ。



 足がもつれて階段を下りるのが恐い(^^;。相当疲労していた様です。少し下りて撮影。湖面は凍っているみたいでした。

 ここからは大沼に向けて一気の下り。3kmで150m程下ります。あぁ、帰る際にはまた上り返さなければならないのか…と思いながらも、14:25に赤城神社に到着。



 大沼と赤城神社。水面に赤が目立ちます。



 立派な拝殿。



 こちらも赤い手水舎。

 大沼は水が透き通っていてとても綺麗。神社も参拝者は結構いましたが、静かな佇まいで心が休まります。家族の健康と帰路の安全を祈り、撤退。

 さて、時刻は14:40です。まずいです。下り始めれば一時間で麓まで下りられるでしょうが、その前に峰を越えねばなりません。本来大沼を一周して前橋赤城線に入るはずでしたが、大沼を周る体力に自信がありません。初めての道路ですから、どんなに険しいのか不明です。それにもう食事する時間もありませんorz 食事で一息つけば多少の上り坂も大丈夫でしょうが、食事もせず未知の道路を上るのは危険。かと言って、今来た道路を上るのも自信なし。進退窮まれり。熟慮の上、今来た道を戻ることにしました。上り坂がきついのはわかりますが、どれくらい走れば終るのか体験的にわかっているのが強みです。非常食のチョコレートを口に放り込み、端に雪の残る道路をひたすら上ります。この時ほど辛いサイクリングはなかったです(^^;。空腹、疲労、寒さ、日暮れのプレッシャーと、重圧かかりまくりです。ちょっと涙が出そう。それでも15:10に小沼のピークへ。30分でたった3kmしか進めない。消耗の酷さがわかります。ピークに着くと、助かった…この一言です。あとはもう一度小ピークがありますが、一時間もあれば麓に辿り着けます。最悪でも忠次温泉まで下れれば宿泊できます。

 小ピークを越えると、あとはひたすら下り坂。寒いですけど凄く楽…なんですが、13%の坂を下るのは恐いです(^^;。ガードレールから飛び出たら一巻の終わりですからねぇ。非力なブレーキをずっとかけ続けました。採石場を越え、やっとセブンイレブンへ。肉まんで栄養を補給。往路で苦闘した三夜沢の直線道路は逆に最高の道路に。漕がずとも55.8kmを計測。直線なのでもっと速度が出たのですが、路面の穴等を見落とすと死ぬので、これが限界。大胡到着は16:20。小沼の小ピークからは一時間ですね。やはり下りは速いです。

 当初は上毛電鉄で輪行する予定も、前橋から乗るというイメージが頭に固定しており、大胡から乗るという考えが浮かびませんでした。そーとー疲れていたんでしょう(^^;。ほぼ惰性で往路を逆に辿ります。自動車が通らないとほとんど暗闇の前橋大間々桐生線を… 周囲の田んぼや前橋大間々桐生線に接続する道路は真っ暗です。久しぶりに真っ暗闇に近い世界を見ました(^^;。パニックをおこして、携帯電話がなくなったと勘違いしたり(苦笑)。完全に精神的に追い込まれていましたね。

 17:25、ようやく赤城駅到着。電車の待ち時間が長かったので、定右衛門という手打ちうどん屋さんへ。



 ほうとう鍋を食べたかったのですが、時間の関係で釜揚げうどん(きのこ汁)を注文。540円也。腰のしっかりした麺で、値段以上の価値がありました。

 その後は18:17の太田行きに乗車、21:20に帰宅しました。眺望は靄でやや不満、激坂は満腹、観光すべき所を飛ばしまくる特急のポタリングも無事に終りました。

 今回のポタリングはとにかく計画が杜撰でした。コーヒーだけでなく、カップラーメンの箸も忘れてました。どうやって食べるつもりだったんだろう。ここのところ毎週遠征していて、ちょっと慢心していたのかもしれません。レポートも遅れ気味になって、次の計画設定もギリギリになっていましたしね。

 赤城山の頂上付近の道路は12月15日から4月6日まで通行止めだそうです。他の山も同様でしょう。従ってもうすぐ今年の山遠征も終わりです。今回の件を良い教訓に、最後まで気を引き締めて臨みたいと思います。


所要経費
 東武鉄道 草加駅⇔赤城駅 1030円×2
 東武鉄道 特急料金    500円


 以下、トラックデータからのグラフ。



 同じルートを走っている為、縦軸が標高、横軸が走行距離のグラフは左右対称です。



 しかし時刻を横軸に取ると、ひどくイビツ。三時間ゆっくりかけて上り、一時間で真っ逆さまですな(笑)。

 カシミール3DによりルートをCGで表現してみました。



 CGでは上の方に切れて見える榛名山に比べると、確かに赤城山は山裾が広いかも。但しこのCGは起伏がわかりやすい様に標高を2倍にしています。



 少しだけ角度を変えて、且つ山頂付近のアップ。三夜沢赤城神社の曲り角からのルート。途中の赤線が子供が書いたみたいにぐにゅぐにゅしていますが、これが問題の九十九折り。今見てもろくでもない曲り方だなぁ(^^;。でも道路がどういう風に敷設されているかよくわかります。
 ピークまで上ったらカルデラ湖の大沼に下るのですが、沼のデータはないのか水色にならないです(^^;。榛名湖は水面が表示されるんですが。

 平地走行の場合3D化する意味ってないんですけど、山を走る場合は、この表現の方がどこをどう走ったか分かりやすいですね。

 それからこの画像を見て納得したのは、尾根(?)の部分を走っていること。周囲より高い部分を走っているので、GPSのデータに乱れがなかったのです。往路と復路でデータがほとんどズレなし。異常データもなし。ところが秩父の入川林道なんか、通るのが谷なのでGPSが電波をロストしまくりです。GPSは地形により如実に影響を受けますね。

 もう少しカシミール3Dの使い方を勉強しないと… 使いこなせればとても面白いソフトでしょう。